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華陽ニュース
紙の市況(2025.10)詳細 10月20日更新分
【板紙・パッケージに関する市況/状況】
1.王子マテリアが包装紙値上げ |
王子マテリアは10月10日、包装用紙の値上げを発表しました。
対象製品 | 包装用紙全品種(グリーンラップ含む) |
値上げ幅 | 現行価格より+10%以上 |
実施時期 | 2026年1月1日出荷分より |
同社は6月に白板紙、段ボール原紙、紙管原紙等の値上げを発表しており、相次ぐ値上げに注目が集まっています。
2.日本の段ボール原紙輸出 輸入国反発の報道 |
10月15日付の日本経済新聞紙上にて、日本の段ボール原紙輸出の拡大が輸入国の反発を招いていると報じられています。フィリピンは8月、中芯原紙の輸入品に対して暫定的に200日間のセーフガードを発動、日本製が半数以上を占めており、日本が主要なターゲットとなっているとのこと。昨年末には韓国でも日本製段ボール原紙に対しアンチダンピング措置で提訴が準備されているとの報道があり、中国の過剰生産に端を発したアジア市場での市況悪化から日本の輸出拡大にも厳しい目が向けられていると記事では伝えられています。
3.カミエコ🄬コーヒーパックがSustainable Product賞を受賞 |
日本紙パルプ商事は10月3日、SCALワールド スペシャルティコーヒー カンファレンス アンド エキシビション2025が主催するNEW PRODUCTS AWARDにカミエコ🄬 コーヒーパックを出品し、Sustainable Product賞を受賞したと発表しました。カミエコ🄬コーヒーパックは高い酸素・水分バリア機能を持つ特殊紙を使用したコーヒー豆専用の紙製パッケージで、紙素材でありながらプラスチックフィルムやアルミ蒸着フィルム素材のパッケージと同等のバリア性を発揮、コーヒーや茶葉の風味を損なうことなく減プラを実現できるパッケージであるとのこと。同社は今後も包装分野における紙化や脱プラスチックの提案を推進するとともに、サステナビリティへの取り組みを進め、経済価値と社会価値をともに実現する持続可能な事業活動を実践していくと表明しています。
【ESG、SDGs等関連】
1.日本製紙 新聞輸送でモーダルシフトの取り組み |
日本製紙は10月8日、読売新聞川越工場への新聞用紙のモーダルシフトによる直納を2025年9月から開始したと発表しました。従来は日本製紙岩沼工場からトラックで所沢の倉庫へ輸送、別のトラックに積み替えて読売新聞川越工場に納入していたところを、岩沼工場から鉄道を使ってコンテナで新聞用紙を輸送、新座貨物ターミナル駅に着いたコンテナを積み替えることなく川越工場に直納する方式に変更したとのこと。同社はこの取り組みで二酸化炭素排出量は年間約87%削減、ドライバーの運転時間は年間約93%減少する見通しだとしています。
2.えがおにタッチPROJECT「ハタチ基金」に寄付 |
大王製紙は10月9日、「エリエール えがおにタッチPROJECT」の一環でツルハドラッグとともに行ったキャンペーンの売上の一部160万円余りを「ハタチ基金」に募金したと発表しました。ツルハドラッグが4月16日~6月15日の期間、青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、新潟の各県の店舗を対象に行った「未来の笑顔応援キャンペーン」におけるエリエール商品の売上の一部を、東日本大震災時に0歳だった赤ちゃんが無事にハタチを迎えるまで支援を行う公益社団法人「ハタチ基金」に寄付したとのこと。両社が協同してキャンペーンを行うのが今回が2回目で、ハタチ基金に寄せられた寄付金は、経済的に困窮している家庭の子どもたちへの支援や、ひとりひとりの自立と自律を支え主体性を育めるような居場所づくりなど、子どもの触れ合いを増やす活動に活用されるとしています。
3.王子HD 森林計測にリモートセンシング導入 |
王子ホールディングスは10月14日、ヤマハ発動機、精密林業計測(信州大発ベンチャー)と共同で、王子グループの国内社有林の森林情報の取得と解析にリモートセンシングを活用して取り組むと発表しました。ヤマハ発動機が産業用無人ヘリコプターで王子の社有林の広域レーザー計測を実施、取得した森林情報を精密林業計測が解析するという取り組みで、既に岐阜県内の社有林で行った実証実験で、樹種・樹高・直径・材積・位置情報などを一括で可視化することに成功したとのこと。人手不足や林業技術者の高齢化、作業中の事故や野生動物との遭遇といった安全性の課題などから林業のDX化の必要性が高まるなか、同社はこの取り組みが実現されれば
・現地調査の大幅な省力化
・安全性の向上
につながるとして、将来的には二酸化炭素固定量算出やJ‐クレジットへの展開も視野に取り組んでいくとしています。
【印刷、製品、その他関連】
1.第2回Book Fair Championshipが開催中 |
10月1日より第2回Book Fair Championshipが開催中です。書店員がお客様の興味関心を引くようにテーマ設定・選書・陳列・飾り付けを行うフェアの腕を競うもので、11月30日までに応募されたフェアについてBFC実行委員会と「第2回BFCオリジナルZINE」の購入者による第1次選考、BFC審判員3名による最終選考によってチャンピオンが決定されるというもの。BFC公式サイトでは、このイベントの創設により書店の魅力・面白さが多様化し、それが業界内外に広く伝わって、書店に行こうとか書店で働きたいと考える人をひとりでも多く増やしていければと、企画の狙いを説明しています。
※文中敬称略
※文章は2025年10月16日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。