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紙の市況(2025.10)詳細 10月31日更新分

【洋紙 国内の紙の市況/状況】

1.北越コーポ、2026年3月期通期業績予想の修正を発表

 北越コーポレーションは10月28日、2026年3月期第2四半期と通期の連結業績予想を修正したと発表しました。前回2025年5月15日発表の予想と比較して、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益の予想を下方修正。

・海外市場におけるパルプ販売数量の減少及び販売価格の下落
・洋紙・板紙の販売数量減少
・想定より円安が進行

を修正理由として挙げていますが、業績予想の修正に伴う配当予想の修正はないとしています。
 

【板紙・パッケージに関する市況/状況】

1.中越パルプ・日本東海 包装用紙を値上げ

 中越パルプ工業は10月17日、日本東海インダストリアルペーパーは10月21日に、包装用紙の価格改定を発表しました。

中越パルプ工業
対象品種 未晒クラフト紙(重包装・軽包装・半晒クラフト)
晒クラフト紙(両更、片艶)
純白ロール紙
改定幅 現行価格より+10%以上
実施時期 2026年1月1日出荷分より
日本東海インダストリアルペーパー
対象品種 クラフト紙(重袋用両更クラフト紙、一般両更クラフト紙)
改定幅 現行価格の10%以上
実施時期 2026年1月1日出荷分より

 王子マテリアに次ぐ発表で、今後の動向に注目が集まりそうです。

2.王子グループ制作パッケージ、Pentawards2025受賞・入選

 王子ホールディングスは10月28日、王子グループ制作のパッケージ2点がPentawards2025で受賞・入選したと発表しました。なまはげをデザインし、パッケージを通して地域文化に親しめる「あきたこまち」の米袋が食品部門の銅賞を受賞、市場で認知されている旧ロゴを活かして新たなシンボルをデザインしパッケージをリニューアルした「マルタカりんご」の輸送箱が食品部門で入選を果たしたとのこと。王子グループは今後もクリエイティブなパッケージデザインの開発に注力し、お客様のビジネスに貢献していくとしています。
 
 
【その他の市況/状況】

1.9月の家庭紙店頭価格が横ばい

 10月18日付の日本経済新聞紙上にて、9月の家庭紙の店頭価格が横ばいとなったと報じられています。東京紙商家庭紙同業会のまとめによるもので、主要品種全てで2か月連続の横ばいとなったとのこと。店頭販売は落ち着いていますが家庭紙がふるさと納税の返礼品となる例や電子商取引での取り扱いが拡大していることで、卸業者はその影響を注視していると記事では伝えられています。

2.9月積みL‐BKP価格が上昇

 10月21日付の日本経済新聞紙上にて、南米産L‐BKPの9月積み対日価格が前月比3%高となったと報じられています。値下がりが続いたことで南米のパルプメーカーの採算が悪化し、対中国で値上げに動いた影響で日本向けも価格が上昇したとのこと。一方、北米産N-BKPの9月積み対日価格は前月比1%安となり5か月連続の下落。中国で過剰生産による紙製品価格の低迷や国産パルプの生産体制増強などからパルプ輸入量は減少傾向にあり、LNともに輸入パルプの需要は鈍いと記事では伝えられています。
 

3.古紙輸出入札価格が上昇

 10月21日付の日本経済新聞紙上にて、関東製紙原料直納商工組合の10月積み輸出入札価格が前月比1%高となったと報じられています。対象は台湾向け段ボール古紙。ただ上昇幅は小さく、例年古紙需要が増える秋口にしては相場は弱含みで推移しているとの商社の声が紹介されています。米国の中国に対する関税対策の影響で、欧米の年末雑貨需要向けの段ボール需要が不透明であると、記事では説明されています。
 

【印刷、製品、その他関連】

1.Faw TOKYOで紙糸ファッションを展示

 国際紙パルプ商事は10月20日、10月1~3日に開催された「Faw TOKYO 第16回ファッションワールド東京 秋」で、「かみのいとOJO⁺」を使って制作された東京モード学園生徒の4作品を展示したと発表しました。同社は東京モード学園と産学連携プロジェクトを実施しており、展示4作品を通して「かみのいとOJO⁺」の新たな魅力と持続可能なものづくりの未来を発信したとのこと。来場者による4作品の人気投票で1位を獲得した作品「折華」の作者は、日本の技術と伝統を結び付け、紙からつくられた生地を折り重ねることによって華やかなドレスを制作したと、作品について説明しています。
 

2.マクドナルド 紙ストローを廃止

 日本マクドナルドは10月27日、紙製ストローの提供を終了すると発表しました。冷たい飲料向けのカップの蓋に飲み口を付けることでストローを使わなくても飲めるように改良した容器を、11月19日から全国約3,000店舗で順次導入するとのこと。一部の消費者から紙ストローの使用感に不満の声があったのに対処したもので、蓋の素材に再生プラスチックを使うほか、持ち帰り用のレジ袋でもバイオマスプラスチックの比率を95%に高め、環境対応に配慮するとしています。
 外食では既にスターバックスが紙製ストローから植物由来のバイオマスプラスチックのストローへの切り替えを実施しており、他の導入企業の動向にも注目が集まりそうです。
 

※文中敬称略
※文章は2025年10月29日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。