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お城初心者のへぇーなお城 9
2026年の大河ドラマは『豊臣兄弟!』。『彼が長生きしていれば豊臣家の天下は安泰だった』との言葉もある豊臣秀吉の弟・秀長を主人公に、強い絆で困難を乗り越え、天下統一を成し遂げた兄弟のサクセスストーリーを描くと発表されています。
戦国時代はお城の時代。これまで特にお城に興味を持ってこなかったお城初心者が大河ドラマをきっかけに学び始めたお城の小ネタを、お城初心者の方は「へぇー」と、お城上級者の方は「えぇー・・・(そこからか・・・)」と思いながらお読み頂けると幸いです。
9 「天守の壁」
「塗籠(ぬりごめ)」というと平安文学に登場する、お姫様が閉じこもったり閉じ込められたりする小部屋ですが、お城の時代の「塗籠」は建造物の壁の仕様の事を指しています。伝統的な日本家屋の壁は小舞下地と呼ばれる芯となる構造に粘土を塗り上げた土壁ですが、この表面に白い漆喰を塗り込めて仕上げるのが塗籠で、お城の代表例には白鷺城、2015年に「平成の大修理」を終えた、まぶしいほどの白さが美しい姫路城が挙げられます。
漆喰で仕上げる塗籠に対し、土壁の上に板を少しずつ重なるように張って外壁を仕上げる技法は「下見板張り」と呼ばれています。板の表面には松を燃やして得る煤と柿渋を混ぜた墨を塗って防腐・防虫効果を上げ、風雨から土壁を守る構造となっているため耐久性は塗籠より高いとのこと。信長・秀吉の時代に一時期、板に黒漆を塗って仕上げる技法が流行ったそうですが、漆が高価で長続きはしなかったと考えられており、現存する天守では松本城に黒漆塗りの下見板張りが残されています。
三代将軍家光が1638年に完成させた江戸城天守には「銅板張り」、大規模な新規築城としては最後の例と言われる福山城天守には「鉄板張り」が採用されていたと伝わります。江戸城天守は1657年の明暦の大火で全焼後再建されませんでしたが、1945年の空襲で焼け落ちた福山城天守は1966年に再建、2022年終了の大改修により鉄板張りも復元されています。