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華陽ニュース
お城初心者のへぇーなお城 16
2026年の大河ドラマは『豊臣兄弟!』。『彼が長生きしていれば豊臣家の天下は安泰だった』との言葉もある豊臣秀吉の弟・秀長を主人公に、強い絆で困難を乗り越え、天下統一を成し遂げた兄弟のサクセスストーリーを描くと発表されています。
戦国時代はお城の時代。これまで特にお城に興味を持ってこなかったお城初心者が大河ドラマをきっかけに学び始めたお城の小ネタを、お城初心者の方は「へぇー」と、お城上級者の方は「えぇー・・・(そこからか・・・)」と思いながらお読み頂けると幸いです。
16 「殿席と礼席」
彦根城城主井伊家は譜代大名筆頭格という大家でしたが、自家が大名家中どのランクに位置しているのかを露骨に表しているのが江戸城・本丸御殿の控室と謁見所でした。幕府の役職に就いている大名は登城して御用部屋や勘定所などで日々政務に携わることになりますが、無役の大名も年始、五節句、定例の登城日などに登城して将軍に拝謁することが義務付けられています。この時、自分の順番が来るまで大名は控室で待ち、順番が来たら謁見所に移動することになるのですが、その控室が「殿席」、謁見所が「礼席」と呼ばれており、それぞれランクによって割り当てられる部屋が異なっていました。
控室のうち、一番格が高いのが「大廊下」、ここに案内されるのは御三家や将軍家の親族に当たる大名のみでした。次に格が高いのが有力な譜代大名が案内される「溜之間」、井伊家にはこの部屋が割り当てられます。以下、「大広間」「帝鑑之間」「雁之間」「菊之間」と続き、外様大名で身分も低い家の藩主が案内されるのは最低ランクの「柳之間」でした。
田沼意次が失脚し松平定信が老中首座となった時代。同じ老中に松平康福という大名がいました。娘が意次の嫡子に嫁いでいるなど田沼政治とも関係の深い老中でしたが、古参で温厚、「何の害もこれ無く」と評された人物で、政治の中心が定信になってからもすぐに罷免されることはなく、数えで70歳になる翌年4月まで勤めを続けました。役職を解かれた時には「帝鑑之間」に控え席を設けられ、月次の謁見の際は「墨書院」という最も格式の高い礼席で謁見できるという永年勤続の恩典が与えられたそうです。