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不定期配信 江戸の紙や本や出版や 1

昨年12月15日に最終回を迎えた『光る君へ』。考えさせられるシーンが数多くあるなか、「米や水のように、書物も人になくてはならないものです」のセリフに共感された方もいらっしゃるのではないでしょうか。
その書物や紙の使い手がごく限られた階層から一般庶民へと広がったのが江戸時代。今年の大河ドラマ『べらぼう』では、江戸でメディア王として名を馳せた蔦屋重三郎の生涯が取り上げられています。江戸という土地や時代の様々な言葉や風習が登場するなかで、紙や本、出版などに関するあれこれについてご紹介致します。

1 「赤本」

 大学入学共通テストが終わったばかりでちょっと一息、という方に「お年玉に『赤本』をあげる」と言ったら嫌な顔をされてしまうかもしれません。
 ドラマの第1話にも登場しましたが、江戸時代には「赤本」は子供向けの絵本=草双紙のことでした。お正月にお年玉として買われていたものもあったそうで、表紙が丹色だったことから「赤本」と呼ばれたそう。ただ、絵入りの読み物=草双紙は大人にも需要があったため、時代を追うごとに大人向けの「黒本」「青本」へと変化し、蔦屋重三郎の時代、ある大ヒット作の出現により、大人向けの文芸としてジャンルを確立します。その大ヒット作の表紙が黄色だったため、そのジャンルは「黄表紙」と呼ばれることになるのですが、ではその大ヒット作とは?ドラマではどう描かれるでしょうか。