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華陽ニュース

不定期配信 マウスちゃんとメモリ主任のIT1年生39

情報の重要性が増す昨今、弊社では情報セキュリティについて、その意義や情報を共有する取り組みを続けています。
担当チームが社内向けにまとめた資料などを基に、軽い読み物を不定期でお届けできればと思いますので、ご笑覧頂ければ幸いでございます。

 「あ、しまった。」
 会社に帰ってきた途端、イーさんが小さく叫んで顔をしかめます。
 「どうしたんですか?」
 「お客様のところに傘を忘れてきちゃった。」
 「え、大丈夫なんですか?」
 「もう今日はどこにも行かないし、通勤自体は車だから、お客様に電話さえしておけば大丈夫だけど・・・」
 憂鬱そうに電話をかけ始めたイーさん。ペコペコ謝って電話を切った後、溜息をつきます。
 「叱られました?」
 「いや、全然。揶揄われただけ・・・前にスマホを忘れた先のお客様なんだよね。」
 「ああ、そんなこと、ありましたね・・・」
 「まだ、大切な書類とかタブレットとかを忘れたことはないけど・・・そのうちやりそうで怖い。」

 「会社のタブレットやスマホは生体認証ですから、安心度が少しは高いですよね。」
 「でも、それで忘れ物や紛失が防げるわけじゃないし・・・」
 「忘れ物防止タグをつけるとか?」
 「スマホから離れると鳴るやつ?・・・経費で出るかな・・・」
 「どうでしょう・・・それに、スマホ自体を忘れちゃうと意味ないかもですね。」
 「USBメモリみたいにセキュリティ付きのだと少しは安心だけど・・・」
 「書類には無理ですね。それに、元々の問題の、忘れ物対策、にはならないんじゃないですか?」
 「あー、もう、いっそ、パソコンみたいにセキュリティワイヤーでつなぐとか!」
 「持ち出せなくなりますよ。仕事にならないんじゃ・・・」

 考えあぐねて、メモリ主任に聞きに行った2人。営業の方ほど頻繁に出かけるわけではありませんが・・・と前置きして、自分の対策を話してくれます。
 「お客様の元へ持ち出すものは最小限にして、お渡しするものと持ち帰るものとを分けて管理しています。持ち帰るものも格納場所を決めて帰るときに一度確認しますので、万一忘れたとしてもすぐに気づくことができますね。・・・『クリアデスク』と『クリアスクリーン』という言葉があるのですが、ご存じですか?」
 「いえ。情報セキュリティ用語ですか?」
 「用語というほど大げさなものではありませんが、『クリアデスク』というのは、離席時や退社時に書類やパソコンなどをロッカーなどにしまって机の上に何もない状態にすること、『クリアスクリーン』というのは、同じくお昼休みなどで席を離れるときにスクリーンをロックしたりオフにしたりして情報が表示されないようにすることです。どちらも情報漏洩や盗み見などに有効な対策とされています。」
 「自分が不在の時に無関係な人が通りすがっても、情報が見えないように、ということですね。」
 「そうですね。それを知ってから、さっと片付けやすいように、デスク上にも最低限のものだけを置いたり出したりするようにしています。出かけるときもその延長線上といいますか、同じように準備しますね。」
 「ちなみに今までに忘れ物をされたことは・・・」
 「そう言えば、ありませんね。」
 「でしょうね・・・」

 「技術的な対策も大切ですが、お2人のように、忘れ物や紛失をしないためにどうしたらよいか、を意識して頂くことも、対策としてはとても大切なのですよ。セキュリティは『技術』と『物理』と『人』の3点が揃っていないと意味がないので。そういう意味で、今日、お話に来て下さってとても嬉しいです。」
 にこやかにそういったメモリ主任に送り出されて席に戻った2人。
 「えっと、つまり・・・」
 「日ごろの整理と事前準備、こまめな確認と意識、ってとこでしょうか?」
 「だよね・・・」
 それができたらこんな苦労は・・・とつぶやいて肩を落とすイーさん。
 とりあえず付けられるものには忘れ物防止タグを付けてみるとか・・・と、提案しかけて、次から次へとアラームが鳴ってパニックに陥るイーさんが脳裏に浮かび、いや、だめか、と頭を振るマウスちゃんなのでした。