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華陽ニュース

不定期配信 マウスちゃんとメモリ主任のIT1年生42

情報の重要性が増す昨今、弊社では情報セキュリティについて、その意義や情報を共有する取り組みを続けています。
担当チームが社内向けにまとめた資料などを基に、軽い読み物を不定期でお届けできればと思いますので、ご笑覧頂ければ幸いでございます。

 ある日の昼休み。ため息を吐くマウスちゃんに、イーさんが声をかけます。
 「どうしたの、マウスさん?」
 「友達の動画を見てたら、うらやましいなって。考えてみたら、私、今年の夏の思い出がないんですよね。」
 「オリンピック・パラリンピックがあったじゃない。」
 「『自分の』思い出です。思い返すと、海も行ってないし、花火も行ってないし、旅行もキャンセルになっちゃったし。」
 「ああ、気象情報のせいだったっけ。」
 「そうなんですよね。だから、自分も誰も悪くなくて、余計にもやもやしちゃって。あー、今年の夏の記憶を上書きしたい・・・」
 「上書きか・・・そう言えば、分からないことがあるんだけど。」
 「?」
 「パソコンで、『ハードディスク』も『メモリ』も記憶するところ、だよね。その2つって、何が違うの?」

 「以前、私がメモリ主任に聞いたときには、CPUは『自分』で、メモリは『仕事に必要なメモが乗ってる机』で、ハードディスクは『棚のなかのファイル』だと思えば良いって教えてもらいましたよ。」
 「CPU?」
 「『中央処理装置』のことなんですけど、いろいろなプログラムを読み解いて、計算して、コンピューター全体の動きを制御するところなんですって。それで言うと、本当は『脳』って考えるべきかもしれないけど、単純化して、自分が仕事をする時を思い浮かべてみてって教えてもらったんです。」
 「仕事をするときって?」
 「たとえば、A株式会社さんあてに見積書をつくるとするじゃないですか。見積書をつくる自分が『CPU』、見積書をつくるために並べた『A株式会社さんの担当者さんの名前』『A株式会社さんのいつもの商品の規格』『売価』といったメモが乗っている机が『メモリ』、そのメモをさらに詳しくしたA株式会社さんの会社情報、価格表、過去のお取引履歴などが記録された、棚のなかのファイルが『ハードディスク』、と理解すれば良いそうです。」
 「でも、それだと、『CPU』と『ハードディスク』だけあれば見積書はつくれるから、『メモリ』は要らないんじゃないの?」
 「ファイルが棚から動かせなくて、1回1回見に行かなきゃいけないって考えれば良いんじゃないですか?担当者さんの名前を見に棚まで行ってファイルで探して机に戻って入力して、商品を知るためにまた棚まで行ってファイルを探して、ってやってるとすごく時間がかかりますよね。そのために、処理に必要なプログラムやデータを一時的に記憶しておくところが『メモリ』で、探したり読んだりするのに時間がかかるけど長期的にプログラムやデータを記憶しておくところが『ハードディスク』なんだそうですよ。」
 「えっと、例えば一時的に覚えておきたいことをスマホのカメラでパシャッてして、使い終わったら削除する、っていうのが『メモリ』で、それが後でも使いたい情報なら別の場所に保存しておく、っていうのが『ハードディスク』、みたいな感じかな?」
 「そうですね。『メモリ』は『主記憶装置』、『ハードディスク』は『補助記憶装置』とも言うそうですよ。」 
 

 「ちなみにメモリには『RAM』と『ROM』があるんですって。」
 「『らむ』と『ろむ』?」
 「さっきまで話してた、一時的に使いたいデータなどを書き込んだり読んだりできるけど電源を切ると書き込んだ内容が無くなっちゃうのが『RAM』。それに対して、予め書いてある内容を読めるだけで新たに書き込んだりはできないけど、電源を切っても内容が無くなったりはしないのが『ROM』、Read Only Memoryの略だそうです。」
 「あ、電源の話は聞いたことがある。電源を切ると内容が消えちゃうのが『揮発性』で、内容が残るのを『不揮発性』って言うんだよね。」
 「そうです。じゃあ、『ROM』は何に使うメモリか知ってますか?」
 「えっと・・・・・・・・・」
 「・・・洗濯機とか冷蔵庫とか、家電製品などに使うんだそうですよ。工場出荷時に書き込んだプログラムで、決められた動作をするよう制御するのに使われるんですって。」 

 「ただ、ROMでもフラッシュメモリみたいに書き込めるのがあって・・・とか、レジスタとキャッシュメモリとディスクメモリが・・・とか、どんどん話が難しくなっていったので、その辺りからはよく覚えていないんですけど。」
 「ううん、もう十分だよ。一時的に書き込んで捨てちゃうメモと、残しておくファイル、って覚えれば良いんだよね。」
 そう言ったイーさんが冗談っぽく笑います。
 「これで、僕の今年の夏の思い出は、『メモリとハードディスクの違いをマウスさんに教えてもらったこと』になったよ。」
 「え、そんなので大丈夫ですか?」
 「もちろん!」
 有難う、マウスさん、とお礼を言われ、あれ、今なんか、ちょっとだけ私の夏も上書きできたかも?と、思わず笑顔になるマウスちゃんなのでした。