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華陽ニュース

不定期配信 マウスちゃんとメモリ主任のIT1年生43

情報の重要性が増す昨今、弊社では情報セキュリティについて、その意義や情報を共有する取り組みを続けています。
担当チームが社内向けにまとめた資料などを基に、軽い読み物を不定期でお届けできればと思いますので、ご笑覧頂ければ幸いでございます。

 ある日の午後。パソコンの前で頭を抱えるイーさんにマウスちゃんが声をかけます。
 「イーさん、何か問題ですか?」
 「お客様に紙の色を選んでもらおうと思って見本帳をお送りしたんだけど、手違いで届かなかったんだよ。もう時間がないし、RGBのカラーコードでいくつか提案して、って言われたんだけど・・・」
 「うーん、それは本当に難しい問題ですね・・・」
 「マウスさん、そもそも、RGBのカラーコードって何?」
 「え、そこからですか?」 

 「RGBはレッド、グリーン、ブルーの頭文字ですよ。」
 「赤、緑、青・・・ああ、光の3原色。」
 「そう、それ。コンピューターのディスプレイはドット、つまり点の集合で文字や画像を表現するんですけど、その文字や画像の色を表現するために、ドットのひとつひとつが赤、緑、青の3色に分かれていて、それぞれの光を重ね合わせて色を表現するようになっているんですって。」
 「なるほど。でも、例えば赤系統でも、深紅とか桃とかコスモス色とかいろんな色があるけど、それはどうやって表現するの?」
 「赤、緑、青、それぞれの段階を調整することで表現するんだそうです。メモリ主任は言い切っちゃうとまずいって仰ってましたけど、よくあるパソコンで考える場合、赤、緑、青はそれぞれ0から255までの256段階に切り替えられるようになっているんです。」
 「赤が『0』だと赤い光の要素が全くなくて、逆に『255』なら赤い光が100%力を発揮している状態って感じ?」
 「そうです、そんな感じ。で、その段階をそれぞれに切り替えることで色の違いを表現するんです。例えば、赤が『255』で緑と青が『0』なら『鮮やかな赤』が映し出されて、赤と緑が『255』で青が『0』なら『黄色』になります。ピンクだと赤と青が『255』で緑が『200』くらい、でしょうか。」
 「なるほど。光の3原色は混ぜると白になるものだから、赤、緑、青が『255』『255』『255』なら白になって、『0』『0』『0』なら黒になるってことだね。」
 「そう、その『255.255.255』とか『0.0.0』がRGBのカラーコード、なんですよ。」
 

 「0から255で256通り、っていうのがなんか分かりにくいよね。」
 「そこはコンピューターなので。全ての基本は『0』か『1』か、ですから。」
 「ああ、256って、つまり、2の8乗ってこと?」
 「そうです。そこが、メモリ主任が『言い切っちゃダメ』って仰った部分なんですよね。」
 「どこが?」
 「2の8乗、つまり、色に関して3原色それぞれに8ビット、1ドットで24ビット分の情報を割り当てているコンピューターなら、っていう前提条件なんです、さっきの説明は。1ドットで1ビットなら白黒しか表現できない。」
 「うーんと、1ビットってつまり、「0」か「1」か、だから、ひとつの点が「0」か「1」か=「黒」か「白」か、で、その集合体だと白黒の画像になるって思えばいいかな?」
「そうですね。これが2ビット=「0」か「1」かの組み合わせが2桁分、ということになると、表現できる色は「00」「01」「10」「11」の4通りになります。」
「2の2乗だね。」
「そうです。で、1ドットに8ビットX3原色分のコンピューターなら、2の8乗が256だから256X256X256で1,677,216色になりますし」
「3原色にそれぞれ10ビット割り振っているようなコンピューターなら、表現できる色は10億以上、ってことなんだね。」

 「有難う、マウスさん。つまりお客様は、コンピューターの色を表現するための数字で紙色を提案してね、って仰ってるってことなんだね。」
 「そうです。ただ、それは難しいですよね・・・」
 「そうだね。紙は自然のものだし、どんな光の下で見るかによっても色が違ってくるし。」
 「さっきの話で、コンピューターの方の問題もありますよね。性能だけじゃなくて、メーカーとかOSの違いとか。例えば、イーさんのディスプレイと私のディスプレイはビット深度が同じ8ビットですけど、同じ白でも全然違う印象ですよね。」
 「ビット深度が何かは分からないけど、確かに同じ白だと言われたら困る程度には見え方が違うね。」
 「同じことがお客様との間でも起こると思うんですよ。」
 「こんな感じの色、はお伝えできるけど、いざ選んで頂いてお届けしたら、色のイメージが違う、ってなりそうってことだよね・・・」
 マウスちゃんが深々とうなずくと、イーさん、また頭を抱えてしまいます。
 悩んでる時間があるなら、もう一度見本帳をお届けする方向で交渉した方が早いんじゃないかな・・・と言うのをいつにしようか、と、タイミングを計るマウスちゃんなのでした。