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当社経営計画発表会ご来賓のお話 日本紙パルプ商事様(2015年・後編)

平成27年1月17日 当社経営計画発表会にて

150220_jpsama01 日本紙パルプ商事株式会社
常務執行役員中部支社長
勝田 千尋様
150220_jpsama02

(前回より続く)

3.地方創生

 第3次安倍内閣の基本方針の要旨は、「復興加速」「経済再生」「地方創生」「女性が輝く社会」「教育再生」「暮らしの安定」「外交・安保」です。その中で、政府は昨年末に「地方創生」に向けた長期ビジョンと総合戦略をまとめました。長期ビジョンでは、50年後に約1億人の人口を維持することを目指し、総合戦略ではこれを実現するため、東京一極集中を是正し、結婚から出産、子育てまでの切れ目ない支援や、都市部から移住しやすい地方の環境づくりを掲げています。今後は、全国の自治体が2015年度までに地方版の長期ビジョンと総合戦略を作り、国がそれを見たうえで、交付金や個別の支援策を組む方針です。地方の活力を取り戻すためには何が必要なのか、地方自らが懸命に考えなければ前に進まないことになっています。
 ここで、「地方創生」のポイントともなる人口問題について少しお話させて頂きます。
 総務省統計局の「人口推移」によると、平成25年10月1日現在の日本の総人口は、1億2,729万8千人で、前年に比べ21万7千人減少しています。都道府県単位で前年と比べ増加したのは、東京・沖縄・愛知・埼玉・神奈川・宮城・滋賀・福岡の8都県、それ以外の道府県はすべて減少しており、大都市圏では人口増加が続く一方、その他の地域では軒並み人口減少に転じています。
 人口の変化には地域間で格差があり、二極化が進んでいます。都市部では地方からの流入により生産年齢人口(15~64歳)の減少が抑制され、総人口は増加しています。かたや地方では、若者が流出し高齢者が残され、現役労働者世代や将来の働き手となる子供世代が不足する事態に直面しているといえます。

 日本の総人口は、2008年の1億2,808万4千人をピークに人口減少時代へ突入し、今後一貫して人口が減少し続けると推計されています。そこで、人口減少と紙の内需の変化について見てみたいと思います。
 昨年1~11月実績の内需(メーカー国内払い出し+輸入)から年間の使用量を推計すると、

2014年推計 内需 1人当たり消費量
15,661,260トン 123.0kg
紙・板紙合計 27,019,848トン 212.3kg

となります。

 この1人当たりの消費量をベースに、総人口が1億人の時、9,000万人の時の紙の年間使用量と紙・板紙合計の年間利用料がどのように減少するのかを見ますと、

想定人口:1億人 内需 2014年推計値との比較
12,300,000トン △3,361,260トン(△21.5%)
紙・板紙合計 21,230,000トン △5,789,848トン(△21.4%)

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想定人口:9,000万人 内需 2014年推計値との比較
11,070,000トン △4,591,260トン(△29.3%)
紙・板紙合計 19,107,000トン △7,912,848トン(△29.3%)

となります。
 減少値があまりにも大きいため、実感が沸きにくいかもしれませんが、今後、国内の紙・板紙市場はここまで小さくなる可能性が十分にあるという事です。

 また、昨年5月、有識者らでつくる民間研究機関である「日本創成会議」の人口減少問題検討分科会は、“2040年に若年女性の流出により、全国の896自治体が消滅の危機に直面する”といった衝撃的な試算結果を発表しました。この報告書によると、人口減少が進む中、大都市圏への人口移動が続くと、地方では出産適齢期(20歳~39歳)の女性の人口が激減し、その結果、2040年までに「消滅可能性都市」が全国市区町村の49.8%にあたる896の自治体にも上るということです。ちなみに、岐阜・愛知・三重の東海三県では38市町村、そのうち岐阜県は17の市町村が消滅可能性都市としてリストアップされています。

 そこで、岐阜県が発表している人口統計を見てみますと、岐阜県の人口は平成16年の211万7,998人をピークにほぼ毎年減少を続け、昨年10月1日現在では204万1,690人となっており、ピーク時と比較すると76,308人(3.6%)減少したことになります。
 年齢3区分別にみると、

総人口 204万1,690人 人口 人口に占める割合
0~14歳(年少人口) 27万4,664人 13.5%
15~64歳(生産年齢人口) 120万2,851人 58.9%
65歳以上(老年人口) 55万5,408人 27.2%

となっており、65歳以上の人口が0~14歳人口を大きく上回っています。
 昭和55年と比べると、0~14歳人口の割合は24.0%から13.5%へと10.5ポイントも低下し調査開始以来過去最低に、一方で65歳以上人口の割合は9.7%から27.2%と17.5ポイント上昇し過去最高となっています。
 人口動態から見ると、自然動態(出生-死亡)は長期的な減少傾向が続いており、平成18年に死亡数が出生数を上回る「自然減少」に転じてからは、減少幅が年々拡大し続けています。一方、社会動態(転入-転出)は平成17年以降、転出者数が転入者数を上回る「社会減少(転出超過)」が続いています。転出超過の移動先を見ると、隣接する愛知県が最も多く、続いて東京都、神奈川県といった首都圏への転出超過が多くなっています。

 人口減少が続く中、人手不足や企業の後継者問題など、地方の中小企業を取り巻く環境は今後益々深刻化すると見込まれます。こうした中にあって、企業は生き残りをかけ、経営資源を最大限に活用しながら新たな成長分野への進出や顧客ニーズに応えられる質の高い提案力を身に付けていかなければなりません。皆さんご存知のようにこの東海地区は、モノづくり産業の一大集積地であり、自動車産業をはじめ工作機械産業、航空機産業など日本を代表する産業が集まっているという強みがあります。
 こうした特性のある地域において、地方創生に向けて国が動き出し各自治体が動き出す今、われわれ紙流通業に携わる身として何をすべきか、長期的には内需がシュリンクしていく中で今後成長していくためには、メインの紙販売の他に有望な事業を持つことが必要ではないでしょうか。例えば紙以外の新しい商材や、紙からその周辺・関連分野への事業拡大といった付加価値の高いビジネスに着手していくことを、真剣に考えなければいけないと思っています。今取り組み始めても成果は何年先というものかもしれませんが、「始めた日が無ければゴールは無い」という思いを持って、粘り強く取り組んでいくべきだと考えています。

4.終わりに

 改めて昨年を思い起こしてみますと、天候不順による大雪や集中豪雨などが続き、また、広島の土砂災害や御嶽山の噴火、長野県北部地震など痛ましい自然災害も多く発生しました。しかしそうした中でも、6月には富岡製糸場が世界文化遺産に登録され、11月には一昨年の「和食」に続いて「和紙 日本の手漉和紙技術」がユネスコの無形文化遺産に登録されるといった大変喜ばしい出来事もありました。
 そして世界において様々な分野で多くの日本人が活躍しました。ノーベル物理学賞に赤崎勇名城大学教授、天野浩名古屋大教授、中村修二米カリフォルニアサンタバーバラ校教授の3名の受賞者を輩出しました。スポーツの分野では、フィギュアスケートの羽生結弦選手、スキージャンプの葛西紀明選手、ゴルフの松山英樹選手、大リーグの田中将大選手、青木宣親選手、そしてテニスの錦織圭選手。その他にもたくさんの方々が世界中で活躍されていることは、日本人として大変誇らしいことだと思います。
 また今年は、3月に北陸新幹線が開通し首都圏からの旅行そしてビジネスの移動に新たな選択肢が増えることになります。春以降には原発再稼働が予定され、4月には統一地方選挙も行われます。また、戦後70年を迎える節目の年でもあります。
 若干明るい兆しが見え始めたとはいえ、紙業界にとりましては今年も厳しい状況が続くと思われますが、各社がそれぞれの特徴を活かし、平成27年を実り多き年にするためにも強い信念を持って、希望を抱きともに前を向いて進んでまいりましょう。

以上、ご清聴ありがとうございました。

(勝田様のお話・原稿より、華陽紙業にて抜粋)

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