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華陽ニュース
ニューノーマルにこの一品45-② 気候変動対応⑧中越パルプ工業(後)
【ニューノーマルにこの一品】
「ニューノーマル」という言葉は新型コロナウイルス下での生活や仕事の新しい様式を表す言葉として使われていますが、近年、私たちの生活や考え方に影響を与え、変えてきたものには、海洋汚染の深刻化による脱プラの動きや、SDGs、ESG、ダイバーシティ等、さまざまなものがあります。
その、様々なもので形作られる「ニューノーマル」に、紙で貢献できる製品とは、の観点からの取組みをご紹介いたします。
45 気候変動対応⑧中越パルプ工業
中越パルプ工業といえば『竹紙(たけがみ)』、というほど、長年に渡り日本の竹を活用する先進企業として知られる同社。竹紙の取り組みが始まった1998年以来、地域貢献と森林資源保護を目的に着実な活動を続けておられる同社の、オリジナルな環境との向き合い方をご紹介させて頂きます。
社長メッセージにおける 『竹紙』『里山物語』 |
公式サイトの『社会・環境』についての社長メッセージで 『森林資源の保護と非木材の有効活用』 『新燃料への転換』 『第2の資源の積極的な活用』 『CSR活動の推進』 を重視する方針を明らかにするなか、同社独自の環境への取り組みである『竹紙』や『里山物語』をピックアップ。 これらの環境配慮製品を社会に届けることで、限りある森林資源の保護、生物多様性の保全への貢献につながると、その意義について説明している。 |
竹紙 | 日本の竹100%を原料とする紙で、同社が唯一製造・販売する。環境負荷低減に配慮した独創性のあるプロダクツとして2011年の第8回エコプロダクツ大賞で最高位の農林水産大臣賞を受賞した。 同社の工場が所在する鹿児島県薩摩川内市はタケノコの生産が盛んで、タケノコの生産性向上のために間伐された竹の有効活用を打診され、地域貢献の一環として1998年から竹の製紙原料化に着手。タケノコ農家やチップ工場の協力を得ながら地道な挑戦を重ねて、毎年1万トンもの集荷体制を構築している。2009年からは国産竹100%を原料とする『竹紙』の販売を開始し、その後のブランド浸透に結実させた。 日本の竹は伐採、運搬、チップ化等の効率が木材より悪く、他の製紙会社では利用されていない。竹を製紙原料として活用する取り組みは、限りある森林資源の保護や生物多様性の保全に貢献すると同時に、古くから身近にある竹に新素材としての付加価値を与えるものともなっている。 |
里山物語 | 国産間伐材の有効活用による森林保全と、寄付金による里山保全活動に貢献することができる仕組みの紙。 ユーザーが冊子やパンフレット、チラシなどに同社の上質紙やコート紙などの印刷用紙を使用する際に「里山物語」と指定すると、クレジット方式により紙の原料である木材が証明書付きの間伐材を100%使用したとみなすことができる。また、紙代に付加された寄付金は、里山の保全・再生に取り組む団体のサポートに活用されている。2009年の販売開始以来、地域の人々や子供たち、障がいや難病を抱える人など、多種多様な人が里山と関わることのできる活動を行う10団体に寄付を実施している。 |
有効活用されていなかった日本の竹や間伐材への着目など、同社が環境に向ける目はこまやかで優しい気づかいと冷静な経済性の追求を両立させています。その目は水資源や大気などその他の周囲の環境を守るためにも向けられており、環境負荷低減に向けた新しい技術や仕組みの開発がたゆまず続けられています。
※上記は2024年9月10日時点で公表されている同社サイトの『社会・環境』『竹紙』『里山物語』その他ページ等を参考に華陽紙業にて抜粋・編集しており、その後新たに発表・実施された対策を含んでいない場合があります。
※文章中、敬称略