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ニューノーマルにこの一品54 製紙各社とカーボンクレジット③特種東海製紙

【ニューノーマルにこの一品】

 「ニューノーマル」という言葉は新型コロナウイルス下での生活や仕事の新しい様式を表す言葉として使われていますが、近年、私たちの生活や考え方に影響を与え、変えてきたものには、海洋汚染の深刻化による脱プラの動きや、SDGs、ESG、ダイバーシティ等、さまざまなものがあります。
 その、様々なもので形作られる「ニューノーマル」に、紙で貢献できる製品とは、の観点からの取組みをご紹介いたします。

54 製紙各社とカーボンクレジット③特種東海製紙

 目指すべき企業像を『技術と信頼で顧客と共に未来をひらくオンリーワンビジネス企業』とする特種東海製紙は、製紙事業と環境事業の両輪で成長する価値創造モデルで企業価値の向上と持続可能な社会への貢献を目指しています。

製紙と環境の両輪  お客様のニーズに真摯に向き合うなかで次々と新技術・ノウハウを開発し、「ユニークな製紙メーカー」との立ち位置を確立。他社ができない、他社がやっていない領域をいち早く開拓してきたことから、「オンリーワンビジネスの構築」を同社の成長ストーリーの核としている。
 同社の製紙事業と親和性が高いと分析する環境関連事業でも「オンリーワンビジネス」を構築するうえで、

・現在最も成長投資を行っている「リサイクルビジネス」
・一団地として国内最大の面積を持ち、「オンリーワンの経営資源」と位置付ける井川社有林の活用と、その価値の社会への還元

に注力。

井川社有林の活用と保全  自然を守りつつ、企業価値向上の活用に磨きをかけるため、保全と利用の好循環を生み出すモデルづくりを推進。

①2024年4月、大成建設と7年間の連携協定を締結するとともに、静岡市との「南アルプス・パートナーシップ」に参加。高山植物を守るための防鹿柵の設置といった従来からの対策に加え、植生調査、モニタリング、山小屋のオフグリッド施設化の検討などを進めている。
②2022年9月に「生物多様性のための30by30アライアンス」への参加を表明、2023年10月には「自然共生サイト」の認定も受け、井川社有林固有の自然価値の向上を目指す。
③森林由来のJ‐クレジット創出プロジェクトに井川社有林の一部を登録。

の取り組みを進めている。

J‐クレジット創出  井川社有林の経営を事業とするグループ会社の十山株式会社をプロジェクト実施者として、「森林保全による南アルプス自然環境保護プロジェクト」を2024年2月にプロジェクト登録申請。井川社有林24,430haのうち、人工林83ha、天然生林1,078ha、計1,161haを対象とし、天然生林を中心に森林の多面的機能を維持し環境保全を行うことで、安定的なCO₂吸収を促し、カーボンニュートラル実現に貢献することをプロジェクトの概要としている。
 プロジェクト実施期間2023年度~2038年度の16年間で24,615t-CO₂のクレジットを創出する見込み。
認証・販売  「森林保全による南アルプス自然環境保護プロジェクト」のうち、2023年4月1日~2024年3月31日に創出した1,410t-CO₂が2024年11月にクレジットとして認証され、2025年2月販売開始。2025年4月1日までに完売し、販売で得た資金は井川社有林の生物多様性の増進など、カーボンニュートラルとネイチャーポジティブの同時達成に向けた取り組みに活用される。
その他  同社グループの新東海製紙は化石燃料をバイオマス燃料で代替することで2018年4月1日~2023年12月31日に、452,155t-CO₂の削減分をJ‐クレジットとして認証済み。
 2025年3月にはそのクレジットの一部を静岡ブルーレヴズとその関係会社に販売し、2024-25シーズンホストゲームラスト2試合のCO₂排出量計約33t-CO₂をカーボンオフセットするとともに、ファンが試合のチケットを買うことで環境貢献に参加できる「新東海製紙カーボン・オフセット付きチケット」2試合分の販売を支援。
 国内ラグビーの最高峰である「ジャパンラグビーリーグワン」において、カーボン・オフセット付きチケットの販売はこれが初の試み。

 同社は、段ボール原紙・クラフト紙の生産工場である島田工場のCO₂排出量が業界平均と比較しても非常に少ないことを、「紙の品質と並ぶアドバンテージ」と位置付けており、環境課題解決に対する熱意を印象付けています。
 
※上記は2025年6月時点の特種東海製紙やJ‐クレジットなどの発表資料を基に華陽紙業株式会社にて編集したもので、最新の動向を含まない場合があります。
※文章中、敬称略