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【紙のソムリエ】番外編 シート先輩とコマキさんの紙に関する四方山話62 お土産品のパッケージ

「久しぶり、コマキさん。良いお正月休みだった?」
「明けましておめでとうございます、シート先輩。はい。のんびりできました。あ、良かったらこれどうぞ。」
「お土産?有難う。どこに行ってきたの?」
「旅行は予算が厳しくて・・・気分だけでも味わいたくて、アンテナショップに行ってみたのです。」
「ああ、それも楽しいよね。にしても、ずいぶんたくさん持ってきたんだね。」
「どれもパッケージが可愛くて、いろいろ買ってしまいました。」
「パッケージ?」

「例えばこれ。持ち手がお菓子と同じ形になっているのが可愛くありませんか?」
「キャリー箱だね。箱本体の印刷と合わせて、風景も表現しているのか。」
「こちらはふたの切込みから下の印刷が見えるようになっているのです。」
「ワンタッチ底か。切込み自体も特産品の形なんだね。」
「それからこちらは、パッケージの切込みから中が見えるようになっているのですよ。」
「身箱はプラスチックで、紙のスリーブを組み合わせてあるんだね。プラスチックの透明さと紙の印刷の両方で爽やかさとか透明感とかが表現されているみたい。」

「先輩。先ほどから仰っている、『キャリー箱』とか『ワンタッチ底』というのは、箱の形状のことですか?」
「そうだよ。

キャリー箱 持ち手がついた箱。ケーキのテイクアウトに使われるケーキ箱などがある。
ワンタッチ底 底面の一部が接着されていて、折りたたんだ形から広げると自動的に底が組み立てられる形式のもの。ワンタッチ底のように底を組み合わせて作る箱を『底組み箱』ともいう。
スリーブ 上下(あるいは左右)が開いた筒状の形状のもの。中身を入れる「身箱」と組み合わせると『スリーブ箱』と呼ばれる箱になる。

 
 キャリー箱にしても、底組み箱にしても、印刷した1枚の板紙をトムソンという型で抜いて箱に仕上げる形式だから、『トムソン箱』という呼び方もされているよ。」
「キャリー箱や底組み箱はお菓子のパッケージでよく見かけますよね。スリーブ箱は・・・」
「パッと思いつくのはマッチ箱なんだけど・・・ひょっとしてマッチ箱ってもう見かけない・・・?」


 
「まあ、ケースの形はそれぞれだけど、紙は全部同じみたいだね。」
「白板紙だから、という意味ですか?」
「もう少し狭められるかな。パッケージ用の板紙って、大きく分けると

紙器用板紙 白板紙 マニラボール 高級白板紙 アイボリー
カード
特殊白板紙 アイボリー
カード
一般マニラボール
白ボール
黄板紙
チップボール
色板紙

っていう分類だけど、その中でも特殊白板紙、つまり『特板』のカード、なかでも『カードB』だと思う。」
「どうしてそこまで特定できるんですか?」
「表面の印刷の仕上がり、裏も白だということ、裏面には印刷がしてないこと、あと、こういう用途の場合によく使われるのが『カードB』だということ。それから、ちょっと、この、箱の接着の部分をはがすと」
「え、あ、シート先輩?」
「ほらね。中層に古紙が使われているのが分かるでしょ?この古紙の感じからも『カードB』だと思うよ。」
 

 
「でも、同じグレードの割には、こちらはマットな仕上がりですし、こちらは印刷面の光沢が強いと思うのですが。」
「表面加工の違いだね。光沢仕上げとマット仕上げ、こっちはUVラミかな?同じ紙でも印刷の時の表面加工でいろいろな印刷効果を再現できるんだよ。」
「なるほど。パッケージって奥が深いですね。」
「パッケージはお客様とのコミュニケーションツール、っていう言葉もあるしね。マウスさんだって、パッケージの可愛さで何を買うか決めたんでしょ?」
「そうですね。みんなに見せたいパッケージの商品を選んだようなところはあります。・・・なので、みんなに見せる前に、先輩に、箱の接着部分をはがされてしまったのがちょっと・・・」
「あ・・・・・・」
「中身は個包装ごとに配るので、箱を開ける、までは全然かまわなかったのですが・・・」
「・・・ごめんなさい。」