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【紙のソムリエ】特別編 紙の基礎知識③

春を迎え、新入社員さんや異動の方に改めて紙の基礎知識を知って頂く必要が出てくる会社様もあるかと存じます。
2025年、3、4、5月の3か月は「特別編」として、紙の基礎知識を改めて簡単にご紹介させて頂きます。

紙の基礎知識③

紙の重量を計算する
用語の復習
紙の場合は1,000枚、板紙の場合は100枚を「1連(R、BR)」という。
「紙10連」は1,000X10で10,000枚のこと。
「板紙10連」は100X10で1,000枚のこと。
連量 連当たりの重量。kg。
「連量55kgの紙」=「この紙が1,000枚で55kg」のことなので、
この紙1枚の重量は55kg=55,000g/1,000で55g。
米坪 1平方メートル当たりの重量。g/㎡。
厚さ 同じ紙なら連量が同じなら同じ厚さ、連量が大きい方が厚い紙。
同じ紙なら、寸法が違っても米坪が同じなら同じ厚さ。
紙の主な寸法
四六判 788mmX1091mm
B判 765mmX1085mm
菊判 636mmX939mm
A判 625mmX880mm

以上の前提で、
「四六判で70kgの厚さの紙の米坪は何g/㎡で、同じ厚さの菊判の連量は何kgか?」
という問題を考えていきます。

答え
①まず対象の紙の米坪を求めます。
 米坪=1㎡当たりの重量、なので、米坪=1枚当たりの重量(g)/1枚当たりの面積(㎡)、で求められます。
 「四六判70kg」=「1,000枚で70kg」なので「1枚当たりの重量」=70g
 「四六判は788mmX1091mm」なので「1枚当たりの㎡単位の面積」=0.788X1.091
 ですから、
 「四六判70kgの紙の米坪」=70/(0.788X1.091)=81.42299・・・
 小数点第2位を四捨五入して約81.4g/㎡が四六判70kgの紙の米坪となります。

②では、この紙の菊判の連量は何kgになるでしょうか?
 ①とは逆の順序で考えていきます。
 米坪=(連量/1000)/面積、でしたから、連量/1000=米坪X面積、即ち
 「連量=米坪X面積X1000」となります。
 この紙の米坪は「81.4g/㎡」。
 いま求めたいのは菊判なので菊判の面積は「0.636X0.939」
 これを上の式に当てはめると
 81.4X0.636X0.939X1000=48612.4056g
 連量には「kgにしたときの小数点第1位を二捨三入、七捨八入」という決め事があるので、
 48612.4056g=48.6124056kg=48.5kgとなり、
 菊判の連量は48.5kgと求められます。

③①②より「四六判の70kgと菊判の48.5kgは同じ米坪」であることが分かります。
 これにより、「同じ紙なら、四六判の70kgと菊判の48.5kgは同じ厚さ」といえることになります。

ちなみに、今の計算で求められる、上質紙の米坪・寸法・連量の対比を表にしたものが以下の通りとなります。

この表を覚えてしまうと、「四六判の55kgとA判の35kgは同じ厚さ」とか「四六判の90kgよりA判の86.5kgの方が厚い」といったことが計算しなくても分かるようになります。

では最後に問題です。

四六判55kgの紙を10連、1枚8.25円で買うのと同じ予算で、同じ厚さのA判の紙は何枚買えるでしょうか。取引はkg単価で行われ、四六判でもA判でもkg単価は同じとします。
答え
1枚8.25円なので1,000枚=8.25X1000=8,250円。
55kgで8,250円なので1kg当たりの単価は8250/55=150円。
10連=10,000枚なので予算は8,250X10=82,500円。
上の表から四六判55kgと同じ厚さのA判は35kgで、単価は同じ150円なので
A判1枚の料金は35X150/1,000=5.25円。
予算は82,500円なので82500/5.25で約15,714枚買える計算になる。

 
※問題文をクリックすると答えが表示されます。