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神田 |
港区元麻布3-6-34
T:03-5786-0150 F:03-5786-0150 |
食材を吟味し、季節感を大切にする「神田」。
春ならば鯛と鰹。初夏には鮎、鱧、鰈。秋には鮪に鯖。冬には平目や鮟鱇と、旬の魚介を旬の味わいで食する悦び。野菜も、春から夏にたっぷりと日を浴びたもの、冬にしっかりと根をつけたものなど、四季それぞれの生命力がみなぎっている為、料理にもそのエネルギーに合わせた技がある。それを随所に効かせていながら、見た目は至ってシンプル。客の嗜好を感じとるのも得意で、例えば、穴子は日本酒を好む人なら白焼きで出し、赤ワインを飲む人にはたれをつけて出す。客との距離感が近ければ近いほど、喜ばれる料理が生まれると店主は言う。店は元麻布の高級住宅街の一角にあるが、初めての人には分かりにくく、看板もごく控えめ。ワインリストには、比較的手ごろなものからヴィンテージワインまで100アイテムほどの品揃えがある。明るく落ち着いた店内に、料理人たちの活気を感じとることができる和食店。 |
白金台で2006年の春にオープンしたフレンチレストラン。
この店の若いシェフは、名古屋でよく両親に連れられてレストラン通いをしたのがきっかけで、料理の道に入った。国内のいくつかのレストランで修行した後、渡仏。数々の一流店で腕を磨いたが、とりわけ最後の店、パリの「アストランス」では3年勤め多くを学んだ。帰国してシェフに就任した「カンテサンス」でメニューを1形式だけのコースに限定しているのも、その店の影響による。これはその日の素材やインスピレーションによってテーブルごとに違うメニューで、形式にとらわれず白紙状態から始まるので、「カルト ブランシュ」と名付けられている。ランチは7皿、ディナーが13皿。こうした料理は全て、素材、火の入れ方、味付けという3つの原則を大切にしている。その現代的なタッチと構成の妙を味わうには、シェフの腕を頼りにテーブルで待っているだけでいい。モダン、エレガント、シックと3拍子揃った店内の装いも、食の愉しみを演出してくれる。ワインリストには、フランスワインを中心とする約500種類のワインが揃っている。エントランス近くにワインセラーがあり、美しいボトルを観賞したうえでワインを味わうことができる。 |
表札と暖簾、石畳の入り口が目印の日本料理店。
徳島の名店で修行した奥田透氏は、静岡で独立した後、2003年に念願の銀座で名前も新たに店を構えた。「小十」の店名は、店主と親交の深かった陶芸家、故・西岡小十氏の名を戴いたもの。料理も西岡氏作の唐津焼の器に盛りつけられる。「良質の素材のもつエネルギーを感じて欲しい」と語る店主は、「自然であること」を料理の信念としている。どれも卓越した天然素材を使い、洗練された料理。海の幸は静岡の御前崎から鮮度の良い魚を取り寄せる他、徳島の鳴門からは直産で真鯛、鱧、甘鯛、車海老などが毎朝届く。鮮度に影響する為、輸送中の氷の位置まで業者に指定するこだわり振りだ。野菜は茨城の農家から無農薬野菜、山葵は静岡名産の瑞々しい青山葵を仕入れる。特別な一品は、車海老と夏野菜の料理。肉厚な鰻は、白焼きも蒲焼も共においしい。神戸や鳥取の松葉蟹は炭火焼きにし、甲良のミソに煮きった日本酒を加えたソースで戴く。伝統技を軸にした、現代感覚の日本料理である。利き酒師とソムリエの資格を併せ持つ店主による日本酒とワインのセレクションも魅力。店主の熱意溢れる料理の話が聞けるので、カウンター席が特にお勧め。 |
恵比寿ガーデンプレイスの中央に、18世紀フランスのシャトーを模した3階建ての建物がある。2階のレストランが「ジョエル・ロブション」。
ここは著名なフランス料理人のジョエル・ロブションが自分の名を冠した店。同店をよりシンプルな形式にしたのが、1階にある「ラ・ターブル・ドゥ・ジョエル・ロブション」。スワロフスキーのクリスタルガラスを壁にあしらい、天井からバカラのシャンデリアが下がる「ジョエル・ロブション」のダイニングは、東京にいながらフランスの古城に身を置いたような雰囲気が楽しめる。料理は現代的なテイストで、彩りも豊かなフレンチ。メニューは頻繁に新しくなるが、キャビアのジュレ、トマトと毛ガニのミルフィーユ仕立て、ラングスティーヌのラヴィオリトリュフ風味、といった料理はスペシャリテとしてお勧め。ワインリストにある約1,200種類のボトルは、ワイン好きにはまたとない魅力だ。ソムリエやメートルをはじめとするスタッフの、熟練していて気配りの利いたサービスも嬉しい。3階には美しい個室がある。 |
すきや橋 次郎 |
中央区銀座4-2-15 塚本総業ビルB1F
T:03-3535-3600 |
ビルの地下にある「すきやばし次郎」は海外にも名を馳せる寿司店である。
狭い店内に、10人掛けの幅広いカウンターと、4人掛けのテーブル3卓がある。店主は1965年の開業から寿司を握り続けてきた練達の士で、築地の魚市場で上等のネタをいささかの妥協もせずに仕入れてくる。店主とその長男が軽快なテンポで寿司を握る間、二人の若い職人がネタの出し入れ、付け台の片付け、お茶の注ぎ足しなどを手際良くこなす。寿司は素材の新鮮さだけでなく温度も大切なので、ここではネタ別に温度管理がなされている。シャリはいつも人肌に保たれ、酢と塩加減、握りの技術も相まって調和が取れている。店全体の清涼感と程好い緊張感、客への気配り、調度品へのこだわりなどは、どれも茶道の世界に一脈通じる精神である。常に「もっとおいしく」という工夫を欠かさないことが、この店に今日のような位置付けをもたらしたのかもしれない。 |
鮨 水谷 |
中央区銀座8-2-10 銀座誠和シルバービルB1F
T:03-3573-5258 |
「銀座日航ホテル」の向かいに建つビルの地下に隠れた名店。
店主は日本を代表する寿司職人である。10席のカウンターしか使わないコンパクトで簡素な店内に、客との心地よい緊張感が漂う。丹念に寿司を握り、時にその技と心を説く店主の一挙一動は、店員による親切な接客も伴って好印象。極上の魚介を仕入れるため、朝は築地の馴染みの店へ素材を買い付けに行く。「鮨 水谷」では、極上のネタを使った味わい深い江戸前寿司を最後まで堪能させてくれる。更に塩と酢をしっかり利かせた自慢のシャリは、複数の米をブレンドしたもので、40年来取引のある米業者との長年の合作。強いインパクトと絶妙な味わいのある握りが、このシャリによって完成されたものとなる。昼も夜も変わらぬ料金設定は、妥協のない店主の姿勢の現れとも言えよう。比較的混み合わない昼間の時間帯がお勧めだが、必ず予約を入れておきたい。 |
1912(大正元)年に創業した料亭。
「濱田家」の敷地は、江戸時代の医者、岡本玄冶が住んでいたことから「玄冶店(げんやだな)」と呼ばれた跡地で、歌舞伎の「与話情浮名横櫛」(与三郎とお富の恋物語)の舞台としても知られる。江戸時代には置屋でもあり、「濱田家」出身の芸者といえば有名だった。老舗料亭として長年の伝統と格式を持つこの店は、今では残り少なくなった数寄屋造りの歴史的建築物。11部屋ある座敷は全て個室で、各室とも風情ある庭付き。室内の掛け軸や花も季節ごとに替わり、夏には御簾の戸が置かれるなど、おもてなしの心が隅々まで行き届いている。部屋の規模は、2人用の小部屋から60名まで宴会ができる大部屋まで。料理は懐石で、季節の素材をふんだんに使い、江戸風のしっかりした味に仕上げている。献立は週ごとに変わり、要望があれば同じ素材でも客の好みに合わせて別の調理法で提供してくれる。料亭だけに、芸者さんの歌舞や三味線で酒席に興を添えることも、コンパニオンを呼んでの接待もできる。予約の時間帯は、営業時間の目安の範囲内で融通が利き、例えば昼下がりや夕刻前からの予約も受け付けている。 |
「お客様に喜んでもらうこと」。これが「ロオジエ」のシェフ、ブルーノ・メナール氏とスタッフ全員が心掛けていること。
店は銀座の資生堂ビルにあり、オーナーも資生堂。まずはアール・デコ調の見事な内装が目を楽しませてくれる。次にガラスで囲まれた螺旋階段を上がると、ダイニングにはモダンなオービュッソンのタペストリー、ドーム兄弟のガラス(サルヴァドール・ダリとジャン・コクトーの作品)、フランス画家の絵画が心地いい。更には才能あるシェフの現代的なタッチによる、フランスや日本の高級食材を使った味わい豊かな料理で満ち足りた思いになる。ブルターニュ産オマール海老のサラダ、貝類のタルタル、乳飲み仔豚のロティ トリュフ風味のポレンタ添え、デザートにはチョコレートスフレのタルトなど、メニューは常に進化している。プロフェッショナルなサービスも嬉しい。素晴らしいワインリストとソムリエによる的確なアドバイスもある。ワゴンで運ばれる20種類以上のプティフールが食事の最後に華を添えてくれる。 |
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