「2時間程の滝を巡る山歩きです。」と言われ、最初はおじけづいていたが、「ひょっとして登山用の靴を買った方がいいのかも。新しい靴だと靴擦れするといけないから、ちょっと歩いておかないといけないかな。」と考えたり、「ひょっとして熊が出るような所だと危険だから、熊避けの鈴が必要かもしれないなー。いや、さすがにそんな所には行かないか。」などと、妄想している内にちょっとワクワクしてきた。
当日は、厳立峡に詳しいNPO法人飛騨小坂200滝の桂川淳平さんにガイドをお願いし、「ひめしゃがの湯」で待ち合わせをすることとなった。「ひめしゃがの湯」は炭酸泉の飲湯でも有名な温泉で、厳立峡より少し下に位置している。待ち合わせ場所がひめしゃがの湯になった理由は、桂川さんにお会いした時に分かった。このひめしゃがの湯の隣に、厳立峡の元になっている、御嶽山から流れ出た溶岩の終端があるからだ。現在は鳥居が立ち、整備された小さな休憩スペースとなっている。
厳立峡の駐車場で改めて待ち合わせ、桂川さんのガイドの下、早速滝巡りをスタートした。最初のスタート地点である厳立峡は、御嶽山の噴火により堆積した溶岩が冷えて固まり、濁河川などの浸食によってできた岩壁だ。スケールが大きくカメラのレンズには収まりきらないほどだ。
川の音を聞きながら、森の中の歩道を進むと10分ほどで最初の滝「三ツ滝」が見えてくる。前日は雨だったせいか、水の量が多くとても豪快な滝だったが、桂川さんは「水の量が少ない時も風情があっていいんですよ」とおっしゃっていた。滝のすぐ近くに歩道が通っているため、滝付近ではマイナスイオンがかなりの量出ているそうだ。実際にその日のマイナスイオン数が掲示されているので、ぜひチェックして欲しい。
桂川さんにその付近の植物や動物の糞などを教えてもらいながらしばらく歩き、さらに大きな滝を「あかがねとよ」と「からたに滝」を案内して頂いた。どちらも滝のすぐ近くまで降りることができ、自然の雄大さを満喫することができた。(「あかがねとよ」と「からたに滝」へはスニーカーや登山靴でないと危険です)
三ツ滝までは歩道が整備されているので、気軽に行くことができるが、それ以降はぜひスニーカーや登山靴を履いて訪れて欲しい。ちなみに桂川さんのリュックには、ちゃんと熊避けの鈴が付いていた。
今回は、3つの滝を2時間かけて巡るコースだったが、22個の滝を8時間かけて巡るコースなどもあるので、興味のある方はぜひ「NPO法人 飛騨小坂200滝」のホームページを参照して欲しい。 |