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華陽ニュース

不定期配信 マウスちゃんとメモリ主任のIT1年生⑪

情報の重要性が増す昨今、弊社では情報セキュリティについて、その意義や情報を共有する取り組みを続けています。
担当チームが社内向けにまとめた資料などを基に、軽い読み物を不定期でお届けできればと思いますので、ご笑覧頂ければ幸いでございます。

 イーさんのパソコンのOSのアップデートにはまだ時間がかかりそうです。複数の更新プログラムが順次ダウンロードされていくのをながめながら、イーさんがふと呟きます。
「会社のOSやウイルス対策ソフトには自動更新が設定されているんだよね。」
「そうですね。自分で設定を変更していない限りは。」
「じゃあ、更新がされているかどうかなんて、特に気にする必要はないんじゃないかな?だってパソコンが勝手に更新してくれるんだし。」
 アップデートが正常終了しているか、毎週確認する必要なんてあるのかな、とイーさんは首をかしげます。

「これもメモリ主任からの受け売りなんですけど、一つは長期休みなんかでパソコンの電源がついていない時間が長かった場合の更新遅れを防ぐためだそうですよ。」
「更新遅れ?」
「はい。いくら自動更新とはいっても、パソコンの電源がついていなければ実行されませんから。年末年始とかお盆休みとか長期出張とかの場合ですね。本来は毎日更新されるはずのウイルス対策ソフトなども長期間更新が止まっていて、新しく発見されたウイルスに対応する能力を獲得していない場合があるので、それを防止する意味で定期的にOSや各種ソフトが最新の状態になっているか、確認することが必要なんだそうです。」
「そうか。週末に直行直帰したりすると、それだけで3日は更新が止まることになるもんね。」
「そうですね。あと、通信やその他の不具合で重要な更新が正常インストールされていないことも考えられるので、特にパッチチューズデイの後は、必要な更新がされているか、更新プログラム番号まで確認して欲しいと仰っていました。」
「たまにメモリ主任から『〇〇番の更新は正常インストールされていますか?』っていう確認メールが来るのは、そのことかな。」
「特別にメールするときは、その更新がされていない脆弱性を狙った攻撃が既に起こっている場合だと仰っていましたよ。」

「一番大切なのは、定期的に確認することでセキュリティに対する意識を高めて頂くこと、ですよ。」
 新たな声に二人が振り向くと、メモリ主任がいつの間にか背後に立っています。驚く二人に、メモリ主任は淡々と続けます。
「OSなどの更新は最低限のセキュリティ対策で、ほかにも注意しなければいけないことがたくさんあるのですが、セキュリティ意識が低いと肝心な時に注意が働かず、被害に遭ってしまう恐れがあります。次々と新しい攻撃が確認される現状では、最終的に使用者のセキュリティ意識が情報の安全を守ることにつながりますから、あえて自動更新だけに任せるのではなく、定期的な確認を実行することで当事者意識をもって情報セキュリティに取り組んで頂ければと思っています。」
 穏やかな声でそう告げて失礼しましたとメモリ主任が去っていくと、二人は顔を見合わせます。
「・・・どこから聞かれてたと思う?」
「・・・多分、最初から。」
「・・・『更新されているかどうかなんて気にする必要ないんじゃない?』のとこも?」
「・・・・・・多分。」
 頭を抱えるイーさんに、自分じゃなくて良かった、と胸をなで下ろすマウスちゃんなのでした。