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華陽ニュース
紙の市況(2019.10)詳細 10月20日更新分
【洋紙 国内の紙の市況/状況】
1.JAPAN PACK 2019開催 |
来る10月29日~11月1日、一般社団法人日本包装機械工業会の主催によりJAPAN PACK(日本包装産業展)が開催されます。公式サイトの開催概要によると、
名称 | JAPAN PACK 2019(日本包装産業展) |
会期 | 2019年10月29日~11月1日の4日間 10:00~17:00 |
会場 | 千葉県千葉市 幕張メッセ |
テーマ | 『きっとみつかる、あなたの包程式』 |
大王製紙は9月24日、同展示会のCLOMA展示コーナーに出展することを発表しています。
CLOMA | 「クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス」の略。海洋プラスチックごみ問題の解決に向け、官民及び民間の企業同士の連携を強化することを目的に設立された組織。2019年1月18日設立。 製紙業界からは王子ホールディングス、日本製紙、大王製紙、レンゴーなど大手各社が幹事・会員として参加している。 |
大王製紙の展示 | フィルム包材、発泡スチロール、プラスチックカトラリーなど、各種プラスチック商品の代替となる紙素材を展示する予定。 |
その他 | グループ会社のダイオーエンジニアリングが、薄型段ボール対応の製函機とRFIDタグ自動貼機など、物流部門の省人化に役立つ設備を実演展示する予定。 |
日本製紙やリンテックなどもCLOMA展示コーナーに展示の予定で、多数の皆様の来場を呼び掛けています。
2.製紙各社 「ホワイト物流」推進運動 自主行動宣言を提出 |
王子ホールディングスは10月11日、国交省などが推進する「ホワイト物流推進運動」の趣旨に賛同し、15の項目について「自主行動宣言」を行ったと発表しました。
ホワイト物流推進運動 | 国土交通省・経済産業省・農林水産省が推進する運動。 深刻化するトラック運転手不足に対応し、国民生活や産業活動に必要な物流を安定的に確保するとともに、経済の成長に寄与することを目的とし、 ①トラック輸送の生産性の向上・物流の効率化 ②女性や60代以上の運転手等も働きやすい、より「ホワイト」な労働環境の実現 に取り組む。 |
荷主企業の参加 | 荷主企業には ①運動や「自主行動宣言」の必須項目(取組方針、法令遵守への配慮、契約内容の明確化・遵守)への賛同表明 ②自社で取り組むことができる項目の選定・検討 ③自主行動宣言の作成、事務局への提出 が求められる。賛同企業名は公表される。 |
王子HDの取り組み | 同社は ・リードタイムの延長や入出庫情報の事前開示など、トラック輸送改善への協力提案 ・運送契約の書面化、法令遵守 ・積み込み時や輸送時における安全の確保 等、15項目について自主行動宣言を行ったと発表。 |
製紙業界ではレンゴーや日本製紙クレシア、北越コーポレーションなどが自主行動宣言を提出したと発表しており、各社、「ホワイト物流」推進運動への取り組みに対する姿勢を表明しています。
【板紙 国内の紙の市況/状況】
1.王子HD 新規包装システムを販売 |
王子ホールディングスは10月1日、同社子会社の王子コンテナーが新規包装システムを販売すると発表しました。同社サイトの発表によると、
内容 | 王子コンテナーが大手小売りメーカーの通販物流センターに新規包装システムを販売。 |
機械名称 | OPITZ Packaging Systems GmbH社製の「Vario558」 |
特徴 | ①内容物に合わせて箱の高さを自動調節できる⇒高さ方向に無駄な空間がない梱包が可能⇒ 緩衝材の低減、輸送コストの削減効果が期待できる。 ②1台で約20種類の箱サイズをランダムに封函できる⇒梱包作業の省力化につながる。 |
王子ホールディングスは「Vario558」について、OPITZ Packaging Systems GmbH社とライセンス契約を締結し、長年、段ボール包装機、フィルム包装機の製造・販売を手掛けてきた経験を活かしてお客様の課題解決策を提案していくとしています。
【板紙 国外の紙の市況/状況】
1.日本製紙 豪社板紙パッケージ事業を買収 |
日本製紙は10月10日、オーストラリアのOrora Limited(オローラ社)の板紙パッケージ事業を譲り受けることを臨時取締役会で決議したと発表しました。同社サイトの発表によると、
オローラ社 | 豪州上場会社。豪州・ニュージーランド市場で製紙・パッケージ事業と飲料ボトル事業、北米市場でパッケージ事業と商業印刷事業を営む。 今回、日本製紙が事業譲受を決議したのは、豪州・ニュージーランド市場の製紙・パッケージ事業。 |
理由 | オローラ社は当該事業で、古紙回収から段ボール原紙製造、段ボール加工、パッケージング関連資材・サービスの提供までを一貫して展開しており、当該市場で高いシェアを確立している。 豪州・ニュージーランド市場では日本製紙子会社のオーストラリアンペーパーが段ボール原紙などの製造販売を行っているが、オローラ社の事業を譲り受けることによって日本製紙は、オセアニア地域における、原紙から加工までの段ボール事業の一貫体制を築くことを目指す。 |
買収額 | 約1,243億円(2019年10月8日現在)。 |
期日 | 事業譲受は2020年1月31日を予定。 |
10月11日付の日本経済新聞の記事によれば、日本製紙の買収案件としては過去最大額の買収になるとのことで、洋紙の国内需要が縮小を続けるなか、大型買収で海外事業の強化を図ると買収の狙いを分析しています。
【その他の市況/状況】
1.王子ネピア プラスチック包材を使わないティッシュを発売 |
王子ホールディングスと王子ネピアは10月15日、ティッシュの新製品の発売を発表しました。同社サイトの発表によると、
名称 | 「nepia krafco(クラフコ)」 |
特徴 | クラフト紙と紙紐のみで包装したティッシュペーパー。フィルムなどのプラスチック包装を廃することで分別の手間を無くし、脱プラスチックやごみの削減にもつなげる狙いがある。 アスクルのショッピングサイト「LOHACO」で先行販売。 |
枚数 | 920組(1,840枚) |
発売日 | 2019年10月19日 |
クラフト紙のナチュラルな色合い・質感に、森のサイクルの様子を印刷したパッケージで、暮らしになじむ存在感を楽しんでほしいと、同社は商品について説明しています。
【印刷・製品関連】
1.ユニ・チャーム 再生パルプ製の紙おむつを試作 |
10月18日付の日本経済新聞紙上にて、ユニ・チャームが使用済みの紙おむつを活用した再生品を公開したと報じられています。同記事や、ユニ・チャームの10月17日付ニュースリリースによると、
紙おむつの再生 | ユニ・チャームは ・2015年、使用済みの紙おむつからパルプを取り出す技術を開発。オゾンによる滅菌法で厚生労働省の基準をクリア。 ・2016年、鹿児島県志布志市と使用済み紙おむつの回収で実証実験を開始。 ・2019年10月、使用済み紙おむつから再資源化した原材料を用いた紙おむつ、メモ用紙、紙ファイルなどの試作品を公開。事業化を目指し「リサイクル事業準備室」を設置。 |
背景 | 日本では高齢化の進展により大人用紙おむつの使用量が増加、処理時に排出される二酸化炭素量などが問題化しつつある。 志布志市同様、他の自治体でも使用済み紙おむつの回収に関心。 |
紙おむつなど自社製品のごみの処理に企業が関わる動きが世界で広がっているとのことで、記事ではP&Gやユニリーバ、花王の例が紹介されています。
※文中敬称略
※文章は2019年10月18日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。