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華陽ニュース

紙の市況(2019.12)詳細 12月10日更新分

【洋紙 国内の紙の市況/状況】

1.王子、三菱へノーカーボン事業移管

 王子ホールディングスは11月29日、同社子会社のノーカーボン紙の生産・販売を終了し、事業を三菱製紙に移管すると発表しました。同社と三菱製紙の公式サイトに掲載された発表によると、

内容 王子HD子会社の王子イメージングメディア株式会社でのノーカーボン紙の生産・販売事業を終了。生産拠点は王子イメージングメディア・神崎工場から三菱製紙・高砂工場に集約される。
移管時期 2020年7月1日予定
背景 ・資本業務提携により、王子HDと三菱製紙が進めている新たな相乗効果発現の一環。
・需要構造の変化や電子化により、ノーカーボン市場は縮小が続いている。
メリット ・王子イメージングメディアにとっては、同事業終了により経営資源を感熱紙など他の事業に配分することができ、生産性向上や競争力強化が図れる。
・三菱製紙にとっては、ノーカーボン紙の生産・販売の集約によりシェア拡大、収益性の改善が見込まれる。

 両社は提携による相乗効果の発現を通じ、さらなる企業価値の向上に取り組んでいくとしています。


2.日経42種 「紙・板紙」3か月連続で前年同月比下落

 11月30日の日本経済新聞紙上にて、日経商品指数42種の11月末値が発表されました。資材や燃料の企業間取引価格を1970年を100として指数化したもので、42種全体の指数は12か月連続で前年同月比下落となっています。
 紙・板紙の指数は

 昨年の9~11月は段ボール関連の値上げなどが反映され指数が3か月連続で上昇した時期でもあり、前年同月比は9月末が1.6%下落、10月末が2.7%下落、11月末が5.6%下落と、下落幅が拡大しています。
 記事では紙・板紙の指数下落について、

・古紙の国内価格が10年ぶりの安値。
・天候不順や米中貿易摩擦などの影響で、飲料・青果物・電子部品・機械部品などの梱包需要が不振。

といった状況が響いていると分析しています。


3.中パ 雷鳥コート生産体制見直しを発表

 中越パルプ工業は11月、雷鳥コート73.3gの生産体制見直しを発表しました。

対象銘柄 「雷鳥コート73.3g」及び「雷鳥コートオフリン73.3g」
見直し内容 生産体制を毎月生産から奇数月の隔月生産に移行。
実施時期 2020年1月生産より

 A2グロスコートの73.3g(四六判換算で連量63kg)については各社が見直しを進めており、今後在庫が減少する状況が予想されています。
 弊社では2019年12月現在、王子製紙『OKトップコート+』73.3g/㎡の四六判、A判、菊判のT・Y目を常備在庫しております。ご用命の際は弊社営業担当までお声掛け下さい。


【板紙 国内の紙の市況/状況】

1.日本製紙 「SPOPS🄬」製品化

 日本製紙は12月2日、同社が開発した差し替え型容器「SPOPS🄬」がシャンプーやボディーソープなどの容器として採用されたと発表しました。同社サイトの発表等によると、

「SPOPS🄬」 日本製紙が開発した、紙製液体差し替え型容器。シャンプーなど液体が入った紙製容器を差し替えるだけで補充ができるため、詰め替え型に比べ時間が短縮できる、液残りが少ない、使い捨てプラスチックを削減でき環境に優しい、等の特長があると紹介されている。
採用製品① 山陽物産が展開するホテル向け製品シリーズ「HAJIMARI EASY+」のシャンプー・コンディショナー・ボディソープの容器として採用。2020年2月販売開始予定。業務用製品のため一般販売はされていない。
採用製品② 日本製紙の子会社、日本製紙総合開発が運営する丸沼高原スキー場にて、同社が新発売するボディソープ「ダケカンバボディソープ」の容器として採用。2019年12月中に販売開始予定。同スキー場のほか、丸沼高原オンラインショップでも一般販売される計画。
同社発表記事によるとダケカンバは丸沼高原に自生する広葉樹で、日本製紙総合開発は以前から樹液を配合した「ダケカンバ石鹸」を販売していた。今回、製品シリーズ拡大の一環として「ダケカンバボディソープ」を製品化するにあたり、丸沼高原の自然を活かすという理念と環境配慮型製品の「SPOPS🄬」のコンセプトがマッチしたことから採用に至ったとのこと。

 日本製紙は「紙でできることは紙で。」を合言葉に、海洋プラスチックごみ問題など、社会の様々な課題の解決につながる「紙化ソリューション」を推進しています。


【その他の市況/状況】

1.古紙価格 さらに下落

 日本経済新聞紙上にて、古紙価格がさらに下落したと報じられています。11月28日に掲載された同紙調べの古紙問屋買値では段ボール古紙が0.5円、雑誌古紙・新聞古紙の上値が1円、前月より下がり、段ボール古紙の価格は約10年ぶりの安値水準とのこと。

・中国が環境規制で古紙輸入を制限。
・米中貿易摩擦による景気減速で、中国で段ボール需要が低迷。
・日本国内でも天候不順や消費増税の駆け込み需要の反動減などの影響で段ボール需要が低迷。

といった状況が背景にあり国内古紙在庫が増加、お歳暮シーズンの12月にはさらに在庫が増える見通しだと伝えられています。
 古紙回収システムを維持するため、国内製紙各社は古紙問屋からの買い付け価格を高い水準で維持していますが、製紙メーカーの買い付け基準価格と古紙問屋の仕入価格の乖離が進めば、回収が停滞し古紙が日本であふれる恐れがあると、記事は古紙回収システムが岐路に立たされていることを訴えています。


2.エリエールウェットティシュー、容器の評価に「脳波分析」を採用

 大王製紙は12月3日、エリエールPuana(ピュアナ)ウェットティシュー(11月21日新発売)の容器評価に「脳波分析」を採用したと発表しました。「脳波」を評価に用いるのは同社史上初とのこと。
 脳波検証により、新発売のピュアナは同社既存品よりも「使いやすく」「見た目の心地よさが向上した」ことが分かったとして、同社は作業評価(詰め替え作業時間短縮)や主観評価(満足度アンケートで既存品よりも高評価)と合わせてPuana(ピュアナ)の特長として紹介しています。


3.鈴川エネルギーセンター 発電燃料をバイオマスに

 日本製紙は12月4日、同社が運営に参画する鈴川エネルギーセンターにて、発電燃料を石炭から木質ペレットに変更し、バイオマス専焼事業を開始することを決定したと発表しました。発表記事によると、

鈴川エネルギーセンター 日本製紙、三菱商事パワー、中部電力が2013年9月に共同設立した発電事業会社。日本製紙鈴川工場の生産設備跡地を活用して火力発電所を設置、2016年9月より石炭を燃料とする発電所として営業運転を開始。
燃料を変更 燃料を石炭からバイオマスである木質ペレットに変更することを決定。二酸化炭素の排出を抑制し、再生可能エネルギー比率の向上に貢献する。
時期 2022年4月よりバイオマス発電所としての運転開始を予定。

同社は鈴川エネルギーセンターで発電設備の運転や保守を担当しており、木質資源の調達力や活用技術を生かしてバイオマスによる電力の安定供給に貢献していくとしています。


【印刷・製品関連】

1.紳士服のはるやま プラ袋を廃止

 11月28日付の日本経済新聞紙上にて、紳士服大手のはるやま商事がプラスチック製のショッピングバッグを廃止すると報じられています。記事によると、

内容 同社が展開する3ブランド、全457店舗でプラスチック製のショッピングバッグの切り替え・有料化を実施。
12月中旬よりプラスチック製のショッピングバッグを順次廃止、2020年1月中旬よりショッピングバッグを有料化。バッグの素材を紙製に切り替えるほか、石灰石などを主原料とする「LIMEX(ライメックス)」製ショッピングバッグ「Bio LIMEX Bag(バイオ ライメックス バッグ)」も一部店舗で使用予定。
目的 プラスチックごみ問題への取り組みの一環として。

 「LIMEX」を製造販売するTBMの調べとして同社は、「Bio LIMEX Bag」を導入するのは紳士服業界では同社が初であるとしており、使用感やお客様の声をもとにショッピングバッグを「Bio LIMEX Bag」に移行することも視野に入れるとしています。


※文中敬称略
※文章は2019年12月6日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。