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華陽ニュース

紙の市況(2020.1)詳細 1月10日更新分

【洋紙 国内の紙の市況/状況】

1.1~3月産業景気予測が発表

 日本経済新聞は1月4日、1~3月期の産業景気予測を発表しました。紙関連では、

と、古紙の在庫増が市況の下押し要因となる可能性について言及されています。
 主要30業種では、

と、化学・繊維、精密機械、コンビニエンスストアの3業種で見通しが悪化。アミューズメントは『薄日』に改善していますが、全体では『小雨』が2業種増えて8業種となり、消費増税で落ち込んだ消費の回復が不透明であることや、米中貿易摩擦の長期化、英国のEU離脱などが世界経済を不安定にし、製造業などに影響を与えていることが解説されています。


2.日経42種 13か月連続下落

 12月28日付の日本経済新聞紙上にて、日経商品指数42種の12月末値が発表されました。1970年を100とし、資材や燃料の企業間取引価格を指数化した日経商品指数42種全体の12月末値は前年同月比で1.0%の下落、下落幅は縮小しているものの、前年同月比での下落が13か月連続となったと報じられています。
 紙・板紙の12月末値は

と前年比の低下幅が最も大きかったと紹介されています。
 中国の環境規制の影響などで古紙の国内在庫が増え、古紙問屋の回収業者からの買値は2019年1年間で半値になったとのことで、それが指数に影響を与えていると記事では分析しています。


3.王子製品「キットカット」パッケージに採用

 王子ホールディングスは1月7日、同社の紙製品がネスレ日本の「キットカット」のパッケージに採用されたと発表しました。ネスレ日本は海洋プラスチックごみの課題解決に向けて「キットカット」大袋5タイプのパッケージをプラスチックから紙製に切り替えることを昨年8月に発表、9月下旬から実施していますが、その原紙として王子HDの紙製品が採用されたとのこと。王子グループは環境に優しい製品を提供しSDGsに取り組んでいきたいとしており、ネスレグループの地球環境に配慮した取り組みにサプライヤーとして協力していくと表明しています。


【洋紙 国外の紙の市況/状況】

1.北越 中国の感熱紙合弁契約を解消

 北越コーポレーションは12月26日、上海敦普貿易中心有限合伙との合弁契約を解消し、同社保有の合弁会社の持ち分全量を上海敦普貿易中心有限合伙に譲渡したと発表しました。同社は2018年11月に上海敦普貿易中心有限合伙と合弁会社を設立し、中国における感熱紙製造紙業の開始に向け準備を進めてきましたが、将来的な市場変化等を踏まえ両社で協議を重ねた結果、合弁契約解消等の結論に至ったとしています。
 ただ、中国感熱紙市場への感熱紙原紙の供給自体は今後も継続するとのことで、該当の合弁会社にも感熱紙原紙の供給を続ける方針であることを表明しています。


【その他の市況/状況】

1.11月積み北米産パルプ価格 横ばい

 12月27日付の日本経済新聞紙上にて、北米産針葉樹さらしクラフトパルプの11月積み日本向け輸出価格が横ばいで決着したと報じられています。北米産パルプは10月積みの時点で荷余り感が後退し、前月比3%程度の値上げで決着していましたが、その10月積みと同値で決着したと記事では伝えられています。


2.C重油 製紙用は値下がり

 12月25日付の日本経済新聞紙上にて、JXTGエネルギーと大口需要家のC重油10~12月期の価格交渉が決着したと報じられています。発電用の低硫黄C重油は小幅値上げで決着したとのことですが、製紙メーカーがボイラー用に使う高硫黄C重油は前期(7~9月期)比850円安い値下がりで決着したとのこと。JXTGエネルギーは10月29日にC重油10~12月期価格の値下げの意向を発表しており、原油安や為替の円高進行で調達費用が下がったことをその理由として挙げていました。ただ、足元で原油価格は上昇しており、中東情勢が不安定ななか、今後の価格動向には注視が必要となっています。


【印刷・製品関連】

1.紙の出版 2019年も減少

 12月27日付の日本経済新聞紙上にて、2019年の紙の出版物の推定販売金額が15年連続で前年実績を下回る見通しだと報じられています。19年1~11月の紙の出版物の推定販売金額は前年同期比3.9%減となっており、通年でも下回る見通しだとのこと。出版社や取次各社、書店の出版不況に対する対応策も紹介されており、

トーハン 書籍の要約版を作成・配信する企業と提携。書店店頭の販促物に書籍の要約版が読めるQRコードを付与し、試読によって販売増につなげる試み。要約版の閲覧データを分析し、効率的な配本につなげる狙いもある。
日販 ポプラ社と提携して返品率目標を設定し、達成すれば報奨金で還元する取り組みを開始。他の出版社にも導入を呼び掛ける計画。
TSUTAYA 一部書籍で「買い切り」制度を導入。通常より良い条件で書籍を仕入れ、定められた以上に返品が生じた場合はペナルティーを支払う仕組み。順次対応書籍を増やしていく計画。

等、販売増を促したり返品率を低下させるための各種取り組みが行われていると記事では紹介されています。


※文中敬称略
※文章は2020年1月8日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。