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当社経営計画発表会ご来賓のお話 王子製紙様(2020年)

当社経営計画発表会ご来賓のお話 王子製紙株式会社 中部営業支社 支社長 糟谷聡彦様

1.はじめに

 新年明けましておめでとうございます。
 経営計画発表会に参加させて頂くのは今年で4回目になります。
 1回目・2回目の講演時には、日本製紙連合会の広報活動や、当社や業界の社会貢献に関する取り組みなどについてご紹介致しました。
 3回目になる昨年は、一昨年末に印刷用紙の値上げを発表したタイミングであったため、紙業界の経営環境や値上げの背景、紙不足の現状などについてお話を致しました。

2.値上げについて

 一昨年末に打ち出した印刷用紙の値上げに関しては、お客様や流通の皆様のご理解を頂き御礼を申し上げます。メーカーの収支も改善し、2019年度第2四半期決算(2019年4~9月期)では製紙大手6社中、3社が増収増益、3社が減収増益と、6社とも増益を達成しました。うち2社では赤字が黒字に転換し、王子製紙の印刷用紙部門に限っても、赤字が黒字に転換致しました。

3.岐阜の2020年について

 今年は何といっても、明日(2020年1月19日)放映開始となるNHK大河ドラマ『麒麟がくる』が岐阜を盛り上げると思っています。関連イベントも行われており、岐阜市歴史博物館、可児市花フェスタ記念公園、恵那市明知町大正ロマン館の3か所に大河ドラマ館が開設され、関連グッズやお土産品の需要が期待されます。
 ちなみに、2016年の大河ドラマ『真田丸』の放映時には、舞台となった長野県上田市、上田城の真田丸ドラマ館が年間100万人超、平均で1日3,000人の観光客を集め、過去最高の集客数となっています。今年、これを破る記録が出るようなヒットとなれば、関連製品などの需要増で、紙も動くと期待されます。是非、御社にはお客様への提案で需要を掴んで頂ければと思います。

4.渋沢栄一氏について

 大河ドラマつながりでお話ししますと、来年2021年の大河ドラマでは主人公に渋沢栄一氏が取り上げられることが決まっています。「日本近代資本主義の父」とされ、大蔵官僚から民間に転じて500社以上の会社の設立に関与、民間外交や女性教育、女性の社会進出にも貢献し、ノーベル平和賞の候補に二度も推薦されていたことも分かっています。2024年には新一万円札の肖像に起用されることが発表されており、約40年ぶりに一万円札の肖像が変更になると話題になりました。
 渋沢栄一氏が設立に関わった企業としては、みずほ銀行や帝国ホテル、日本郵船、キリンビールなど、現存する大企業の名が連ねられており、こちらに今日お越しの十六銀行様もその一つだったと記憶しています。王子製紙もその一つで、1873年、渋沢氏が33歳の時の設立になります。
 大河ドラマは戦国時代を取り上げたものがヒットする傾向にあり、明治期の、一般的に知名度が高いとは言えない渋沢栄一氏を主人公とした作品がヒットするかどうかなど不安要素はいくつかありますが、面白いドラマになってくれればと思っています。

5.『論語と算盤』について

 渋沢氏の著書としては『論語と算盤』が有名で、稲盛和夫氏が後進の育成のためのテキストとして使っていることでも知られています。書名の『論語』は孔子が説いた道徳や規範、『算盤』はそのまま経済のことで、即ち、『論語と算盤』とは、経済や企業活動における道徳・規範の在り方について記したものです。
 利益は道徳に則るべき、や、公益を優先することで信用を得る、国家の発展が個の発展につながる、といった考え方、組織の在り方などが論じられており、社是に『顧客の信用』『社会に貢献』を掲げる華陽紙業の皆さんには是非ご一読頂きたいと思います。

6.最後に

 論語の一節のなかに、分かりやすく言うと次のような意味の言葉があります。
 『知っているだけの人は、好きな人にはかなわない。好きなだけの人は、楽しんでいる人にはかなわない。』
 この言葉のように、この1年、仕事もプライベートも楽しんで取り組んで頂き、成果を出して頂ければと思います。

 ご清聴ありがとうございました。

(2020年1月18日、弊社新年経営計画発表会でのお話を華陽紙業にて編集)