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当社経営計画発表会ご来賓のお話 日本紙パルプ商事様(2020年)

当社経営計画発表会ご来賓のお話 日本紙パルプ商事株式会社 上席執行役員 中部支社長 田名網 進様

1.はじめに

 新年明けましておめでとうございます。
 私がこの会に参加するのは2回目になりますが、年初からこのような経営計画発表会を開催されていることに感心しています。
 私からは、当社や業界の現状などについてご説明し、後半は少し力を抜いてスポーツの話などをさせて頂ければと思います。

2.「中期経営計画2019」について

 紙代理店として当社も厳しい環境にさらされています。
 2019年度の増収増益は微妙なところで、数量ベースは落ち込んでいます。
 当社は2019年度が中期経営計画の最終年度で、その元となる「長期ビジョン2020」では①国内紙卸市場でのシェアアップ、②海外売上高比率の向上、③紙・板紙以外の取り扱い上昇 の3つを掲げていました。
 積極的な展開や各種投資などにより②についてはクリアに近いところまで来ており、③についてはクリアの見込み。①のシェアは期待通りには上げることができませんでした。

3.人手不足対応について

 近々「長期ビジョン2030」と「中期経営計画2022」が発表になる予定です。
 発表前なので内容について詳細に述べることはできませんが、日本企業が直面している「人手不足」という問題が核の一つとなっています。
 どの業界でも人手不足への対応が課題となっており、特に物流関係で深刻さを増しています。2019年時点で大型一種免許の保有者は427万9千人ほどですが、そのうち65歳以上が30%を占めているとの報告があり、深刻なドライバー不足という現状に直面しています。物流の効率化は急務で、空車率の低下やホワイト物流の実現に取り組む必要があります。
 また、合わせて事務方の業務改善にも取り組む必要があります。物流関係では配車の自動化、営業関連でもAIを活用したRPAの導入やテレワークなどの検討が必要になってきます。
 

4.環境貢献について

 当社では昨年、環境に配慮した製品を扱うサイト『Paper&Green』を開設しました。環境に配慮した紙製品やバイオプラスチック製品などを提案するECサイトで、まだ大きなウエイトを占める事業とはなっていませんが、当社の製品情報を発信し、お客様より「こういった製品はないか」といったフィードバックを頂くことで、新たな商品開発など、将来の飛躍につなげていければと思っています。
 

5.スポーツについて

 難しい話はここまでで。これからは私の好きなスポーツの話をさせて頂きます。
 2019年はなんといってもラグビーワールドカップの年で、多くの方が「にわかファン」となり、大会は大成功を収めました。
 私は栃木県の出身で、栃木県自体ラグビーがそれほど強いというわけではないのですが、たまたま入った高校が12年連続花園出場のラグビー強豪校で、以前からラグビーを観戦していました。といっても、当時のラグビーは学生ラグビーに新日鉄釜石程度で、ラグビーワールドカップが始まった1987年から2011年の第7回大会まで、日本は代表を送り続けてきましたが、戦績は1勝2分残り全敗という惨憺たるものでした。
 ですが、その陰では、日本の社会にラグビーを根付かせるプロジェクトが進行していました。2000年ごろから準備が始められ、2003年にはトップリーグが開幕、選抜メンバーが日本チーム「サンウルブズ」としてラグビーの国際大会「スーパーラグビー」に参加するなどの努力が重ねられた結果、前回ワールドカップの南アフリカ戦での勝利、そして今回大会のベスト8につながっています。
 今回の大会で一番良かったのは「おもてなし」や「清掃」など「日本ブランド」が確立されたことだと思います。日本ではあまり報道されませんでしたが、海外ではその品質の高さが盛んに報道され、「日本ブランド」の確立に貢献しました。
 ラグビーワールドカップに関連する訪日客は40万人程度とされており、2019年合計では3,100万人程度の外国人の方が日本を訪れた模様です。伸びは鈍化しているとされていますが、これはご存じの通り、日韓問題の影響で韓国からの旅行客が200万人以上減ったとみられることが影響しており、他の国・地域からは200万人以上訪日客が増えていることになります。
 今年はオリンピックの関係で訪日客は3,600万人とも4,000万人とも予想されており、相応の経済効果が期待されています。
 ちなみにJOCの山下会長は今オリンピックでの金メダルの目標を30個とされていますが、今までの夏のオリンピックでの日本の金メダルの平均は1大会6~7個程度、一番多かったのがアテネ大会の16個ですので、この目標がいかに高いかお分かりになるかと思います。過去の金メダル獲得競技のランキングは、上から、柔道(39)、レスリング(32)、体操(31)、競泳(22)、陸上(7)となっています。

6.最後に

 オリンピックというのは、訪日客の方に、日本を知ってもらい、好きになってもらい、楽しんでもらう、重要な機会です。観光立国としてはフランス、特にパリのブランド力の強さが有名で、同国は年間9,000万人もの観光客を集めています。
 日本は2030年に6,000万人の訪日客を目標としていますが、そのためにも、一層の「日本ブランド」力の向上が必要だと思います。
 御社も是非「華陽ブランド」の確立を目指して頂ければと思います。

ご清聴ありがとうございました。

(2020年1月18日、弊社新年経営計画発表会でのお話を華陽紙業にて編集)