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紙の市況(2020.8)詳細 8月10日更新分

【洋紙 国内の紙の市況/状況】

1.王子・日本 第1四半期決算発表

 王子ホールディングスは8月4日、日本製紙は8月6日、2021年3月期第1四半期(2020年4月1日~2020年6月30日)の決算を発表しました。公式サイトに掲載された決算短信によると、

 いずれもコロナ禍によるイベント等の中止やテレワークの推進などによる印刷情報用紙をはじめとする紙需要の減少を、落ち込みの原因として挙げています。
 両社ともここを底に以後緩やかに持ち直すとの見通しを示していますが、新型コロナウイルス感染症はまだ収束が見通せず、また、日本経済新聞紙上では、新常態下でテレワークが推進・定着すれば一度減った印刷情報用紙需要が以前の水準まで回復するのは難しいとの見方も示されています。


2.日経42種7月末 「紙・板紙」は前月比横ばい

 8月1日付の日本経済新聞紙上にて、日経商品指数42種の7月末値が発表されました。1970年を100として、企業間取引価格を基に算出された日経42種全体の6月末値は20か月連続で前年実績を下回りましたが、前年比の低下幅は3か月連続で縮小し、非鉄や石油の国際価格の上昇が落ち込みを和らげたと報じられています。
 「紙・板紙」の7月末指数は147.257と4月末値以来横ばいとなっていますが、前年同月比では10.5%の下落と、14.7%の下落だった6月末値よりは下落幅が縮小しています。


【板紙 国内の紙の市況/状況】

1.レンゴー 第1四半期決算発表

 レンゴーは8月5日、2021年3月期第1四半期(2020年4月1日~2020年6月30日)の決算を発表しました。公式サイトに掲載された決算短信によると、

レンゴーよりグラフィック用紙の比率が大きい王子・日本に比べると下落幅は小さいものの、前年同四半期比で減収減益の結果となっています。
 段ボール原紙等の需要については、コロナ禍による巣ごもり需要で加工食品や日用品、通販や宅配等の需要は堅調であるものの、自動車や電機といった産業用の包装用途は需要減となっていることが指摘されており、新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない今、現時点では不確定要素が多いとして、同社は通期予想を据え置いています。


【板紙 国外の紙の市況/状況】

1.王子HD マレーシアに段ボール工場建設

 王子ホールディングスは8月4日、マレーシアに新しい段ボール工場を建設することを決定したと発表しました。

建設予定地 マレーシア ジョホール州
段ボール生産能力 月産約7百万平方メートル
稼働時期 2022年1月予定

 同社は既にマレーシアに8か所の工場を稼働、うち2か所では昨年生産能力の増強を行っており、マレーシアで9か所目、東南アジア・インド地域では26か所目となる新工場の建設により、同社が掲げる「海外事業の拡充」をさらに推進していくと、新工場建設の意図を説明しています。


【その他の市況/状況】

1.王子HD 医薬品開発の新会社を設立

 王子ホールディングスは8月3日、医薬品の開発や製造販売を目的とする新会社を設立したと発表しました。同社の公式サイトの発表によると、

社名 王子ファーマ株式会社
事業内容 医療用医薬品等の開発及び製造販売
設立日 2020年4月1日
事業方針 木質主要成分の1つ「ヘミセルロース」を原料とした有効成分「硫酸化ヘミセルロース」を医薬品として製品化することが目的。大学や製薬企業との共同研究開発により、血液凝固阻止作用、抗炎症作用、保湿作用などが発揮できると期待されている。

 特に血液凝固阻止作用に関して現在主流の血液凝固阻止剤「ヘパリン」の代替としての展開が期待されるとして、同社は研究開発を加速させていくと表明しています。


【印刷・製品関連】

1.大日本 第1四半期決算発表

 大日本印刷は8月5日、2021年3月期第1四半期(2020年4月1日~2020年6月30日)の決算を発表しました。公式サイトに掲載された決算短信によると、

併せて2021年3月期通期の業績見通しも発表、連結純利益は前期比69.8%の下落となるとの見通しを発表しました。

減少要因 コロナ禍による外出自粛や休業要請等の影響等により、
・世界的な景気の急速な悪化
・東京五輪・パラリンピック開催延期をはじめとする各種イベントの延期や中止
・キャンペーン等の広告需要の縮小
・飲料や土産品、飲食店向けの業務用包材の減少
・書店売上の減少、出版市場の縮小 等
増加要因 ・マイナンバーカード等IDカード
・BPO関連事業
・外出自粛による電子書籍販売の堅調
・医薬・衛生材料向け包材や家庭用食品包材の需要増
・テレワークの広がりによるリチウムイオン電池用バッテリーパックの需要増 等

など、新型コロナウイルス感染症の拡大は同社に様々な影響を与えており、通期業績見通しについても、再度の社会的制限が行われないことを前提とした数字であると説明しています。


※文中敬称略
※文章は2020年8月6日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。