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紙の市況(2021.2)詳細 2月10日更新分

【洋紙 国内の紙の市況/状況】

1.日本製紙 新しい樹脂複合材料を開発

 日本製紙は2月4日、株式会社日本製鋼所と共同で、木質バイオマスを高配合した新しい樹脂複合材料を開発したと発表しました。トレファクションと呼ばれる技術で低温炭化させた木質バイオマスを、日本製鋼所製の機械の混練技術を用いて樹脂に高配合したもので、

・木質バイオマスに耐熱性、粉砕性、疎水性を付与することで、従来製品の課題とされてきた耐熱性や成形性を向上。
・プラスチック使用量を5割以上削減することが可能であるとともに、温室効果ガス排出量の削減にも寄与。
・建材、食品容器・器具、家電製品、園芸用品等の用途開発で商品化を計画。

とのこと。
 この新開発の樹脂複合材料は、セルロースパウダーと樹脂の複合材料とともに「TOKYO PACK 2021」で展示される予定とのことで、同社は来展を呼び掛けています。


2.2年2か月ぶりに日経42種が上昇

 1月30日付の日本経済新聞紙上にて、日経商品指数42種の1月末値が、2年2か月ぶりに前年同月比プラスとなったと報じられています。日経商品指数42種は、素材や燃料など景気動向に敏感な42品目の企業間取引価格を1970年を100として指数化したもので、1月末値は前月比2.1%、前年同月比2.6%上昇したとのこと。

・国内外の製造業の回復や原料高により、非鉄金属や鋼材の卸値が上昇

したことが背景にあると記事では分析されています。
 紙・板紙の1月末指数は147.257と、昨年4月末値以来10か月横ばいを続けていますが、前年同月と比較すると4.9%の下落となっています。


【板紙 国内の紙の市況/状況】

1.レンゴー 「TOKYO PACK 2021」に出展

 レンゴーは2月1日、2021東京国際包装展「TOKYO PACK 2021」に出展すると発表しました。公式サイトの発表によると、

名称 2021東京国際包装展「TOKYO PACK 2021」
開催期間 2021年2月24日(水)~26日(金)
10:00~17:00
場所 東京ビッグサイト
レンゴーの出展内容 ・高精細な再現性と可変印刷で商品の魅力を最大限に発信する『デジパケ』
・小売店での開封・陳列の作業性を改善する『レンゴー スマート・ディスプレイ・パッケージング(RSDP)』
『New Smart Display Packaging(NSD)』
・生分解性素材
・抗ウイルス製品
・通販パッケージシステム 等

 今年のレンゴーのテーマは『NEXT!次の世代へ ~段ボールが変わる・生活(くらし)が変わる~』とのことで、レンゴーの最先端にぜひ触れてほしいと、同社は来展を呼び掛けています。


【その他の市況/状況】

1.12月末の古紙輸出価格が上昇

 1月30日付の日本経済新聞紙上にて、日本からの古紙輸出価格の12月末値が上昇したと報じられています。

・コロナ禍の外出自粛で東南アジア各国の回収が難しくなり、日本産古紙の需要が増加。
・2021年1月からの古紙輸入全面禁止を前に、中国の製紙会社が駆け込み需要。

といった背景から、19年12月に比べ平均輸出価格が75%高くなったとのこと。
 一方、中国が古紙輸入を全面禁止したことで世界閣下国の古紙が東南アジアに流入し競争が激化すると記事では分析されており、先行き価格は低下する可能性が高いとの見方が出ています。


2.ENEOS 1~3月期のC重油を値上げ

 1月29日付の日本経済新聞紙上にて、ENEOSが1~3月期のC重油の値上げを表明したと報じられています。

・産油国の協調減産、新型コロナウイルスのワクチン普及で需給が改善するとの見方。
・寒波による発電需要増でLNGの需給が逼迫し、代替燃料としての重油の消費が増加。

といった背景から海外市況が上向いているとのことで、発電用の低硫黄C重油で2四半期ぶりの引き上げ価格を提示したとのこと。
 製紙会社がボイラー燃料として使う高硫黄C重油も前期(2020年10~12月)比15%引き上げた価格で提示したとのことで、引き上げは3四半期連続になると記事では伝えられています。


【印刷・製品関連】

1.バロー 店舗2割で特売チラシ廃止

 1月29日付の日本経済新聞紙上にて、食品スーパーのバローが全約240店舗の2割に当たる39店舗でEDLPと呼ばれる手法を採用し、特売チラシをなくすと報じられています。記事によると、

EDLP 「エブリデー・ロープライス=毎日安売り」の略称で、米国流の販売手法。チラシをなくし、公告宣伝費を抑えることで、常時割安な単価での提供を実現する。
国内では西友がいち早くEDLPの手法を採用していたが、他店やネット通販との競争が厳しくなり、期待したほどには消費者に浸透しなかった。
バローのEDLP チラシを廃止するとともに、同社が強みとする果物の箱売りや鮮魚の対面販売と組み合わせ、生鮮品の売上高比率を高める戦略で消費者への浸透を目指す。コロナ禍で自宅で食事をとる機会が増えたことも追い風となり、売上が前年同期比6割増となった店舗もあるが、コンビニやドラッグストアとの競争が激化し、利益率を高めることが課題となっている。
他スーパーの
チラシ動向
今回の緊急事態宣言下では、一斉自粛した昨年4月と異なり、チラシ配布を続けている店舗が多いが、来店客が多い数店舗でチラシの配布回数を減らしたスーパーもある。感染対策と集客のバランスを見極める方針。

 バローは岐阜県をはじめとする東海地方を中心に、甲信越、北陸、近畿に店舗を展開しており、その戦略の行方に地元の関心が集まりそうです。


2.カゴメ 限定商品に紙ストロー採用

 カゴメは2月8日、「野菜生活 100 信州白桃ミックス」で紙ストローを採用したと発表しました。同社サイトの公式発表や同日付の日本経済新聞の記事によると、

内容 季節限定、オンライン販売限定、数量限定の「野菜生活 100 信州白桃ミックス」で紙ストローを採用。2月8日販売開始。同社が飲料製品に紙ストローを採用するのは今回が初めて。紙ストローにはFSC森林認証紙を使用。
狙い 石油由来プラスチックの使用量削減で環境負荷低減に貢献するとともに、環境への関心が高い消費者を取り込む。同社のプラスチック方針では、2030年までに、石油から新たに作られるプラスチックの使用量をゼロにすることが目標。
他社の動向 明治2月から約80商品で紙パックなどに付属するストローをバイオマスプラスチックを配合したものに切り替え。
キッコーマンは既に2020年9月に豆乳飲料2製品で紙ストローを採用。

 外食産業で先行した「脱プラストロー」の動きが飲料メーカーにも広がりそうだと日本経済新聞の記事では先行きを分析しています。
 


※文中敬称略
※文章は2021年2月8日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。