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華陽ニュース

紙の市況(2021.7)詳細 7月10日更新分

【洋紙 国内の紙の市況/状況】

1.7~9月産業天気図 「紙・パルプ」は小雨

 7月5日付の日本経済新聞紙上にて、同社が主要30業種の2021年7~9月期の業況を天気図としてまとめた、7~9月産業景気予測が掲載されました。

紙・パルプ 4~6月の実績「雨」から「小雨」に改善するとの予測。東京五輪・パラリンピックの開催でイベントちらし等の需要が増えるとの分析から。
 ただ、デジタル化進展で印刷用紙の本格回復は期待できず、各社、段ボールや家庭紙、紙容器等に注力と予測。
広告 4~6月期実績「曇り」から「薄日」に改善と予測。スポット型テレビCMの復調、ネット広告の好調が寄与と分析。ワクチン接種の進展でイベント再開に期待。
全体 ・東京都などの緊急事態宣言の解除
・ワクチン接種の拡大
等で「雨」業種が4~6月実績の11業種から6業種に減るなど、全体として回復傾向と予測。
・東京五輪・パラリンピックの開催
・脱炭素に対応するための需要創出
・海外でワクチン接種拡大による人の移動の回復
等が好要因とみる。
一方で、変異ウイルスなどの影響で感染が再拡大し、再度緊急事態宣言が発令されることになれば、予測は一変すると、慎重な見方も示している。

 半導体不足の影響や巣ごもり消費の定着など、予測に影響を与える要因はほかにもあり、不透明な部分が依然として多いと記事では指摘されています。


2.日経42種 「紙・板紙」は横ばい

 企業間取引価格を基に1970年を100として指数化した日経商品指数42種の6月末値が、7月1日付の日本経済新聞紙上に掲載されました。42種全体の数字は前年同月比23.2%上昇、海外市場で高値をつける非鉄や石油、鋼材などの影響により6か月連続で前年実績を上回り、リーマン・ショック前の水準を超えたと報じられています。
 紙・板紙は4月末値の上昇より3か月横ばいが続いていますが、前年同月比では2.7%の上昇となり、価格を維持しています。


3.王子・日本 ESG投資指数構成銘柄に選定

 王子ホールディングスと日本製紙は7月2日、自社が代表的なESG投資指数の構成銘柄に選定されたと発表しました。両社がともに選出されている「FTSE Blossom Japan Index」は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が採用するESG投資指数のひとつで、王子HDは同社のESGへの取り組みが評価されたと選定の理由を分析しています。
 両社が所属する日本製紙連合会は製紙産業を資源循環型産業と位置づけており、低炭素社会や自然共生社会の実現などを方針とする環境行動計画を制定し、持続可能な社会の構築に貢献していくとしています。


【その他の市況/状況】

1.ENEOSのC重油の値上げが決着

 6月30日付の日本経済新聞紙上にて、ENEOSが大口需要家と交渉していた4~6月期の産業用C重油の値上げが決着したと報じられています。原油価格の上昇を反映したもので、製紙各社がボイラー燃料用として使う高硫黄C重油に関しては前四半期比19%の上昇で決着したと記事では伝えられています。


2.パルプ価格が下落

 7月3日付の日本経済新聞紙上にて、北米産パルプの6月積みの日本向け輸出価格が前月比2.9%下落したと報じられています。上海市場でパルプ先物価格が急落したことが影響したもので、

・中国政府が産業用素材の価格高騰を警戒。鉄鉱石や銅などで取引規制が強化されたのに続き、パルプも価格監視対象になるとの見方から上海先物価格が下落。
・パルプの高騰で中国の一部家庭紙メーカーが減産等の処置をとるなど、実需が鈍化。

といったことが背景にあると記事では伝えられています。
 ただ北米パルプメーカーは現在定期修理シーズンに入り生産が抑えられることなどから、需給が過剰に緩むとは考えにくく、両者のせめぎあいが対日価格にどう影響を与えるか注視するといった声も記事には掲載されています。


【印刷・製品関連】

1.日本生命 クリアファイルを紙製に

 日本生命保険相互会社は6月30日、顧客への提案書を入れるなどの用途に使用しているクリアファイルをプラスチック製から紙製へ切り替えると発表しました。同社サイトに掲載された発表によると、

内容 「プラスチッククリアファイルゼロ」目標を設定。クリアファイルの使用量を削減し、新規購入するクリアファイルを紙製に順次切り替えて、2024年度以降に新規購入するクリアファイルは、すべて紙製にすることを目指す。
背景 同社は環境省が主催するPlastics Smart運動に賛同。プラスチックのリデュース・リユース・リサイクルを進める一環として「プラスチッククリアファイルゼロ」目標を設定。

 同社はほかにも「海ごみゼロウィーク」の清掃イベント参加やエコバッグ・マイボトルの持参など「ニッセイPlastics Smart運動」を展開しており、あらゆる企業活動を通じて安心・安全で持続可能な社会の実現に貢献していくと表明しています。


※文中敬称略
※文章は2021年7月7日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。