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華陽ニュース

ニューノーマル関連情報2021.10

 外出自粛や巣ごもり需要、衛生意識の高まりなど、新型コロナウイルスが変えた私たちの暮らしはコロナ禍が収束しても完全に元に戻ることはないのではないかとの可能性が指摘されています。一方、世界の環境や人権に対する関心は日に日に高まりを見せており、毎日のニュースでSDGsやESG、脱炭素、エシカル消費といったキーワードを目にしない日はないほどとなっています。
 そういった、紙にも関連があるけれど紙だけにはとどまらない日々の動きを少しでもお伝えできればと、この欄を作成致しました。皆様の営業活動のお役に立てれば幸いです。

2021年8月に報道された、ESG・脱炭素他に関連する動き

 世界各国が脱炭素に取り組む動機である気候変動に関して、8月9日に新たな予測が公表されました。

国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が、世界の気温上昇に関して新たな予測を公表。2021~40年に世界の気温が産業革命前から1.5度上昇するとし、2018年の想定より10年程度早くなるとの見通しを示している。
 温暖化に対する人間活動の関与についても「影響は疑う余地がない」と強い表現で記している。

 熱波や山火事、水害など、既に異常気象による影響が出始めており、脱炭素を進める施策が8月も各所から発表されています。

【政府・官公庁他】

政府 従来の国内総生産(GDP)に温暖化ガスの排出削減の進捗度合いを組み合わせた「グリーンGDP」をつくる計画。経済成長や景気の面からも温暖化ガス削減の効果を確認できるようにとの狙い。
2022年度から、地方の自治体や企業の脱炭素を支援するための専門家派遣を開始する方針。「脱炭素先行地域」を全国100か所に指定してこちらに専門家を派遣することで、再生エネや省エネを地域経済の活性化につなげる狙い。
経済産業省・環境省 8月4日、2030年度に温暖化ガスの排出量を13年度比で46%削減するという政府目標の実現のための、地球温暖化対策計画の修正案を公表。部門別の削減目標を従来より拡大し、輸送部門ではトラック輸送の効率化や次世代自動車導入支援など、具体的な内訳も有識者会議に示した。
消費者庁・経済産業省・環境省 8月20日、衣料品やファッション業界で脱炭素を進める会議の初会合を開催。衣料品の製造・流通・消費・リサイクルの各段階で省資源・省エネルギーを達成するための新たな指針をつくることを確認。
金融庁・環境省 金融機関が投融資先事業の排出量を簡易に測定できるモデルづくりに向け、参加を希望する金融機関の公募を開始。中小企業でも排出量を算出できるモデルにする考え。
経済産業省 2030年度の総発電量のうち、脱炭素電源を59%に高める、エネルギー基本計画の改定案をまとめ、10月までの閣議決定を目指す。
企業が二酸化炭素排出量を売買できる取引市場の、2022年度実証開始を目指すと公表。企業の自発的な参加を求めるが、削減が進まなければ規制の導入も視野に入れる。
脱炭素技術開発支援のための2兆円基金の中から、燃料アンモニアの導入事業に最大688億円、水素を活用する製鉄事業に1,935億円を配分する方針を決定。
北海道と本州を結ぶ直流の送電線を海底ケーブルで整備する計画。九州から関西圏への海底送電も視野。太陽光や風力に適した北海道や九州で発電した再生エネ由来電力を首都圏や関西圏に送る狙い。
環境省 電力消費に伴う温暖化ガス排出実質ゼロを目指す自治体を支援するため、事業費の最大75%を補助する交付金を設ける計画。
民間の再生可能エネルギー事業に出資する官製ファンドをつくる計画。
国土交通省 戸建てやマンションの改修工事で、断熱材などを活用し省エネルギーにつながるものに、費用の一部を支援する交付金をつくる計画。一般家庭の省エネを加速することで住宅・建築物分野での脱炭素化を進める狙い。
農林水産省 有機農業への転換に補助金を出す新制度の創設を計画。化学肥料の使用による二酸化炭素や一酸化二窒素の排出を抑制し、農業の脱炭素化を図る。
国際協力銀行 石炭火力発電に対する事業融資を2040年度にゼロにする目標を公表。

【学術界】

海洋開発機構、豊橋技術科学大学、自然科学研究機構生理学研究所 石油と同等の燃料を合成できる植物プランクトンを北極海で発見。バイオ燃料の実用化に向け期待がかかるが、生産量に課題。

【産業】

電力
丸紅 太陽光パネルの中古品流通を事業化する計画。災害や新品への交換時に出る、まだ発電機能がある中古品パネルを再利用する市場を構築することで、資源の有効活用や不法投棄防止を図る。
住友商事 オーストラリアに保有する発電用石炭の鉱山権益を売却する方針。2030年には一般炭鉱山の持ち分生産量ゼロを目指す。
JERA インドネシアの石炭火力発電事業会社の株式を売却。資産を整理し脱炭素化を図る。
化学・燃料
伊藤忠商事 カナダで燃料用アンモニアの商用生産を開始する計画。現地でのアンモニア工場の新設に2023年着工する予定。
レストランや家庭から出るごみや、廃棄された木材など、都市ごみから水素や再生燃料を製造する米スタートアップに出資。
IHI、三菱造船など スコットランド沖に洋上水素生成プラントを建設する計画。2030年度の商用化を目指す。
三菱商事、千代田化工など ブルネイで水素を調達し液化、タンカーによる大量輸送でENEOSに供給する計画。安定した状態で水素を運ぶ技術の商用化を目指す。
中外炉工業 アンモニアを燃料とする工業炉を開発、2026年度の実用化を目指す。鉄鋼や半導体など様々な製造過程での二酸化炭素排出削減を狙う。
三菱重工、日本IBM 企業が回収した二酸化炭素の取引市場を整備する計画。回収した二酸化炭素を化学品原料などとして取引しやすくし、脱炭素につなげる狙い。
東芝など計6社 二酸化炭素を再利用する航空用燃料の製造に向け、9月から実証事業を開始。2025年3月までに実用化レベルの試験機製作・運転を目指す。
輸送
商船三井 LNGを燃料とする自動車船4隻の新造計画を発表。重油燃料船から切り替えることで二酸化炭素の排出量を25~30%程度削減できる想定。
DHL 日本の配送車両の6割を電気自動車に切り替える方針。電動バイクも導入し、配送時の温暖化ガス排出削減を図る。
建物・不動産
大成建設 既存のビルや工場で、窓ガラスの断熱材の工夫や工場の屋根に太陽光パネルを設置するなどして、エネルギー消費量の実質ゼロを目指す事業を始める。第1弾として自社保有のビルなど3施設で始め、他社保有物件での受注を目指す。
旭化成ホームズ 2025年までに事業活動で消費する全電力を再生可能エネルギーに切り替えることを発表。従来計画より13年前倒し。
ヒューリック 2030年までに国内で保有する約300の施設の使用電力を全て再生可能エネルギーに切り替えると発表。当初目標より20年前倒し。
金融
三菱UFJ銀行 2050年までの温暖化ガス実質排出ゼロを目指す銀行の国際的連盟に加盟。運営委員会に邦銀で唯一選出され、脱炭素を実現するための戦略や排出量算定基準づくりなどに参画。
三井住友海上、あいおいニッセイ 自然災害や事故で破損した建物を修復する際に、温暖化ガスの排出削減につながる設備を導入する費用を火災保険で補償するサービスを開始する。
みずほFG 世界銀行グループが管理する温暖化ガス排出枠を企業が購入できる仕組みを構築。将来的には日本企業が排出枠の売り手になることも想定。
その他
伊藤忠商事 蓄電池や太陽光パネルなどを家庭や法人向けにサブスクで提供する事業を開始。
電力シェアリング 移動中の二酸化炭素の排出を実質ゼロにした旅行ツアーを企画。2022年3月までに全国約10地域で実施の計画。
ハウス食品 レトルトカレー商品の容器を刷新。電子レンジ調理が可能になり、湯煎で温める場合と比べ二酸化炭素排出量が約8割削減できる点をアピール。
支援サービス
PwC 税務のESG対応を助言する専門チームを設立。顧客企業に、税務情報の開示支援や、炭素税や排出量取引への対応策を提言。
スマートエナジー 企業の二酸化炭素排出量を算出するサービスを開始。二酸化炭素削減に向けたコンサルティングサービスも提供する。
デロイトトーマツ 気候変動が銀行の経営に与える影響を分析するサービスを開始。

※文中敬称略
※文章は2021年9月3日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。