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華陽ニュース

紙の市況(2021.11)詳細 11月10日更新分

【洋紙 国内の紙の市況/状況】

1.日本製紙 値上げを発表

 日本製紙は11月4日、価格修正の実施を発表しました。

対象品種 印刷用紙、情報用紙、産業用紙
値上げ幅 15%以上
実施時期 2022年1月1日出荷分より
理由 ・国内需要の低迷
・原燃料価格の高騰
・物流費・人件費の上昇
・地球温暖化対策の費用負担

 同社は生産体制の見直しやコストダウンを行ったものの自助努力のみで再生産可能な収益確保は難しいとして、価格修正に理解を求めています。

【追記】11月9日に大王製紙、三菱製紙が価格修正を発表しています。


2.トモエリバー関連製品 巴川製紙所から三善製紙へ移管

 巴川製紙所は10月28日、「トモエリバー」関連製品の製造・販売を終了し、製品販売契約などを三善製紙に譲渡すると発表しました。同社サイトや中越パルプ工業(三善製紙の親会社)サイトの発表によると、

対象製品 「トモエリバー」関連製品(薄葉印刷用紙トモエリバーマット及び手帳用紙トモエリバー手帳)
譲渡対象 ・「超軽量印刷用紙」に関する営業権
・「トモエリバー」に関する商標権
・「超軽量印刷用紙」に関する棚卸資産の一部
譲渡予定日 2021年11月28日予定

 巴川製紙所は洋紙事業の構造改革の一環、中越パルプ工業は三善製紙の営業基盤の強化と、今回の移管の理由を説明しています。


3.王子・日本 第2四半期決算を発表

 王子ホールディングスは11月2日、日本製紙は11月5日、2022年3月期第2四半期(2021年4月1日~2021年9月30日)の連結決算を発表しました。公式サイトに掲載された決算短信によると、

 両社とも前年同期間を大きく上回る増収増益となっており、王子HDの純利益は同期間で過去最高となったと11月3日付の日本経済新聞紙上で報じられています。
 好調の背景について両社は、

王子HD ・コロナ禍で停滞した経済活動の緩やかな回復
・パルプ販売価格の上昇
・国内外とも段ボール原紙、段ボールの需要が堅調(国内からの段ボール原紙の輸出は減少)
・商業印刷用紙(カタログ・ポスター・チラシ等)、情報用紙で前年の大幅な減少からの反動増
・グループ全体でのコストダウン
日本製紙 ・印刷用紙で前第1四半期に需要が大きく落ち込んだ反動増
・板紙で工業製品向けが需要回復、加工食品向け・通販向けなどが堅調
・前第2四半期累計期間に一過性の費用を計上

 2022年3月期通期に関しては、原燃料価格の高騰や新型コロナウイルスの感染状況が不透明などとして王子HDは従来予想を据え置き、日本製紙は営業利益が110億円減少、経常利益が50億円減少の下方修正した業績予想を発表しています。


【板紙 国内の紙の市況/状況】

1.レンゴー 第2半期決算発表

 レンゴーは11月2日、2022年3月期第2四半期(2021年4月1日~2021年9月30日)決算を発表しました。公式サイトに掲載された決算短信によると、

 前年同四半期比増収増益の結果について、同社は、

・コロナ禍による厳しい状況から、設備投資、鉱工業生産、企業収益などで持ち直しの動き
・段ボールでは工業製品、電気・機械器具向けが堅調、食品、通販・宅配向けなどが好調
・紙器では、業務用食品、オフィス関連需要は減少も、個人向け食品・薬品などが伸長
・軟包装は食品関係を中心に堅調、重包装は石油化学関連が需要回復

等の影響を受けたと説明しています。 


【その他の市況/状況】

1.ボイラー用C重油 ENEOSが値上げ提示

 10月28日付の日本経済新聞紙上にて、ENEOSがC重油の10~12月価格を値上げで提示したと報じられています。製紙会社がボイラー用燃料として使う高硫黄C重油に関しては前期比9.9%の値上げが表明されており、決着すれば6四半期連続の値上げになると記事では伝えられています。


【印刷・製品関連】

1.「鳩サブレー」のパッケージが紙に

 日本製紙は10月29日、鎌倉銘菓「鳩サブレー」の紙パッケージ等を豊島屋と共同で開発したと発表しました。両社の公式サイトの発表によると、

概要 「鳩サブレー」を製造・販売する株式会社豊島屋と日本製紙が協力し、鳩サブレーのパッケージを紙化する包材を開発。新パッケージは10月から順次採用。
変更 ・袋入り鳩サブレーでは、袋のプラスチック素材を日本製紙「白銀F」を使用したものに変更。
・箱や缶に入った鳩サブレーでは、中敷きトレーを日本製紙のバガス素材のパルプモールドに変更。
・外箱や緩衝材も紙素材を使用。
袋、緩衝材、仕切りトレーをすべて紙素材にすることで、使い捨てプラスチック使用量を年間約100トン削減できると想定。

 豊島屋は「すべての人が笑顔になるために・・・」との理念のもと、環境や社会に配慮する取り組みにも注力しており、使い捨てプラスチック使用量の削減のため環境配慮型素材を用いた紙パッケージを開発したと、パッケージ変更の理由を説明しています。


※文中敬称略
※文章は2021年11月8日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。