【紙のソムリエ】番外編シート先輩とコマキさんの紙に関する四方山話２４　カードの紙

2021.11.10

「いつの間にか１１月だね。今年もあと２か月か・・・」
「あっという間でしたね。」
「まあ、１１、１２の２か月の方が、何かとバタバタしてあっという間って感じになっちゃうんだけど。コマキさんは年末年始、何か予定はあるの？」
「特にありませんけど、年末にクリスマスカードを送ってみようかなと思っています。なかなか会いにくい友達とか・・・」
「ああ、そういう、手で触れるものって、メールとは違った嬉しさがあるかもね。手作り？」
「考え中です。市販のものでも可愛いものはたくさんありますし。そう言えば、先輩、カードに使われている紙って、どういう品種なのですか？」

「カードと言われて最初に思いつくのはポスト紙か高板だけど、ほかにもいろいろあるよ。挙げてみると、

ポスト紙	高い光沢や白色度、平滑性、印刷適性を追求した塗工紙の厚物。艶や白色度の違いで、スーパーポスト、アートポスト、マットポストなどの品種に分かれている。絵葉書や各種カード等の印刷物に用いられる。
高級板紙（高板）	白色度や光沢、作業適性など、印刷適性が高い、両面塗工の板紙。原料として用いられているパルプの違いで、アイボリーとカードに分かれている。分類は「紙器用板紙」の一種だが、印刷適性の高さから、カタログや美術書、書籍表紙、各種カードなどに用いられることが多い。
ケント紙	はがき用紙の原紙として用いられる、非塗工印刷用紙。プリンターとの相性が良い銘柄もあり、それを選べば家庭等での加工でも扱いやすい。
画紙・色画紙	保育所・幼稚園や小学校などでお絵描きや工作等に用いられることが多い非塗工紙。

「ポスト紙や高板は基本、印刷用紙だから、家庭用のプリンターとかだと扱いにくいと思う。手作りでプリンターを使って印刷するならケント紙なんかの対応銘柄がおすすめだけど、工作なら画紙でもファンシーペーパーでも、アイデア次第だと思うよ。ケント紙や画紙なんかの非塗工紙だと、ペンで手書きしてもにじみにくいっていう利点もあるしね。」
「和紙カードも味がありますし、クラフトボードとトレーシングとか、エンボス紙と色上質とか、組み合わせでも楽しめそうですね。」

「コマキさんって、紙が本当に好きなんだね。」
「紙の手触りとか質感とか香りは、電子メディアでは代替できない特性だと思います。伝えたい内容は同じでも、紙の、モノとしての力を借りると、伝わり方が違うような気がするというか・・・」
「確かにね。謝るにしても、メールで送るより、紙に手書きした方が伝わる気がするよね。」
「・・・謝るときは口頭で伝えるのが一番だと思います・・・・・・」