紙の市況（2022.6）詳細　6月20日更新分

2022.06.20

【紙に関する市況／状況】

1.三菱製紙・丸住製紙・北越コーポ　値上げ発表

　６月９日の日本製紙に続き、６月１０日に三菱製紙、６月１４日に丸住製紙、６月１７日に北越コーポレーションが価格改定を発表しました。

【三菱製紙】
対象	印刷用紙全般（上質紙、塗工紙、微塗工紙　他）情報用紙全般（ノーカーボン紙、感熱紙、ＰＰＣ用紙、フォーム用紙　他）白板紙全般（高級板紙、特殊板紙　他）
改定幅	現行価格＋１５％以上
改定時期	２０２２年７月２１日出荷分より

【丸住製紙】
対象	印刷用紙全般（中下級紙、上質紙、微塗工紙、塗工紙）情報用紙全般（ＰＰＣ用紙）
改定幅	現行価格＋１５％以上
改定時期	２０２２年８月１日出荷分より

【北越コーポレーション】
対象	印刷・情報用紙
改定幅	現行価格＋１５％以上
改定時期	２０２２年８月１日出荷分より

　三菱製紙は印刷・情報用紙に加え白板紙も価格改定の対象としていますが、原燃料価格の高騰や円安は先行きがなお不透明で、他のメーカー、品種でもその影響を懸念する声が聞かれています。

【その他の市況／状況】

1.大王製紙　使用済み紙おむつのリサイクルを検討

　大王製紙は６月１４日、株式会社リブドゥコーポレーションと、使用済み紙おむつのリサイクルのための共同研究に取り組むことで合意したと発表しました。公式サイトの発表によると、

目指す姿	病院・施設や家庭から使用済み紙おむつを回収。パルプ、ポリマー、プラスチックを分離・回収して、紙おむつの部材として再利用し、再度紙おむつに製品化することを目指す。紙おむつから構成部材を取り出すためには、トータルケア・システム株式会社が持つ技術の提供を受ける。
背景	近年の高齢化、要介護者の増加により国内の紙おむつ生産・消費量が増加。現在、使用済み紙おむつの大部分が焼却処分されているが、水分を多く含んでいるため焼却処分は難しく、二酸化炭素の排出も課題となっている。
株式会社リブドゥコーポレーション	１９６５年設立。大人用紙おむつ、介護用品、医療用不織布製品などの製造・販売を事業内容としている。
トータルケア・システム株式会社	２００５年より福岡県にて紙おむつリサイクル事業を開始。紙おむつリサイクルシステムを国内で初めて構築し、現在では年間５，０００トン以上の使用済み紙おむつをリサイクルしている。使用済み紙おむつを焼却処分せずリサイクルすることで二酸化炭素排出量を約４０％削減できることを実証。

　同社はこの研究により、年間６，０００トンの使用済み紙おむつの再生利用と、年間約１，９４０トンの二酸化炭素排出量の削減を目指すとしています。

【印刷・製品関連】

1．スターバックス　冷たい飲料の蓋なし提供を全国へ拡大

　スターバックスコーヒージャパンは６月９日、冷たい飲料の蓋なし提供を６月１３日より全国の店舗に拡大すると発表しました。公式サイトの発表によると、

内容	冷たい飲料で、従来は付けていたプラスチック製の蓋を付けずに提供する取り組み。２０２２年４月より東京、神奈川、大阪などの計１１３店舗で先行導入し、多くのお客様にご賛同頂けたとして、６月１３日より全国約１，７００店舗に取り組みを拡大する。
動機	同社がグローバル、及び日本で掲げる、２０３０年までに廃棄物を５０％削減するという目標を達成するための取り組みの一環。同社はこの蓋なし提供で、年間約１００トンのプラスチック削減効果を見込んでいる。

　同社はこれまでにも紙ストローの導入、一部製品の紙カップやストロー不要の蓋への切り替え、店内利用時のマグ・グラス提供の推奨、マイタンブラー利用促進など様々な取り組みを積み重ねており、今後も地球にとってポジティブなアクションにつながる取り組みを提案し続け、お客様とともに環境負荷低減の取り組みを進めていくとしています。

※文中敬称略
※文章は２０２２年６月１７日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。