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華陽ニュース

紙の市況(2022.7)詳細 7月10日更新分

【紙に関する市況/状況】

1.日経42種 「紙・板紙」前月比横ばい

 7月1日付の日本経済新聞紙上にて、景気動向に敏感な素材や燃料などの企業間取引価格を基に1970年を100として指数化した日経商品指数42種の6月末値が発表されました。全体の指数は12か月連続で上昇、原油の価格上昇が国内石油製品相場に反映されたとこ、鋼材や化学で価格転嫁が進んだこと、円安が進行したことが指数を押し上げた要因であると記事では指摘しています。
 「紙・板紙」の指数は4か月ぶりに前月比横ばいとなりましたが前年同月比では17.5%の上昇。各社の印刷・情報用紙などでの追加値上げが発表となっており、今後の値動きに一層の注目が集まりそうです。


【板紙・パッケージに関する市況/状況】

1.レンゴー 「ビスコパール」新プラントが本格稼働

 レンゴーは6月30日、「ビスコパール」増産のための新プラントが7月中に本格稼働すると発表しました。公式サイトの発表によると、

ビスコパール レンゴーが開発・製造する、木材由来のパルプを原料としたマイクロサイズの球状セルロース微粒子。海水や土壌で生分解可能で、樹脂やインキの添加剤、研磨剤などに使用され、海洋プラスチックごみ問題の一因とされているマイクロプラスチックビーズの代替品としての需要が期待されている。
新プラント 福井県あわら市の同社金津工場敷地内に新設。年産能力120トン。欧米でマイクロプラスチックビーズの法規制が進む化粧品分野で、「ビスコパール」への転換需要が見込まれることから、増産体制を整備。

 現在新プラントでは本格稼働に向けた試験運転を行っており、新たな製造技術による品質向上の実現を目指していると同社は発表しています。

※「ビスコパール」はレンゴー株式会社の登録商標です。


2.レンゴー 発電用バイオマスボイラーを新設

 レンゴーは7月1日、同社利根川事業所に発電用バイオマスボイラーを新設すると発表しました。公式サイトの発表によると、

新設場所 茨城県坂東市 利根川事業所敷地内
燃料 建設廃材由来の木質チップ、RPF、廃タイヤなどを主な燃料とするバイオマスボイラー
稼働時期 2022年10月稼働予定
目的 二酸化炭素排出削減に向けた施策の一環として

 利根川事業所では現在、ボイラーの燃料としてLNGを使用していますが、このバイオマスボイラーの稼働により年間約9万トンの二酸化炭素排出削減が上積みされる見込みとのことで、同社は今後も二酸化炭素排出量の多い製紙工場を中心に燃料転換を進めていくと表明しています。


【その他の市況/状況】

1.家庭紙6月店頭価格が上昇

 7月9日付の日本経済新聞紙上にて、再生紙製のトイレットペーパーとティッシュペーパーの6月の店頭価格が前月比上昇したと報じられています。東京紙商家庭紙同業会の調べによるもので、再生紙製のトイレットペーパーと大手メーカー製のティッシュペーパーの下値が前月比10円上昇となったとのこと。
 製紙各社の値上げが浸透してきたとの家庭紙卸の声が記事では伝えられていますが、7月8日付の日本経済新聞紙上では、その再生紙製トイレットペーパーを製造販売する静岡県の中堅製紙会社、丸富製紙、イデシギョー、コアレックス信栄の3社が8~9月以降出荷分からのトイレットペーパーの再値上げの方針を固めたと報じられており、店頭価格がさらに上昇する可能性があると記事では指摘しています。


2.高硫黄C重油が14年ぶりの最高値で決着

 6月29日付の日本経済新聞紙上にて、ENEOSが4~6月期の高硫黄C重油の大口需要家との交渉を、1~3月期比39%高い価格で決着したと報じられています。高硫黄C重油は製紙会社などの産業用ボイラーの燃料として使われるもので、原油価格の上昇や円安進行を反映し約14年ぶりに最高値を更新したと記事では伝えられています。


3.カセイソーダの再値上げ相次ぐ

 7月9日付の日本経済新聞紙上にて、カセイソーダを製造するメーカーの再値上げ表明が相次いでいると報じられています。トクヤマ・昭和電工に続き、東ソーや信越化学も7~8月出荷分より2~3割程度の値上げを表明したとのことで、製紙各社にとってさらなるコスト増要因となることが懸念されます。


【印刷・製品関連】

1.大日本印刷と読売新聞東京本社が、文字・活字文化の醸成に向けた施策推進で提携

 大日本印刷は6月30日、株式会社読売新聞東京本社と、文字・活字文化の情勢に向けた包括的は業務提携契約を結び協業することで合意したと発表しました。公式サイトの発表によると、

狙い コアな文字・活字ファンだけでなく、若年層などに対しても、改めて読書の魅力や楽しさに触れるきっかけを提供し、継続的に読書を楽しんでもらうことを目指す。
今後の取り組み 最初の取り組みとして、DNPグループが運営するハイブリッド型総合書店サイト「honto」において、読書のきっかけとなるような読売新聞の記事などを配信し、生活者に新たな出会いの場を提供する。

 その他にも、読売新聞で読者の反響が大きかった連載記事を定期的に電子書籍化したり、小学生を対象とした書評ゲーム「ビブリオバトル」のワークショップを7月31日にDNPグループのMARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店で初開催するなどのイベントが計画されており、良質な文字・活字コンテンツの価値の拡大や、読書をより身近に感じる体験の提供、生活者の読書機会の拡大などに両社で取り組んでいくと表明しています。


※文中敬称略
※文章は2022年7月9日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。