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華陽ニュース

紙の市況(2022.11)詳細 11月10日更新分

【紙に関する市況/状況】

1.リンテック、北越コーポ、特種東海製紙が値上げ発表

 リンテック、北越コーポレーション、特種東海製紙が値上げを発表し、大手製紙メーカーの今冬の値上げ発表は6社となりました。今冬の値上げについてまとめると、

メーカー 対象 改定幅 改定時期
王子製紙 印刷用紙全般
情報用紙全般
現行価格+15%以上 2022年12月1日出荷分より
三菱製紙 印刷用紙全般
情報用紙全般
白板紙全般
現行価格+15%以上
(輸送調整金制度含めて)
特種東海製紙 情報用紙全般
(圧着ハガキ用紙、
MICR用紙、
通帳用紙 等)
現行価格+15%以上 2023年1月出荷分より
リンテック 特殊紙全般 2023年1月1日出荷分より
北越コーポ
レーション
印刷・情報用紙 2023年1月21日出荷分より
大王製紙 印刷用紙全般
情報用紙全般
2023年1月23日出荷分より

 原燃料価格の高騰や円安進行など、値上げの要因とされている事象はまだ落ち着きをみせず、今後の展開に注視が必要です。


2.日経42種 「紙・板紙」の上昇が42種全体にも影響

 11月1日付の日本経済新聞紙上にて、日経商品指数42種の10月末値が2か月ぶりに前月比を上回ったと報じられています。日経商品指数42種は素材や燃料など景気動向に敏感に反応する企業間取引価格を1970年を100として指数化したもので、9月末値は前月末比0.7%下落となっていましたが、10月末値は再び前月末比0.6高と上昇に転じたとのこと。但し、前年同月末比では10月末値は12.8%の上昇で、15.3%の上昇だった9月末値と比べると上昇幅は縮小したと報じられています。
 「紙・板紙」は前月末比3.6%の上昇と、他の業種よりも高い伸びとなっており、段ボール原紙の値上げ受け入れなどが取引価格を引き上げ、全体の指数の上昇を牽引することにもなったと記事では伝えられています。


3.「第2回サステナブル マテリアル展」が開催

 植物由来やCNFなど持続可能な素材を供給するメーカーと、部品材料や包装材料として持続可能な素材を求めるユーザーが一堂に会し、その場で技術相談や製品比較などの商談を行える場を設けることができる「第2回サステナブル マテリアル展」が「高機能素材Week2022」内で開催されます。

開催日時 2022年12月7~9日 7、8日は10:00~18:00 9日は10:00~17:00
場所 幕張メッセ 1・2ホール
入場 招待券が必要。詳細はサステナブルマテリアル展公式サイトより要確認。

 王子HD、日本製紙、大王製紙などが出展を予定しており、王子ホールディングスは「SILBIOシリーズ」などを展示するとして来場を呼び掛けています。


4.王子 印刷サンプル配布を再開

 王子ホールディングスは10月27日、今年8月にて閉館となったOJIPAPER LIBRARYのサンプル配布機能を1号館1階に移し、サンプル配布を再開したと発表しました。開館時間内であれば自由に立ち寄れ、ファンシーペーパーや印刷用紙、ユポの印刷サンプルを持ち帰れるとのことで、同社は気軽な利用を呼び掛けています。


5.大王 3回目の寄付実行

 大王製紙は10月27日、「New OAペーパー type H 新型コロナウイルス助け合いの輪+(プラス)」の2022年4月1日~2022年9月30日の同社の売上金額の2%を日本ユニセフ協会「新型コロナウイルス緊急募金」に寄付したと発表しました。「New OAペーパー type H 新型コロナウイルス助け合いの輪+(プラス)」の2021年2月の発売以来3回目の寄付で、寄付総額は920万円余りになるとのこと。同製品は新型コロナウイルス感染症対策の支援活動として販売されており、同社は製品コンセプトに賛同し購入下さったお客様に心より御礼申し上げますと表明しています。


【板紙・パッケージに関する市況/状況】

1.レンゴー 第2四半期決算発表

 レンゴーは11月2日、2023年3月期第2四半期決算を発表しました。同社サイトに掲載された決算短信によると、

と前期同第2四半期比増収減益の結果となっています。
 国内の食品や通販・宅配関連が堅調で、段ボールや個人向け加工食品用紙器、食品関連軟包装などの生産量が前年を上回り、また価格改定の効果があったものの、資源高や円安進行などでコスト上昇の吸収が困難な状況となっており、再生産可能な価格体系に向けての取り組みを引き続き推進すると同社は表明しています。
 


2.日本製紙 富士工場のリサイクル設備が稼働

 日本製紙は10月28日、同社富士工場内の紙コップや紙パック等の食品・飲料用紙容器リサイクル設備の稼働を、同日、開始すると発表しました。使用済み紙容器は技術的・衛生的観点からリサイクルに不適とされ大半が一般ごみとして焼却されていますが、リサイクルを望むニーズは多く、同社は2021年9月から本設備の導入に取り組んできたとのこと。従来は段ボール原紙の原料用での取り組みでしたが、新設備の稼働により、高品質・高白色のパルプを生産することが可能となるため、今後も様々なパートナーと協働して消費者への告知、啓発、回収などを推進しながら、幅広い分野の製紙原料としての利用を目指すと同社は表明しています。


【その他の市況/状況】

1.大王 日本最大級のソフトパックティシュー加工機を稼働

 大王製紙は11月1日、同社グループのエリエールペーパー株式会社がソフトパックティシューの加工機を新たに稼働すると発表しました。公式サイトの発表によると、

加工機設置場所 静岡県富士宮市 エリエールペーパー株式会社内
生産品種 ソフトパックティシュー
生産能力 月産約1,000トン
営業運転開始 2022年11月
製品特長 ソフトパックティシューはボックスティシューに比べ、持ち運びやすさ、使用後のごみ削減などから消費者に普及、ある調査ではティシューカテゴリーで20%のシェアを占めるほどに成長している。
同社の「i:na(イーナ) ソフトパックティシュー」は植物由来原料をパッケージフィルムの一部に採用、コンパクト化で、同社調べによると、ボックスティシュー比約34%の二酸化炭素排出量を削減できるとのこと。

 同社は新設備の稼働で環境に配慮したソフトパックティシューの生産を推進することにより、SDGsの目標12に引き続き貢献していくと表明しています。


【印刷・製品関連】

1.ソニー パッケージをプラから紙・竹素材へ

 11月8日付の日本経済新聞紙上にて、ソニーグループ傘下のソニーが商品の全包装材をプラスチックから紙や竹素材に変更する計画であると報じられています。記事や、同社公式サイトによると、

2023年度 スマートフォンなど小型商品の包装材でプラスチックを全廃。紙箱や、自社で開発した新素材に順次切り替え。
オリジナルブレンドマテリアル 2021年6月にソニーが開発を発表した新素材。産地を特定した竹、さとうきびの搾りかす、市場回収リサイクルペーパーを配合し、配合比を変えることで、様々な形状への適用を可能にする。着色はせず素材の風合いを生かす、エンボス加工でインクを使わず文字を入れるなどの一層の環境配慮も可能。

 記事によれば将来的にはテレビなど大型商品も含めて包材へのプラスチック使用を全廃する計画とのことで、国内電機大手でプラ包装の全廃を掲げるのはソニーが初めてであると記事では伝えています。


※文中敬称略
※文章は2022年11月8日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。