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華陽ニュース

紙の市況(2023.1)詳細 1月20日更新分

【紙に関する市況/状況】

1.大王製紙 ファインペーパーの値上げを発表

 大王製紙は1月10日、ファインペーパーの一部について再値上げすることを発表しました。

対象品種 ファインペーパーの一部
改定幅 一部製品を除き、現行価格+15%以上
改定時期 2023年3月1日出荷分より

 同社は2021年9月、2022年9月にファインペーパーを対象に値上げを実施していますが、原燃料や資材価格の高止まりや上昇は依然続いているとして、値上げに理解を求めています。


【板紙・パッケージに関する市況/状況】

1.北越パッケージ、液体紙容器を値上げ

 北越パッケージは1月6日、液体紙容器の値上げを発表しました。

対象品種 液体紙容器全品
改定幅 20%以上
改定時期 2023年4月1日から

 日本製紙が昨年11月24日に2023年4月1日納入分からの液体用紙容器全品の値上げを発表しており、これに追随する形となっています。 


2.2023年段ボール需要 前年比1%増の予測

 全国段ボール工業組合連合会は2022年12月14日、2023年の段ボール需要を前年比101.0%とする予測を発表しました。国内経済には回復基調が見込まれるものの、世界経済の悪化、資源・食料価格の高騰といったリスクから2023年度の実質GDP成長率を1%台前半とする予測などを考慮したとしています。
 部門別動向については、

部門 予測 要因
加工食品用 1.5%程度の伸び 行動制限の撤廃や外国人旅行者の増加等で、飲料や業務用加工食品が回復の見込み。
その他 0.5%程度の伸び 家庭紙、高齢者向け衛生用品、日用衛生品が堅調と予測。
青果物用 0.5%程度の伸び 前年の天候不順による落ち込みの反動増に期待。
電気器具・機械器具用 1%程度の伸び 世界経済の減速懸念がマイナス要因。半導体不足の収束などに期待。
薬品・洗剤・化粧品用 1%程度の伸び 外出機会の増加で化粧品需要の持ち直しに期待。インバウンド需要の増加を見込み。
通販・宅配・引越用 3%程度の伸び ネット通販需要が堅調との見込み。

とし、ウィズコロナへの移行による外出機会の増加やインバウンド需要の回復に期待を示しています。


3.レンゴー 今期も南極観測隊に段ボール提供

 レンゴーは1月13日、今期も第64次南極地域観測隊へ物資輸送用段ボールを提供したと発表しました。同観測隊は昨年11月11日に出航、同年12月24日、南極・昭和基地沖に到着し、レンゴーが提供した段ボールが現地で活躍しているとしています。
 物資の輸送、現地での貴重な収集物の保護輸送に役立ち、使用後は小さく折り畳め日本に持ち帰ってリサイクルされる段ボールの提供を通じ、今後も南極観測隊の活動を力強く支えていくと、同社は表明しています。


【その他の市況/状況】

1.北米産パルプ価格 12月積みも下落

 1月14日付の日本経済新聞紙上にて、北米産パルプの12月積み対日価格が下落したと報じられています。前月積み比で2%安で、11月積み比に続き2か月連続の下落とのこと。米国の建築需要が減少してカナダで建築端材由来の針葉樹チップの供給が減少しており、パルプ自体の供給も減少していますが、中国のパルプ需要は供給減少を上回って価格の下押し要因となっていると記事では伝えられています。


【印刷・製品関連】

1.クリーンウッド法 罰則強化の動き

 1月11日付の日本経済新聞紙上にて、農林水産省が木材の違法伐採対策規制を強化する方針であると報じられています。記事によると、

強化内容 「合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律」(通称「クリーンウッド法」)を改正し、法令順守の確認を怠った違反業者に対し、是正勧告や罰則を設ける方針。現行法案でも、木材の合法性を仕入先からの証明書で確認することや、現地調査や聞き取りが必要な場合もあると義務づけているが、罰則がないため実効性を疑問視する声があった。
今後の流れ 2023年の通常国会に改正法案を提出し2025年度から施行することを目指している。

 グローバルな違法伐採問題に取り組む製紙業界にとってもクリーンウッド法は関連がある法律のひとつであり、日本製紙連合会の会員企業など30社(2019年4月26日現在)がクリーンウッド法の登録実施機関に登録しています。


※文中敬称略
※文章は2023年1月18日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。