1. HOME
  2. KAYO NEWS
  3. 紙の市況(2023.4)詳細 4月10日更新分

KAYO NEWS

華陽ニュース

紙の市況(2023.4)詳細 4月10日更新分

【紙に関する市況/状況】

1.日経42種3月末値 「紙・パルプ」は横ばい

 4月1日付の日本経済新聞紙上にて、素材や燃料などの企業間取引価格を1970年を100として指数化した日経商品指数42種の3月末値が発表されました。42種全体の3月末値は2月末から0.009%上昇。3か月連続での最高値更新となりましたが、上昇率は緩やかとなっており、世界景気の減速懸念から非鉄などで海外相場下落の影響が出たためと、記事では指摘されています。
 「紙・パルプ」の3月末値は2月末値横ばいとなりましたが、前年同月比では27.4%上昇で、値上げの浸透で高い水準を続けています。


2.「四国中央市カーボンニュートラル実現に向けたロードマップ」が公表

 大王製紙、愛媛製紙、丸住製紙が幹事会員で、日本政策投資銀行が事務局を務める「四国中央市カーボンニュートラル協議会」は3月30日、「四国中央市カーボンニュートラル実現に向けたロードマップ」を公表しました。同協議会は製紙業が集まる四国中央市で、脱炭素社会の実現に向けた地域の取り組みを推進するために2021年6月に設立されたもので、産官学金の連携のもと外部講師も招聘して講演会や議論を重ね、具体的な方策やロードマップを公表するに至ったとしています。
 四国中央市の地域特性や、ボイラー燃料の一足飛びの燃料転換の困難さなどを踏まえつつ、既存技術の実装の推進と技術・政策動向に沿った実証実験や新技術の実装を想定してロードマップを設計、また、ロードマップの実現には技術や設備などの利活用や進展に加え、ヒトの意識を向上させる啓蒙活動や従業員のリスキリングといったソフト面の対策も必要として、それらも盛り込んだ内容となっています。
 同協議会は事業者、自治体、地元地方銀行、地元教育機関、地元業界団体等の結節点と自らを位置付けており、地域のカーボンニュートラルの実現及び地域課題の解決に今後も貢献していくと表明しています。


【板紙・パッケージに関する市況/状況】

1.段ボール原紙在庫増 需要一服の報道

 4月7日付の日本経済新聞紙上にて、段ボール原紙の需要が一服し在庫が積み上がっていると報じられています。日本製紙連合会の集計を参照して、段ボール原紙の在庫量が1月末は前年同月比13%増、2月末も同10%増とのこと。

・2度の値上げ前に駆け込み需要があり、22年秋以降、反動減
・コロナ禍が収束に向かい、ネット通販の需要が落ち着き
・中国の需要が減少し、段ボール原紙の輸出が減少

といった要因があると記事では伝えています。
 食品や飲料の荷動きが堅調で、今後はインバウンド需要や旅行需要の回復も期待できることから、反動減が収まれば出荷は回復するとの製紙連の声も紹介されていますが、景気の先行きが不透明であることから、需要減が段ボール箱メーカーなどからの値下げ要求につながる可能性もあると、記事では指摘しています。


2.三菱製紙 白河事業所のプレスボード製造事業を高砂工場へ移管

 三菱製紙は3月31日、同社白河事業所のプレスボード製造事業を高砂工場に移管すると決議したと発表しました。

対象事業 同社白河事業所のAボード(全芳香族ポリアミドを原料とする耐熱プレスボード。変圧器の絶縁材などに使用)
移管の目的 高砂工場への製造移管で生産拠点を集約し、同事業の収益性を向上させるとともに、高砂工場併設の高砂R&Dセンターで関連製品開発を加速する狙い。移管後の白河事業所の土地は有効活用を検討。

 白河事業所でのプレスボードの製造事業は2023年上期をめどに終了する予定で、その後、製造設備を高砂工場に移管する予定であると、同社は発表しています。


【その他の市況/状況】

1.ENEOS 1~3月期C重油価格が下落で決着

 3月30日付の日本経済新聞紙上にて、ENEOSと大口需要家の産業用C重油の1~3月期価格交渉が下落で決着したと報じられています。ボイラー燃料に使う高硫黄C重油は2022年10~12月期比で17%下落となったとのこと。原油価格の下落と円高進行を反映したもので、下落は2四半期連続となると記事では伝えられています。


2.ティッシュなど 値上げで販売減の報道

 3月31日付の日本経済新聞紙上にて、値上がりした日用品の約8割で販売数量が減少したと報じられています。日経POS情報の分析によるもので、日用品57品目の3月20~26日の平均価格と販売数量を前年の同時期と比較したところ、57品目中46品目の店頭価格が上昇、うち36品目で販売数量が減少。トイレットペーパーやティッシュなど日用紙製品は平均価格が約21%上昇、販売数量は約19%減少したとのこと。減少の要因として記事では、昨年の値上げ前の駆け込み需要の反動が大きいとする大王製紙の説明が紹介されています。


3.トライフ金谷工場に太陽光パネルを設置

 特種東海製紙グループの株式会社トライフは4月3日、同社金谷工場屋上に太陽光パネルを設置して運用を開始したと発表しました。脱炭素社会の実現に向けた二酸化炭素排出量削減への取り組みの一環とのことで、設置された太陽光パネルは256枚、発電された電力は全て同工場で使用し、二酸化炭素排出量の削減と購入電力削減効果が期待されるとしています。


【印刷・製品関連】

1.地方税で金融機関と地方自治体間のやり取りを電子化

 3月31日付の日本経済新聞紙上にて、地方税関連の金融機関と地方自治体のやり取りが電子化されると報じられています。記事によると、

方法 紙の納付書に全国統一規格のQRコードを印字。金融機関でQRコードを読み取って、納付情報を地方税共通納税システムを介して電子的に地方自治体に送付する。金融機関では紙の納付書の仕分けや搬送作業が不要になり、地方自治体では紙の納付書の受け取り、管理、データ化などが不要となる。
対象の地方税 2023年4月から固定資産税、都市計画税、自動車税、軽自動車税で実施。2024年度には原則全てに拡大。

 紙の納付書自体はこの電子化ではなくなりませんが、今後は納付自体の電子化を一層進め、完全ペーパーレス化も視野に入れると記事では伝えています。


2.パスポート発行等 紙の戸籍謄本不要に

 4月2日付の日本経済新聞紙上にて、政府がパスポートの新規発行などの手続きで戸籍謄本などを紙で提出しなくて済むようにする意向だと報じられています。記事によると、

方法 法務省が2024年3月に稼働する戸籍情報一括管理システムと、マイナンバーカードを活用。「マイナポータル」から申請し、電子化した戸籍証明書を法務省のシステムからパスポートなどの事務処理システムに移す方式を検討。
対象の手続き パスポートの新規発行や、免許証の戸籍変更などで証明書の紙での提出を無くす。将来的に適用範囲を広げる方針。
実施時期 2025年3月末までの開始を目指す。

 スマホなどからマイナカードを使って申し込めることで、利便性を高め、事務処理完了までの期間短縮も狙うと、記事では意図を説明しています。


※文中敬称略
※文章は2023年4月6日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。