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紙の市況(2023.5)詳細 5月10日更新分

【紙に関する市況/状況】

1.日経42種4月末値 「紙・パルプ」は3か月連続横ばい

 4月29日付の日本経済新聞紙上にて、素材や燃料などの企業間取引価格を1970年を100として指数化した日経商品指数42種の4月末値が発表されました。42種全体の4月末値は前月末比で0.3%下落と4か月ぶりの低下となり、中国の需要の鈍さから下落基調の非鉄金属などの指数を反映したと記事では分析されています。
 「紙・パルプ」の4月末値は3月末値に引き続き横ばいで、前年同月比では24.0%の上昇ですが、27.4%上昇だった3月末値に比べ上昇幅は縮小しています。


2.王子HD 2023年3月期連結業績予想を下方修正

 王子ホールディングスは4月28日、2023年3月期(2022年4月1日~2023年3月31日)の連結業績予想を、2月3日に発表した前回発表予想より下方修正すると発表しました。新しい予想を2022年3月期実績と比較すると、売上高は15.6%増、営業利益は29.3%減、当期純利益は36%減となるとのこと。業績予想修正の理由として同社は、需要の減少と価格修正の一部遅れ、ニュージーランド子会社における自然災害による特別損失の発生などを挙げています。


3.大王グループ 3工場でメガソーラー発電設備稼働

 大王製紙は4月27日、グループ3工場で新たに設置した太陽光発電設備が運転を開始したと発表しました。川之江工場、可児工場、ダイオーペーパープロダクツ島田事業所、の3工場に設置したもので、発電した電力は全量工場で使用することから、化石燃料の使用量削減により、3工場合わせて年間約1,700トンの二酸化炭素削減に貢献することになるとのこと。同社は2021年5月に『2050年カーボンニュートラル実現へのロードマップ』を策定しており、今後もそのロードマップに沿った施策を推進し、再生可能エネルギーの利用促進や新技術の導入で温室効果ガスの削減に取り組んでいくと表明しています。


【板紙・パッケージに関する市況/状況】

1.レンゴー 2023年3月期業績予想を下方修正

 レンゴーは4月28日、2023年3月期(2022年4月1日~2023年3月31日)の連結業績予想を、2022年5月13日に発表した前回発表予想より下方修正すると発表しました。新しい予想を2022年3月期実績と比較すると、売上高は13.1%増、営業利益は23.4%減、当期純利益は29.1%減となるとのこと。年後半の内需鈍化で販売量が当初計画を下回ったこと、エネルギー価格が高止まりしたことなどが業績予想修正の理由だと同社は説明しています。


2.玖龍紙業のマレーシア新工場が稼働の見通し

 4月28日付の日本経済新聞紙上にて、製紙世界最大手の中国製紙企業、玖龍紙業がマレーシアの段ボール原紙生産工場をこの3月にほぼ完成させたと報じられています。東莞市や瀋陽市、広西チワン族自治区などでも新工場が完成、新設・拡張中、あるいは新工場が稼働する計画があるとのことで、マレーシアで2023年4~6月期に4基目を稼働予定の理文造紙を含め、中国勢が東南アジア市場の開拓を積極的に進めているとのこと。日本勢では王子ホールディングスやレンゴーが東南アジア各国に拠点を設け、さらなる投資も予定しており、現地での競争環境は厳しさを増していると記事では伝えられています。


【その他の市況/状況】

1.ENEOS 4~6月期C重油価格の値上げを表明

 4月27日付の日本経済新聞紙上にて、ENEOSが4~6月期の高硫黄C重油価格について1~3月期比3%値上げすると表明したと報じられています。引き上げは四半期ぶりで、原油価格の小幅な上昇を反映したとのこと。高硫黄C重油は製紙各社でボイラー燃料として使用されるもので、収益環境のさらなる悪化が懸念されます。


2.レンゴー セロファンの値上げ発表

 レンゴーは4月26日、セロファンの値上げを発表しました。2023年6月1日納入分より現行価格+2,000円/連以上(一般セロファン#300換算)の改定をお願いするとのこと。原燃料や薬品、電力、物流コストなどの高騰が影響しているとして、同社は価格改定に理解を求めています。


【印刷・製品関連】

1.「こどものための100冊 2023」キャンペーン開始

 文化通信社は4月29日より「こどものための100冊 2023」キャンペーンを開始しています。同社サイトや、このキャンペーンに協賛している日本紙パルプ商事の発表によると、

内容 子育て中の著名人22人と書店員・図書館員など3人が選んだ各4冊、合計100冊の本をコメントなどとともに紹介する『こどものための100冊2023』を発行。参加書店や図書館、保育園などを通じて子供たちに無料配布する。キャンペーン期間中に全国の書店・ネット書店で1,000円以上購入すると応募できるプレゼント企画も同時開催。書店にはポスターやPOPなども配布し、掲載図書のフェアも提案する。
狙い 「子どもたちの未来のために、よい本をたくさん読んでもらうきっかけづくりをしたい」という思いから。
期間 2023年4月29日~2023年6月30日

 日本紙パルプ商事はこの取り組みが「イベントや事業を通じて心の豊かさにつながる紙の魅力を社会に届ける」という同社の方針に合致していると、協賛に至った経緯を説明しています。


※文中敬称略
※文章は2023年5月8日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。