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【紙のソムリエ】番外編 シート先輩とコマキさんの紙に関する四方山話42 紙の構成要素

「おはよう、コマキさん。新人さんたちは順調?」
「おはようございます、シート先輩。私の教え方はともかく、新人さんたちみんな素直で熱心ですよ。覚えも早いですし。ただ・・・」
「悩み事?」
「紙の寸法とか連量とか、定量的に決まっていることは教えやすいのですが、そうではないものを聞かれると困ることがあります。先日も『紙の風合いって何ですか』と聞かれてどう答えてよいか迷ってしまって・・・」
「風合いか・・・すべすべしてるとかふわふわしてるとか、いろいろな要素を含んでるよね。・・・そういうのをひとつひとつ分解して、なるべく定量的に説明してあげたら?」

「すべすべだったら、『平滑性』とか?」
「ふわふわだったら、『嵩』とかね。定量的に表現できる紙の性質のなかで、良く使うものはこれくらいかな。」

平らさ 紙の表面の平滑性。印刷再現性や印刷光沢などに関係がある。平滑度試験器などで測定できる。
白さ 紙の白色度。ある一定の光を当てたときの反射率で測定する。
色み 同じ白でも青っぽい、赤っぽいなどの色相の違い。抄紙時に着色剤などで調整する。白色度が同じでも見た目の白さが高くなるなどの違いが出る。
ふわふわしている、しまっているなどと表現。紙の密度=紙の単位容積あたりの質量で定量的に表現できる。
こわさ 紙を折り曲げたときの抵抗度。剛度、腰、とも言い、『腰が強い』『紙腰がある』といったように表現する。こわさ試験機で測定できる。
むら 繊維が均一に分布しているかどうかでむらができたりできなかったりする。均一に分布している状態を『紙の地合いが良い』と表現する。

「考えてみると、『地合い』とか『紙腰』とか、僕らは何気なく使っている言葉だけど、そういうひとつひとつが新人さんには聞き慣れない言葉なんだよね。」
「そういう聞き慣れない、様々な紙の性質が総合して『風合い』をつくっている、と説明すれば良かったのですね。」

「そう言えば、昔、僕たちの大先輩が、紙をはじいてピシッと音を出して、その音で紙の銘柄を当ててたことがあったよ。」
「そんなことが可能なのですね。」
「いや、僕は無理。多分、音だけじゃなくて、触感とか色味とか、色々な要素を総合して判別するのを、先輩は『音で分かる』って表現されていたんじゃないかと思うけど。」
「まさに『風合い』で紙が判別できるということですね。いつかその域に達せると良いのですが。」
「いやあ・・・年齢だけはどんどんその当時の先輩に近づいてるんだけどね・・・」
「・・・・・・」

※文中、敬称略