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紙の市況(2023.8)詳細 8月10日更新分

【洋紙 国内の紙の市況/状況】

1.2024年3月期第1四半期決算発表

 8月7日までに王子HD、日本製紙、三菱製紙、中越パルプが2024年3月期第1四半期(2023年4月1日~2023年6月30日)の決算を発表しました。各社の公式サイトに掲載された決算短信によると、

 各社とも売上高増や営業利益改善の要因として製品価格改定効果とコスト低減を挙げています。
 ただ、王子HDは段ボール原紙・段ボール、包装用紙、家庭紙等で、日本製紙は液体用紙容器で、物価上昇に伴う生活防衛意識の高まりで国内需要が減少したと指摘しており、新聞用紙、印刷・情報用紙の国内需要減少も継続していると明らかにしています。
 


2.大王製紙 「子どもの笑顔はぐくみプロジェクト」に寄付

 大王製紙は8月3日、「エリエール えがおにタッチ PROJECT」に賛同した平和堂と協同で、エリエール製品の売上の一部を滋賀県の取り組みに寄付したと発表しました。公式サイトの発表によると、

内容 大王製紙が進める「エリエール えがおにタッチ PROJECT」に賛同した平和堂と協同で、2023年4月1日~5月31日に「ちょっといいことキャンペーン」を実施。期間中に平和堂全156店舗で販売されたエリエールブランド製品の売上の一部、976,825円を、滋賀県と滋賀県社会福祉協議会が実施する「子どもの笑顔はぐくみプロジェクト」に8月2日に寄付。
「子どもの笑顔はぐくみ
プロジェクト」
子どもを真ん中に置いた地域づくりをさらに進めるための応援団(スポンサー)を広げることを目的として設立されたプロジェクト。滋賀県と滋賀県社会福祉協議会が推進。県内各地の子ども食堂や子供たちの夜の居場所のフリースペース、児童養護施設等で暮らす子供たちの社会への架け橋づくりなどの取り組みを様々な形でサポートしている。
「エリエール えがおにタッチ プロジェクト」 少数世帯の増加に加えコロナ禍で対面コミュニケーションが急速に減少するなかで、人と人のかけがえのない触れ合い=エッセンシャルタッチで幸せと笑顔を増やしたいという想いから2022年4月に始動したプロジェクト。エッセンシャルタッチの動画を公開したり、からだとこころの触れ合い=タッチングのノウハウを発信したりといった活動を実施している。

 「エリエール えがおにタッチ プロジェクト」では、エリエール商品の売上の一部を地方自治体に寄付することで、人と人の「触れ合いの機会」を取り戻す活動を支援する寄付活動も行っているとのことで、今回の平和堂との協同キャンペーンも「人と人の触れ合いを増やす活動への支援」と位置付けています。
 


【板紙・パッケージに関する市況/状況】

1.レンゴー 2024年3月期第1四半期決算発表

 レンゴーは8月3日、2024年3月期第1四半期(2023年4月1日~2023年6月30日)の連結業績を発表しました。公式サイトの決算短信によると、

 同社は製品価格の改定や連結子会社の増加により増収増益となったと分析していますが、現時点では不確定要素が多いとして、2023年5月12日発表の連結業績予想は据え置いています。


【その他の市況/状況】

1.東南アジア向け古紙輸出価格が低迷

 2023年8月2日付の日本経済新聞紙上にて、東南アジア向けの古紙輸出価格が低迷していると報じられています。日米欧からの段ボール古紙価格は2022年秋ごろに直近高値比4~5割程度下がり、半年以上低い水準で横ばいしているとのこと。

・東南アジア諸国で欧米や中国向け電気機器などの輸出が伸び悩み。景気の減速感が強まり、段ボールの需要やその原料である古紙の需要も減少している。
・日米欧の国内でも段ボール需要が不振。輸出に回る古紙量が増加。
・新聞用紙の輸出国だったロシアがウクライナ侵攻を開始。用紙の不足懸念の強まりから原料古紙の価格も高騰したが、足元では落ち着き。

等の背景があり、東南アジア向けの輸出価格が下がれば国内でも古紙価格の下げ圧力になると記事では指摘しています。


2.花王が中国での紙おむつの生産を終了

 2023年8月4日付の日本経済新聞紙上にて、花王が中国での紙おむつ生産を3日付で終了したと報じられています。今後は日本国内から輸出し、中国での紙おむつの販売を継続するとのこと。中国の紙おむつ市場は普及が進んで成長している一方、品質向上や自国ブランドへの愛着の強い世代が親となったことなどから現地企業がシェアを拡大しているとのことで、花王だけでなく日本企業自体の苦戦が目立つと記事では伝えられています。


【印刷、製品、その他関連】

1.凸版印刷の「紙製スタンディングパウチ」が新製品に採用

 凸版印刷は2023年7月31日、同社の「紙製スタンディングパウチ」がクラシエホームプロダクツの新製品の液体包材に採用されたと発表しました。公式サイトの発表によると、

内容 液体製品に対応可能で注ぎやすい口元の「紙製スタンディングパウチ」を凸版印刷が開発。クラシエの新製品のヘアオイル「プロスタイル ニュアンスメイクオイル 詰替用」での採用が決定。2023年9月29日販売開始予定。
「紙製スタンディングパウチ」の特長 ・紙の使用、プラスチックフィルムの薄肉化、水性フレキソ印刷の活用でプラスチック使用量を約39%、二酸化炭素排出量を約23%削減。
・内容物のヘアオイルにも耐えられる材質構成を実現。
・「紙製容器包装」であり「紙マーク」表記。
・紙の特性を生かした口元の設計で、ボトルに差し込みやすく注ぎやすい形状を実現。

 同社は「紙素材スタンディングパウチ」の拡販を開始すると同時に、これからもより利便性が高く環境に配慮したパッケージを開発し、持続可能な社会の実現に貢献していくと表明しています。


※文中敬称略
※文章は2023年8月8日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。