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華陽ニュース

紙の市況(2024.5)詳細 5月10日更新分

【洋紙 国内の紙の市況/状況】

1.王子HD 2024年3月期連結業績予想の修正を発表

 王子ホールディングスは4月26日、2024年3月期(2023年4月1日~2024年3月31日)連結業績予想を2024年2月5日公表の予想より修正すると発表しました。売上高が1兆6,900億円、営業利益が720億円、経常利益が850億円、当期純利益が500億円になるとの予想を発表しており、前回予想では増益となるとしていた当期純利益は2023年3月期の純利益実績と比べ約11%減となるとしています。修正の理由として同社は、

・国内事業の販売数量の減少
・海外事業におけるパルプ市況の下振れ
・一部事業資産の減損損失計上

等を挙げており、国内事業において見込んでいた需要の回復がみられなかったとしています。


【板紙・パッケージに関する市況/状況】

1.イムラ 新工場建設を決議

 株式会社イムラは4月24日、同日開催の取締役会において新工場の建設を決議したと発表しました。西日本地区の生産拠点の強化と再構築の実現のため、パッケージングソリューション事業を支える既存2工場とメーリング&デジタルソリューション事業の作業拠点の統合に向けた新工場建設の検討を従来より進めていたとのこと。新工場は2025年12月に竣工の予定で、新工場では同社が「成長戦略を支える新商品・サービスの強化」として取り組む軽量ECパッケージ向け製品などが生産されると、4月25日付の日本経済新聞紙上にて紹介されています。


【その他の市況/状況】

1.3月末の関東雑誌古紙在庫が増加

 4月26日付の日本経済新聞紙上にて、関東の3月末の雑誌古紙在庫が増加したと報じられています。関東製紙原料直納商工組合32社分のまとめによるもので、前月末比で12.2%増加したとのこと。白板紙の生産が低迷していることを記事では要因として指摘しています。
 同じく関東製紙原料直納商工組合まとめの3月末の段ボール古紙は前月末比0.9%減となっており、段ボール古紙の在庫率が需給均衡の目安とされる15%を下回っていることから原紙メーカーが仕入れ価格に古紙問屋の物流費負担増加分を上乗せする動きがあると記事では伝えられています。


【ESG、SDGs等関連】

1.大王製紙 コピー用紙「助け合いの輪+」の売上金額の1%を寄付

 大王製紙は4月26日、コピー用紙「助け合いの輪+(プラス)」の2023年4月1日~2024年3月31日の同社の売上金額の1%となる378万円余りを、日本ユニセフ協会の「ユニセフ募金」へ寄付したと発表しました。同社が2021年に開始した「New OAペーパー typeH 新型コロナウイルス助け合いの輪+(プラス)」を対象とした寄付活動から数えて通算5回目となり、これまでの寄付額の合計は1,700万円超となるとのこと。
 同社は本製品のコンセプトに賛同した関係者に感謝の意を示すとともに、引き続き同社グループの経営理念「世界中の人々へ やさしい未来をつむぐ」を実現するべく、事業活動を通じた支援を継続して行っていくと表明しています。


【印刷、製品、その他関連】

1.東武鉄道 「紙の切符が無くなるの?」と話題に

 東武鉄道が4月30日に発表した「東武グループ中期経営計画2024~2027」をきっかけに、「東武グループは紙の切符を廃止するの?」との見方が一時、話題となりました。同社は同日発表した中期経営計画のなかで、「重点戦略に基づく期間中の主な実施計画」の「事業基盤(沿線)の継続的な強化」の一節「デジタル技術を活用した持続的な運行体制の確立」において「QR乗車券の導入による磁気乗車券の全廃」をうたっており、これを「磁気乗車券=紙の切符の全廃」と解釈した見方が話題となったようです。
 これが本当に「磁気乗車券=紙の切符の全廃」なのか、「磁気で印字し自動改札機で読み取る方式を廃止し、QRコードを紙の切符に印字して読み取る方式に変える」といった形で紙の切符が残るのか、といった詳細については明らかになっていませんが、他国の状況やデジタル決済のメリット・デメリットといった要因も含め、今後の展開に関心が集まりそうです。


※文中敬称略
※文章は2024年5月8日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。