1. HOME
  2. KAYO NEWS
  3. 紙の市況(2024.7)詳細 7月10日更新分

KAYO NEWS

華陽ニュース

紙の市況(2024.7)詳細 7月10日更新分

【洋紙 国内の紙の市況/状況】

1.王子マテリア・株式会社イムラ コラボ商品が日本文具大賞サステナブル部門優秀賞

 王子ホールディングスは6月28日、グループの王子マテリア株式会社と株式会社イムラのコラボ商品が日本文具大賞サステナブル部門で優秀賞を受賞したと発表しました。両社のサイトの発表によると、

サンカヨウ 王子マテリアが開発した包装用紙。パルプや抄紙技術の工夫で、特定の樹脂を浸み込ませたときに透明に見えるようにした素材。
紙エール サンカヨウを使用し、王子マテリアとイムラが共同開発した包材。素材自体の一部分の透明性を向上させることで、紙とプラスチックを貼り合わせることなく中身を見える化し、また分別せずにリサイクルできる、透明性とリサイクル性を両立させた製品。
2022年5月には「ネピア 鼻セレブマスク 紙エールパッケージ」のパッケージに採用された。
紙エール紙ファイル 紙エールを紙ファイルとして製品化したもの。

・グラシンより高い透明性
・プラスチックなどとの貼り合わせが不要
・透明部分のサイズや形の制約が少なく、デザインの自由度が高い。透明部分への印刷も可能。
・窓部分も含めリサイクル可能

という特長を有し、2024年の日本文具大賞サステナブル部門優秀賞を受賞。

 両社は透明性の高さとリサイクル性の両立で、プラスチック使用量の削減にも貢献できる環境性の高い製品として、紙エールを紹介しています。


【板紙・パッケージに関する市況/状況】

1.レンゴー 「国立極地研究所南極観測パートナー企業」に認定

 レンゴーは7月1日、国立極地研究所より「国立極地研究所南極観測パートナー企業」に認定されたことを発表しました。同社は1956年の第1次南極地域観測隊から継続して物資輸送用の段ボールを提供しており、提供した段ボールは生活用品の輸送や収集物を保護する包装材として活用されているとのこと。同社は地球環境の未来を予測するためにも南極観測の活動の重要性は高まっているとして、今後も段ボールの提供を通して観測隊の活動を支え続けていくとしています。


【その他の市況/状況】

1.古紙輸出価格上昇の報道

 7月2日付の日本経済新聞紙上にて、古紙の国際価格が上昇していると報じられています。日本からアジア向けの輸出価格は2023年夏と比較して3~4割高となっているとのこと。

・東南アジアなどで各社が段ボール生産設備を増強
・印刷用紙の抄紙設備をパッケージ向けに切り換え
・米国では生産ラインの増強、欧州ではパリ五輪の影響による段ボール需要の上昇などで、欧米からアジア向けの古紙の輸出が減少

等が背景にあると記事では指摘しています。
 日本からも古紙の輸出は増加していますが、その背景には円安と国内の段ボール原紙などの減産があると記事は分析しており、国内の古紙の需給は安定していると伝えられています。


【ESG、SDGs等関連】

1.クレシア 草加市でリサイクル実証実験

 日本製紙クレシアは6月28日、埼玉県草加市と「循環型社会の形成に関する取組に係る協定」を締結し、取り組みの一環として、2024年4月より「ティシュー空き箱リサイクル実証実験」を開始したと発表しました。草加市役所など市内5か所の公共施設に専用回収ボックスを設置、回収した空き箱を段ボール原料などに再利用するほか、回収した空き箱の量に応じ、市内小中学校に同社東京工場で生産したトイレットロールを支給してリサイクルの推進を図るとのこと。同社は草加市との今後の共創で、より一層の紙のリサイクルを推進し、持続可能な社会へ貢献できるよう連携していくと、取り組みの意義を説明しています。


【印刷、製品、その他関連】

1.大日本印刷 書籍製本時の切れ端をアートに

 大日本印刷は6月28日、書籍の製本時に断裁してしまう周辺部分をアートにアップサイクルした商品を発売すると発表しました。同社サイトの発表によると、

内容 大日本印刷株式会社、株式会社DNPコミュニケーションデザイン、リフレクトアート株式会社の3社が連携。大日本印刷久喜工場で製本時に切り落としてしまう一辺を糊付けされた紙の切れ端を、リフレクトアートのアーティストがひとつひとつ手書きで彩色、メモ帳やノートに使える、一点もののアート商品として発売。
製品仕様 製品名は「ほんの切れ端」(商標登録出願中)。サイズは5センチX15センチ、5センチX20センチなど。ページ数は200~300ページ。
発売日、場所 2024年7月1日にリフレクトアートのアンテナショップ「ものとアート」の成田空港第2ターミナル店とグランスタ東京店で販売開始。横浜赤レンガ倉庫店でも順次販売の予定。

 同社は今後も切れ端などのさらなる活用を検討するとともに、紙の有効活用など、循環型社会の実現に取り組む企業・自治体と連携して、アップサイクル商品の開発などを支援していくとしています。


※文中敬称略
※文章は2024年7月4日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。