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華陽ニュース

紙の市況(2024.11)詳細 11月10日更新分

【洋紙 国内の紙の市況/状況】

1.日本製紙 2025年3月期第2四半期業績発表

 日本製紙は11月6日、2025年3月期第2四半期(2024年4月1日~2024年9月30日)の連結業績を発表しました。同社サイトに掲載された決算短信によると、

 業績について同社は

取り組み ・グラフィック用紙事業の生産体制再編・事業構造転換を目的として、白老工場8号抄紙機(2025年9月末)、八代工場N2抄紙機(2025年6月末)の停機を発表。八代工場で輸出を中心とした家庭紙事業を展開と決定。
・八代工場の9号ボイラーの2025年11月末での停機を発表。この停機で八代工場の石炭使用量はゼロに。
・海外事業ではOpal社の立て直しに注力。
プラス要因 ・家庭紙製品の価格修正
・インバウンド需要の増加等で業務用家庭紙製品の需要が回復。
・ヘルスケア製品の需要が堅調。
・燃料チップの需要増。
マイナス要因 ・新聞用紙、印刷・情報用紙の需要減少継続。
・値上げや物価高による個人消費の落ち込みで板紙・液体用紙容器の需要が減少。
・エネルギー事業で休転日数の増加や販売電力の低下が影響。
・新築住宅着工戸数の減少傾向。

等の分析を決算短信にて公表しています。
 
【板紙・パッケージに関する市況/状況】

1.レンゴー 2025年3月期第2四半期業績発表

 レンゴーは11月1日、2025年3月期第2四半期(2024年4月1日~2024年9月30日)の連結業績を発表しました。同社サイトに掲載された決算短信によると、

 業績について同社は

取り組み ・軟包装事業における一貫体制の拡充を目指しサン・トックスと三井化学東セロのパッケージソリューション事業を統合し子会社化。
・バイオ分野への展開を見据えBiomaterial in Tokyo社を子会社化。
・段ボール事業強化のため柴田段ボールを子会社化。
・グローバル戦略の充実のためトライウォール社がコンセプト・パッケージング社に資本参加。
プラス要因 ・連結子会社の増加。
・段ボール需要の持ち直し。段ボール製品は需要が堅調。
・工業樹脂製品関連需要の好調。
・運送事業の採算改善。
マイナス要因 ・板紙・紙加工関連事業、軟包装関連事業で固定費の増加。
・石油化学関連需要の減少。
・欧州において重量物包装事業の採算が悪化。

等の分析を決算短信にて公表しています。
 

2.レンゴー 「Pentawards 2024」のEコマース部門で銀賞受賞

 レンゴーは10月31日、パッケージデザインの世界的なコンペティションである「Pentawards 2024」のEコマース部門で同社が関連した1作品が銀賞を受賞したと発表しました。株式会社江戸屋の通信販売用ギフトケースで、

・「HOKKAIDO」の文字デザインの一部を取り扱う品物で表現し北海道産をアピール。
・グレー時の段ボールに白インキと雪空を想起させるデザインで、ギフトらしい特別感を演出。
・段ボールの素材には古紙利用率100%、無漂白・無着色の環境配慮型再生紙を使用。

が特長とのこと。
 同社はクリエイティブなデザインやパッケージの総合的な提案で今後もお客様の商品開発、販売促進、イメージアップに貢献していくとしています。
 

【その他の市況/状況】

1.大王製紙 自動運転トラックの実証実験

 大王製紙は10月30日、2025年3月に、自動運転トラックを使用して関東~関西エリア間の大王紙製品の往復輸送を行う実証実験に参加すると発表しました。株式会社T2との共同実証で、T2が開発した自動運転トラックを使用し、T2が設定した高速道路上の自動運転区間においてレベル2の自動運転を行う計画で、大王製紙は荷主企業として自動運転トラックの輸送オペレーションを検討・評価する役割を担うとのこと。2027年にレベル4の自動運転トラックを活用した幹線輸送を実現することを目指すと、同社は実証実験の目的を説明しています。
 
 

2.日本製紙 「FOOD STYLE Kyushu2024」に出展

 日本製紙は11月1日、同社が開発した木材由来の食品添加物「セレンピア🄬」を11月13~14日開催の「FOOD STYLE Kyushu2024」に出展すると発表しました。木材繊維をナノレベルまで解繊することで生まれるバイオマス素材の「セレンピア🄬」は保水性、保形性、懸濁・乳化安定性、気泡安定性、吸油抑制等の機能を有しており、パサつきを防いで食感を改良するといった食品分野の様々な課題解決に貢献するとのこと。当日は実際に「セレンピア🄬」を採用しているユーザー2社の商品の試食・展示も予定しているとのことで、来場の際はブースに立ち寄ってほしいと同社は呼び掛けています。
 
 
【ESG、SDGs等関連】

1.レンゴー 武生工場のビオトープが「自然共生サイト」に認定

 レンゴーは10月28日、同社武生工場のビオトープが令和6年度前期「自然共生サイト」に認定されたと発表しました。令和5年度後期に認定された福島矢吹工場ビオトープに続き、同社で2か所目の認定とのこと。同社サイトの発表等によると、

自然共生サイト 民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域。環境省が令和5年度より認定制度を開始し、認定された区域は条件を満たせば国際データベースに登録もされる。
武生工場の
ビオトープ
治佐川の水を利用し希少生物が育つ環境を整備。トミヨ属淡水型と呼ばれる希少な淡水魚も観測されている。

 福井県で自然共生サイトが認定されるのはこれが初とのことで、同社は今後も「ネイチャーポジティブ」と「30by30」の達成に向け、地域の自然環境との調和に積極的に取り組んでいくとしています。 
 
 
【印刷、製品、その他関連】

1.日本紙パルプ商事 「Book Fair Championship」メインスポンサー

 
 日本紙パルプ商事は11月5日、11月1日始動の「Book Fair Championship」にメインスポンサーとして協賛していると発表しました。公式サイトの発表等によると、

Book Fair
Championship
書店員が各書店で行うフェアの腕を競い合う大会。
 書店員あるいは書店主が直近6か月以内(初代チャンピオン決定戦のみ直近3年以内)に企画・実施したフェアについて、内容やアピールポイントなどを入力し写真を添えてエントリー。実行委員やクラウドファンディング支援者が選考した「ベスト10」のなかから3人の審判員がチャンピオンを選考する。
 評価基準はユニークな「発想・アイデア」、企画意図を伝える「提案性」、見た目の美しさを問う「芸術性」の3点。「斬新なテーマ設定」「企画者独自の選書」「お客様の目を引くディスプレイ」など工夫に満ちたフェアの応募を呼び掛けている。
大会趣旨 ・本の売り手である書店員の企画意欲を掻き立て、書店の売り場をより魅力的なものにする
・ユニークなフェアを広く発信することで、書店に足を運んで下さるお客様を増やす
大会趣旨 ・本の売り手である書店員の企画意欲を掻き立て、書店の売り場をより魅力的なものにする
・ユニークなフェアを広く発信することで、書店に足を運んで下さるお客様を増やす
スケジュール エントリーは2024年11月1日~2024年12月22日。2025年1月中旬ごろ「ベスト10」を発表、2025年3月上旬に初代チャンピオンの発表と贈呈式が行われる計画。
その後は年2回、チャンピオンベルトの防衛戦が開催される予定。

 日本紙パルプ商事は「OVOL長期ビジョン2030」に掲げる「紙の機能・価値の普及活動によって、紙の文化の発展に寄与している」というあるべき姿から「Book Fair Championship」の主旨に賛同したと、協賛の理由を説明しています。

※文中敬称略
※文章は2024年11月7日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。