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華陽ニュース

不定期配信 マウスちゃんとメモリ主任のIT1年生⑬

情報の重要性が増す昨今、弊社では情報セキュリティについて、その意義や情報を共有する取り組みを続けています。
担当チームが社内向けにまとめた資料などを基に、軽い読み物を不定期でお届けできればと思いますので、ご笑覧頂ければ幸いでございます。

 ある日の業務中。外出先のイーさんからマウスちゃんに電話がかかってきました。
『ごめん、マウスさん。僕の机の上にA社さんからの見積依頼書、置いてないかな?』
 イーさんの机のところに行くと、探すまでもなく、A社様からの見積依頼書が机の書類の一番上に置いてあります。しかも・・・
「イーさん、これ、『取扱厳重注意』って書いてありますけど。」
『エンドユーザーさんの未公開情報とかが書いてあるからね。やっぱり机の上に忘れてたのか。そこにあって良かったよ。』
 安心した~とのんきな声を上げるイーさんに、マウスちゃん、ひっかかるものを覚えます。

 お昼休み。モヤモヤを訴えるマウスちゃんに、メモリ主任がうなずきます。
「マウスさんがひっかかるのは正しい感覚ですよ。それは立派な情報漏洩ですからね。」
「え・・・情報漏洩、ですか?」
「情報漏洩というと、みなさん、機械や技術に目が向かいがちですが、技術とは関係ない部分でも情報が適切に管理されていなければ情報漏洩は起こります。今回のイーさんのように、機密情報を不用意に誰でも見られるところに置いておく、ということもそうですし、ほかにも例えば

・手帳や書類が入ったカバンを外出先に置き忘れる
・機密情報をそのままごみ箱に捨てる
・機密情報が含まれる納品書などを落とす
・社員の個人情報が誰でも見られる状態になっている

なども、機械や技術と関係なく、情報の不適切な扱いが原因で情報漏洩が起こる場面といえますね。」

「独立行政法人情報処理推進機構が年初、前年に社会にインパクトを与えた情報セキュリティ上の脅威を『情報セキュリティ10大脅威』として発表しているのですが、今年発表された組織に対する脅威を見ても、5位が『内部不正による情報漏洩』、10位が『不注意による情報漏洩等の被害』となっています。」
「新しいウイルスや情報環境だけが脅威ではない、ということですね。」
「そうですね。この前も話しましたが、技術的な保護や支援をしたり、情報セキュリティを保つための規定をつくったりすることはできても、それをすり抜けてしまうものに立ち向かえるかどうかは一人ひとりの意識や知識にかかっていると言えるのではないかと思っています。」
「外出先にカバンを忘れてはいけません、なんて規定はつくれませんし、つくったところで守れるかどうかは本人次第ですもんね。」

「机の上に書類を忘れる、っていうのも、意識の問題ですか?」
「A社様はイーさんを、あるいは当社を信用して大切な情報が含まれた依頼書を渡して下さったのでしょう。その信用の重さを、イーさんは理解されていないようですね。」
「でも忘れっぽい人が忘れないように意識を変えるって、難しいですよね。」
「どうでしょう?たとえば、大切な書類が無くなったとなれば、イーさんでも意識を改めることができるのではありませんか?」
「・・・え?」
「冗談ですよ。」
 思わず振り仰いだメモリ主任の目が笑っていないような気がして、そっと目をそらすマウスちゃんなのでした。