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華陽ニュース

不定期配信 マウスちゃんとメモリ主任のIT1年生⑰

情報の重要性が増す昨今、弊社では情報セキュリティについて、その意義や情報を共有する取り組みを続けています。
担当チームが社内向けにまとめた資料などを基に、軽い読み物を不定期でお届けできればと思いますので、ご笑覧頂ければ幸いでございます。

 外出から帰ったイーさん。がっくり肩を落としています。
「どうしたんですか、イーさん。」
「スマホに画面ロックかけてないの、お客様に見られちゃって。『ITリテラシーが低い』って笑われちゃったんだ。」
「そう言えば『ITリテラシー』ってよく聞きますけど、ちゃんとこんな意味だよって聞いたことはないですね。」
「え、マウスさん、『ITリテラシー』知らないの?」
 普段マウスちゃんから教えてもらうことの方が多いイーさん。嬉しそうに説明を始めます。

「簡単に言うと、情報に関連することを理解して活用する能力のことを『ITリテラシー』って呼んでるんだよ。」
「情報に関すること、といっても幅広いですよね。」
「そう。能力のあるなしを『ITリテラシーが高い/低い』っていう言い方をするんだけど、場面によって、

①パソコンやスマホ、通信機器など、情報機器・技術を理解し適切に扱う能力
②パスワードやウイルス対策など、情報セキュリティーに関するリスク・技術を理解し、適切に処理する能力
③インターネット上に公開されている情報自体を精査し、適切に活用する能力
④情報環境を用いて適切に安全に情報発信できる能力

という風に、指している能力が変わるんだ。例えば、単純にスマホの扱いに慣れていない人も『ITリテラシーが低い』って言われるし」
「イーさんのようにセキュリティーの設定ができていない人も『ITリテラシーが低い』って言われてしまうんですね。」
「・・・・・・」

「あまり『ITリテラシー』という言葉にこだわらない方が良いかもしれませんよ。」
 2人に声を掛けたのはメモリ主任。「どうしてですか?」と聞くマウスちゃんに、
「『ITリテラシーが低い』と言われてしまうと、自分には能力がないからできないんだ、という言い訳になってしまいかねないと思うのですよ。例えば今回のイーさんの件は、イーさんに能力がないからできなかったわけではなく、『社用スマホには画面ロックをかけること』という規定を守っていなかった事例ですよね。」
 メモリ主任の視線に、イーさん、青褪めます。
「仕事をするうえでパソコン、スマホや通信環境は今や不可欠ですから、『ITリテラシーが高い』に越したことはありません。ですが、情報セキュリティを守るうえで基本的なことは

・ルールを守って必要な作業や設定を行うこと
・ルールにないことをやろうとするときは上司や関係部署に確認すること
・異常なことや分からないことが出てきたときにも上司や関係部署に確認すること

で、これにはITリテラシーの高い低いは関係ないですよね。」
「新入社員の時に教わるような、基本的なことですね・・・」
「そういうことです。」
 この書類も同じで、ルールが守られていないので総務では受け取り出来ません。そう言ってイーさんに書類を渡し、自分の部署へと去っていくメモリ主任の背中と、ITどころかリテラシーそのものがなくなったように呆然と書類を見つめるだけの人になったイーさんを見比べて、自分も言葉をなくしてしまうマウスちゃんなのでした。