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華陽ニュース

不定期配信 マウスちゃんとメモリ主任のIT1年生⑦

情報の重要性が増す昨今、弊社では情報セキュリティについて、その意義や情報を共有する取り組みを続けています。
担当チームが社内向けにまとめた資料などを基に、軽い読み物を不定期でお届けできればと思いますので、ご笑覧頂ければ幸いでございます。

 業務中のマウスちゃん。同じ課のディーさんに声をかけられます。
「お客様から見積もり依頼がメールで来てるんだけど、任せて良いかな?」
「大丈夫ですよ。詳細を教えて頂けますか?」
「メールを転送するよ。仕様書も添付されているみたいだから。」
 快く引き受けたマウスちゃんでしたが、転送されてきたメールを見て眉をしかめます。
「ディーさん、このメール、『スパム』のマークがついているんですが。」
「そうだね。でもいつもやり取りしているお客様だし。」
「ちなみにお客様から事前に連絡は・・・」
「無いよ。でも、添付ファイルにもおかしなところはなかったし。」
「え、添付ファイル、開いちゃったんですか?」
「開いたよ。開かないとマウスさんに任せて良い案件かどうか分からないじゃない。」
「いえ、そういうことではなくて・・・」
 しぶるディーさんを拝み倒してお客様に確認を入れてもらったマウスちゃん。結局正規のメールと分かり、不機嫌になったディーさんに頭を下げながらも、モヤモヤが消えませんでした。

「大丈夫です。マウスさんの対応は間違っていませんよ。」
 結局マウスちゃんのモヤモヤが消えたのは、お昼休み、メモリ主任に話を聞いてもらった時でした。
「当社の場合、利用しているメールサービスの仕様で、迷惑メールや不正メールの疑いがあるメールには『スパム』のマークがつくようになっています。不正メールがお客様になりすます可能性もありますから、『スパム』マークがついていたら、いつものお客様だからと油断せず、メールを送って頂いたかどうか確認する。それが正しい対応です。」
「そう言って頂けて安心しました・・・」
「マウスさんは『ランサムウエア』というのはご存じですか?」
「はい。最近よく目にします。データを盗んだり勝手に暗号化したりして、暗号化を解きたければ、あるいはデータを公開されたくなければお金を払えと要求する攻撃の時に使われるウイルスですよね。」
「その通りです。以前はランサムウエアを用いた攻撃は大企業相手、攻撃する相手を限定した『標的型攻撃』と呼ばれるものが主流でしたが、最近は傾向が変わって、中小企業や個人が被害に遭うケースも増えているそうです。そういったマルウエアの入り口としてメールはまだまだ主要な手段となっていますから、用心してしすぎるということはないと思いますよ。」

「とは言え、ディーさんの気持ちも分からないではありません。相手はお客様ですからね。下手なことを聞いて関係を悪くしたくない、という気持ちがあったのかもしれません。」
「それは仰る通りですが・・・」
 メモリ主任が営業さんの肩を持つのは珍しい、と思いながら、マウスちゃんが納得しかねる気持ちをこぼすと、
「もちろん、関係を悪くすることなく、お聞きすべきことはお聞きする、それが営業担当のスキルというものです。・・・それも含め、ディーさんにはまだまだいろいろとお勉強して頂くべきことが多いようですね。」
 メモリ主任の目元が細められるのを見つめながら、やっぱりメモリ主任はメモリ主任だった、と冷や汗をかいて後ずさるマウスちゃんなのでした。