不定期配信　マウスちゃんとメモリ主任のＩＴ１年生⑨

情報の重要性が増す昨今、弊社では情報セキュリティについて、その意義や情報を共有する取り組みを続けています。
担当チームが社内向けにまとめた資料などを基に、軽い読み物を不定期でお届けできればと思いますので、ご笑覧頂ければ幸いでございます。

　総務に呼ばれて離席していた営業のイーさん。１時間ほどたって戻ってくると、疲れ切った様子で肩を落としています。
「大丈夫ですか・・・」
　おそるおそる声をかけるマウスちゃんに、疲れたような笑みを見せます。
「うん、大丈夫。そもそもスマホを置き忘れた僕が悪いんだし。」
「叱られました？」
「叱られてはいないかな。スマホを置き忘れることの何が危険なのか、丁寧に説明を受けただけ。ただ、その時にスマホのＯＳをアップデートしていないのがばれちゃって・・・」

「してなかったんですか？」
「うち、Ｗｉ－Ｆｉ環境無くて。容量使い放題の契約でもないから月が替わってから、と思って忘れてて・・・」
「危険ですよね。」
「その場でそれも説明してもらった。パソコンのＯＳと同じで脆弱性や弱点を補うためのアップデートですよって。

・ＯＳ、アプリのアップデートを自動更新にするか、手動でも必要な処理は必ず行う
・ウイルス対策ソフトを入れるか、通信会社が提供するセキュリティサービスを契約し設定する
・正規の方法でアプリを入手する

は基本だし、例えウイルス対策ソフトが入っていても、ＯＳやアプリのアップデートがされていないとリスクが高いですよって説明してもらった。」

「そもそも私用のスマホを使ったことについても説明を受けて・・・」
「情報セキュリティ規定で禁止されていますもんね。」
「たまたま手に取っちゃったんだよ・・・で、私用デバイスって

・適切なセキュリティ対策がとられているかが管理できない
・業務のメールを私用の宛先に送るなどのミスが生じやすい
・紛失などの際に適切な処理が実施できない

から禁止されているんですよ、っていうことを、これも淡々と説明して頂いた・・・」

「叱られたんですね・・・」
「だから、叱られてはいない。淡々と、冷静に、説明して頂いただけ。ただ、悪いのはこっちだって分かってるのに、そして、確実に怒ってるだろうなって分かってるのに、ただひたすら淡々と、懇々と説明されると、余計に罪悪感が募るっていうか、怖いっていうか・・・」
　そういって深々と溜息を吐くイーさんを目にして、絶対にメモリ主任を怒らせるのはやめようと、改めて心に誓うマウスちゃんなのでした。