不定期配信　マウスちゃんとメモリ主任のＩＴ１年生⑩

情報の重要性が増す昨今、弊社では情報セキュリティについて、その意義や情報を共有する取り組みを続けています。
担当チームが社内向けにまとめた資料などを基に、軽い読み物を不定期でお届けできればと思いますので、ご笑覧頂ければ幸いでございます。

　総務に呼ばれ、私用スマホの危険とアップデートの重要性について説明を受けたイーさん。
「とにかく忘れないうちにアップデートするよ。そういえば、一緒にパソコンのＯＳのアップデートも確認しておいて下さいねって言われたんだっけ・・・」
　まずはパソコンの方から確認することにして操作をしていましたが「あれ？」と首をかしげます。
「どうかしましたか？」
「いや、いつもよりチェックが長くて・・・アップデートのチェックって、こんなに時間がかかるものだったっけ？」
　言われてカレンダーを見たマウスちゃん、「ああ」と声を上げた。
「第２水曜日だからですよ。あ、いえ、今日は第３水曜日ですけど、正確に言うと、第２火曜日の翌日だから、ですね。」

「どういうこと？」
「うちの会社のパソコンのＯＳのメーカーさんが、月に１回、大きなアップデートを配信されるんです。脆弱性の対策が一番大事なものですけど、ほかにも小さな不具合の修正とかをまとめて定期的に。それが米国時間の第２火曜日で、日本では時差の関係で第２火曜日の翌日、第２水曜日か第３水曜日に配信されるんです。」
「そうなんだ・・・」
「基本的にはＯＳのアップデートって自動更新するように設定されていますよね。うちの会社の場合、アップデートが滞りなく済んでいるか確認するのは、規定で金曜日になっていますけど、問題が発生していなければ、その時点で大きなアップデートは自動で済んでいるはずなので、チェックには大した時間はかかりません。でも、たまたま今日は第３水曜日で、大きなアップデートが配信されているタイミングなので、今、それをダウンロードしようとして時間がかかっているんだと思います。」
「あ・・・マウスさんの言う通り、いくつかダウンロードを開始したみたい・・・これ、どうすれば良いの？」
「必要な分はパソコンが自動でダウンロードやインストールをしてくれますから、パソコンに任せて他の仕事をしていて大丈夫ですよ。ただ、大きな更新の場合、インストールが終わった後でパソコンの再起動が必要になる場合がありますから、メッセージが出たら再起動して下さいね。」

「ＯＳやアプリの修正プログラムを適用することを『パッチを当てる』っていう言い方をするそうです。だから、第２火曜日のことを『パッチチューズデイ』って呼んだりするんだそうですよ。」
「詳しいんだね、マウスさん。」
「いえ、すべてメモリ主任からの受け売りです。」
「ああ、なるほど・・・」
「そう言えば、メモリ主任、仰ってました。自動更新が設定されているんだから大丈夫って分かっているけど、どうしても第２水曜日にはＯＳの手動アップデートをしてしまうって。今日がその日だって分かっていらしたから、イーさんにパソコンのＯＳの方も確認するようにって仰ったのかもしれませんね。」
「アップデートが大切だってこと、僕にさらに分からせるために？」
「多分。」
「じゃあ、ひょっとしてマウスさんが僕に説明してくれるのも見えていて・・・？」
　どこまでメモリ主任の掌の上なのかを考えると少し寒気を覚えるイーさんとマウスちゃんなのでした。