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華陽ニュース

紙の市況(2022.1)詳細 1月10日更新分

【洋紙 国内の紙の市況/状況】

1.DIC インキなど値上げの報道

 12月29日付の日本経済新聞紙上にて、DICグループのDICグラフィックスがインキや接着剤を値上げすると報じられています。記事やDICグラフィックスの12月17日付の発表によると、

対象 主にパッケージ印刷向けに使用されるグラビア・フレキソインキや接着剤製品、食品用金属容器などに使用される塗料やインキ製品
値上げ幅 グラビア、フレキソインキ全般 70円/kg
接着剤 40円/kg
硬化剤 80円/kg以上
クリヤー 40円/kg
ホワイトコーチング 50円/kg
金属インキ 70円/kg
時期 2022年1月1日出荷分より

 価格改定の背景として原料市況の高騰や物流コスト、副資材費などの上昇を挙げており、安定供給や品質維持などのため価格改定は避けられないとして理解を求めています。


【板紙 国内の紙の市況/状況】

1.2022年の段ボール需要予測発表

 全国ダンボール工業組合連合会は12月7日、2021年の段ボール需要見込みと2022年の段ボール需要予測を発表しました。公式サイトに掲載された発表によると、

2021年見込み 前年比103.0%
2022年予測 2021年比101.7%
加工食品用 内食需要の堅調や、自販機・業務用需要の回復を予測。
その他 高齢者向け衛生用品、ペット関連、マスクや除菌シートが堅調と予測。
青果物用 天候が通常であれば前年並みと予測。
電気器具・機械器具用 家電需要は一段落するも、半導体不足の解消に伴い機械関連が回復と予測。
薬品・洗剤・化粧品用 健康志向の向上、外出機会の増加に伴い化粧品用が回復と予測。
通販・宅配・引越用 通販が堅調で引越関連も回復に転じると予測。

 段ボールの需要に顕著な影響を与えると想定される実質GDPの2022年度の成長予測について、同会は+2%台後半とみる民間調査機関の予測を参考にしています。


【印刷・製品関連】

1.アサヒと山陽製紙が「モルトペーパー」を開発

 アサヒグループホールディングスは10月15日、山陽製紙と共同で「焙煎麦芽粉砕物」を抄き込んだ「モルトペーパー」を開発したと発表しました。公式サイトの発表によると、

焙煎麦芽粉砕物 黒ビールや麦茶を製造する際の焙煎工程などで発生する、規格外で使用できない麦芽の粉砕物。飼料として活用されているが、より付加価値の高い活用を目指し、紙の原料としてアップサイクルさせる仕組みを開発。
モルトペーパー アサヒで発生する焙煎麦芽粉砕物を山陽製紙がさらに粉砕し、牛乳パック由来の再生パルプにすき込んで「モルトペーパー」を製造。和紙のような上品で高級感のある見た目と手触りが感じられる紙に。
用途 アサヒグループの「なだ万」で薄紙を加工したランチョンマットや献立用紙を、同じく同グループの「アサヒフードクリエイト」で厚紙を加工したコースターを使用。

 外食店でのテスト活用で使用感や機能性を確認し、将来的にはオリジナルのサステナブルペーパーとして名刺や封筒、製品段ボール、ギフトケースなどへの活用を検討すると、同社は将来の事業展開の展望を説明しています。


※文中敬称略
※文章は2022年1月6日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。