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【紙のソムリエ】番外編 シート先輩とコマキさんの紙に関する四方山話26 箱の紙②

「コマキさん、お煎餅って欲しくない?」
「今ですか?特に欲しいとは思っていませんが、どうされたのですか?」
「このお正月も帰れなかったら、実家からいろいろ送ってもらっちゃって。お歳暮でもらって、まだ封開けてないからって、お煎餅とかお茶漬けとか。さすがに食べきれないし、誰かもらってくれないかなと思って持ってきたんだよね。」
「箱ごとですか?では皆さんに・・・」
「?どうしたの、コマキさん、固まってるよ?」
「ああ、すみません。箱に見とれていました。この箱はまた、以前に教えて頂いた『紙器用板紙』とは違うのですね。」
「これも『紙器用板紙』で『白板紙』だよ。『マニラボール』ではないけどね。」

「これは『白ボール』。板紙のなかの、紙器用板紙のなかの、白板紙のなかの一つ。」

「もともとは下のグレードの黄ボールやチップボールから進化した製品なんだって。」

白ボール 表層に晒クラフトパルプ、中層・裏層には古紙を原料として用いている板紙。表面が白く裏面がグレーの『裏ネズ』と、裏面も白く見えるように古紙の種類や配合を工夫した『裏白』がある。
印刷適性を上げるため、白い面に白い塗料を塗布した『コートボール』が主流。食品パッケージに使用されることから、蛍光染料不使用の製品も多い。
お菓子や食品、洗剤などの日用雑貨、ティッシュやラップのケースなど、身近な日用品のパッケージに使用されている。
黄ボール・チップボール 古紙を主原料とする紙器用板紙。かつては黄ボールやチップボールに印刷した紙や和紙などを貼り合わせてパッケージに使用していたが、現在は印刷したコートボールが主流のため、箱や本の表紙などの芯材としての利用が多い。

「外箱だけじゃなくて、箱の中の仕切りとか、パッケージに関わる全般に塗工・非塗工両方の白ボールが利用されてるよ。」

「最近では使い捨てプラスチック削減の流れで食品の個包装自体も紙製、っていうこともあるから、お菓子を買ったらパッケージは個包装、外箱、仕切り、丸ごと全部紙製、っていうものも出てきてるね。」
「そうなのですね。パッケージについてはいろいろな意見があると思いますが、パッケージが製品全体の価値を向上させる、というのは見方の一つとしてありますよね。」
「そうだね。パッケージは中の商品の品質を『守る』もので、その価値を『守る』ものでもあると思う。だから僕は提唱したい。紙の第4の機能は『守る』だと!」
「先輩、確か2021年の1月にも同じ説を唱えておられませんでしたか?1年経っているのに成長がない・・・」
「・・・・・」