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ニューノーマルにこの一品39 気候変動対応②日本製紙

【ニューノーマルにこの一品】

 「ニューノーマル」という言葉は新型コロナウイルス下での生活や仕事の新しい様式を表す言葉として使われていますが、近年、私たちの生活や考え方に影響を与え、変えてきたものには、海洋汚染の深刻化による脱プラの動きや、SDGs、ESG、ダイバーシティ等、さまざまなものがあります。
 その、様々なもので形作られる「ニューノーマル」に、紙で貢献できる製品とは、の観点からの取組みをご紹介いたします。

39 気候変動対応②日本製紙

 日本製紙連合会が「環境に関する自主行動計画」を制定したのは1997年1月(2012年に現在の「環境行動計画」へと引き継がれ継続)。
 パリ協定や持続可能な開発目標=SDGsが採択された2015年、京都議定書が採択された1997年12月より早くから、日本の製紙各社は地球温暖化対策に業界を挙げて取り組み、様々な工夫を積み重ねると同時に、時代に合わせ目標や取り組みのアップデートを繰り返してきました。
 そのひとつである気候変動対応について、日本製紙グループの取り組みを、「日本製紙グループESGデータブック2023」の「気候変動問題への対応」からご紹介致します。

基本的な方針 日本製紙グループ環境憲章(2001年制定、2007年改定)にて
①地球温暖化対策の推進
②森林資源の保護育成の推進
③資源の循環利用の推進
④環境法令の順守、環境負荷の低減
⑤環境に配慮した技術・製品の開発
⑥積極的な環境コミュニケーションを図る
を基本方針と定めている。
目標 2050年カーボンニュートラルの実現に向け、2030年度目標として
・温室効果ガス(GHG)排出量(Scope1+2)2013年度比54%削減
・海外植林地における二酸化炭素固定効率2013年比30%向上
・紙化製品の拡大で脱プラスチック・減プラスチック需要に対応
を掲げている。
また、GHG削減のため
・燃料転換
・生産・物流工程での省エネルギー
・自社林の最適な管理による二酸化炭素吸収・固定
を3つの柱として進めている。
燃料転換 ・パルプ製造時に副産される黒液や建築廃材など木質バイオマス燃料
・使用済みタイヤ、RPFなど廃棄物燃料
・国内外で適切に調達した木質ペレット
を燃料として活用しており、2022年度の非化石エネルギー利用率は1990年度の34%から45%に拡大。
日本製紙クレシア開成工場は2022年にPPAによる太陽光設備を導入。
木質バイオマスを比較的低温で炭化する技術の確立や廃棄物固形燃料の自製など、GHG排出量の削減や廃棄物排出量の低減につながる新技術も開発、実用化している。
生産・物流工程での省エネルギー ・生産工程では高効率設備の導入や生産工程の見直しなどを実施し、成功した省エネルギーの取り組みは国内外グループ会社で共有、展開して効果の増大に努めている。
・物流工程では「積載効率の向上」「輸送距離の短縮」の観点で工夫を重ね、モーダルシフト化や直接納入・共同輸送の推進などでグリーン物流の実現に取り組んでいる。
自社林の最適な管理による二酸化炭素吸収・固定 事業計画に基づいた植林・伐採による適切な森林管理、継続的な間伐を実施。二酸化炭素吸収量の一部は「J‐クレジット」に認定されている。
同社の算出によると、国内外の同社社有林・植林地の森林による2020~2022年の二酸化炭素の純吸収量は約78万トン(二酸化炭素換算)、2022年末時点の総固定量は約3,100万トン(二酸化炭素換算)。
その他 2021年4月に気候関連情報開示タスクフォースに賛同。気候変動がもたらすリスクと機会の分析を実施し、同社の強みや対応を明らかにしている。

 ボイラーメーカーと共同でNEDOの二酸化炭素分離・回収・利用に関する実証事業に参画したり、非鉄金属メーカーと共同で秋田県と首都圏のラウンド輸送を開始したりと、適宜他社・他業界と協業しながら、同社は気候変動の面からも循環型社会の実現に向け取り組んでいます。

※上記は2023年9月14日発行の「日本製紙グループESGデータブック2023」より抜粋しており、その後新たに発表・実施された対策を含んでいない場合があります。

※文章中、敬称略