KAYO NEWS
華陽ニュース
ニューノーマルにこの一品43 気候変動対応⑥三菱製紙
【ニューノーマルにこの一品】
「ニューノーマル」という言葉は新型コロナウイルス下での生活や仕事の新しい様式を表す言葉として使われていますが、近年、私たちの生活や考え方に影響を与え、変えてきたものには、海洋汚染の深刻化による脱プラの動きや、SDGs、ESG、ダイバーシティ等、さまざまなものがあります。
その、様々なもので形作られる「ニューノーマル」に、紙で貢献できる製品とは、の観点からの取組みをご紹介いたします。
43 気候変動対応⑥三菱製紙
「FSC🄬認証‐MX」というラベリングを対象商品に冠し、印刷物への森林認証紙の浸透に貢献する三菱製紙。2001年よりほぼ四半世紀、FSC🄬森林認証に取り組む理由を、「古紙を配合できない高品質商品の取り扱いが多かったため、環境貢献を森林認証に求めた」と同社は説明しています。森林認証をはじめとする同社の環境配慮に関する取り組みの一部をご紹介させて頂きます。
森のサイクル | 『製紙産業は循環型産業』であることを表す資源循環サイクルのひとつ。 製紙の資源循環というと古紙回収に象徴される「紙のサイクル」が浸透しているが、 植林、育成、伐採、植林、と、森林資源を無駄なく利用し、森林を適切に管理・更新して面積を増やしていく「森のサイクル」も重視され、実施されている。 |
森林認証制度 | 森林資源量や環境への影響みならず、生物多様性やそこで働く人の人権、周囲に住む人の文化が守られているかなど、環境、経済、社会といった様々な側面から森林が適切に管理されているかを審査し、適切な森林経営や流通、製品に対し認証を与える制度。 国際的NGOの「森林管理協議会」が運営するFSC🄬森林認証と、 各国が独自に運営する森林認証制度を相互に認証し合う仕組みであるPEFC森林認証が国際的な森林認証制度として知られている。 FSC🄬森林認証では、適切に管理された森林に与えられる『FM認証』と、認証林から収穫された認証材が製品に加工され消費者に届くまでの過程が適切に管理されているとして与えられる『COC認証』がある。 |
三菱製紙のFSC🄬森林認証 | 同社は2001年、八戸工場で『FSC‐COC認証』を取得。日本の製紙工場で初めての認証取得で、これを機に同工場でのFSC🄬森林認証紙の生産を開始する。2007年にはドイツ子会社でもCOC認証を取得し、これにより三菱製紙グループのすべての紙生産拠点での認証取得を完了する。 国内社有林ではFM認証の取得を進め、現在、青森県、岩手県、福島県の3か所の社有林が認証林となっている。 |
地球温暖化対策 | 1993年4月に『三菱製紙環境憲章』を制定、2010年7月に改訂。基本方針の1に『地球温暖化対策の推進』を掲げている。 2022年4月に『三菱製紙グループ環境ビジョン2050』を策定。 ・再生可能エネルギー等の最大利用 ・炭素固定技術の活用 ・環境配慮商品の開発 を通じて日本政府が掲げる『2050年のカーボンニュートラル実現』に貢献していくとしている。 |
TCFD | 2022年4月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明し、提言に賛同する国内企業や金融機関によって構成されている「TCFDコンソーシアム」に加入。 全社横断的なTCFD対応プロジェクトチームを発足させ、気候変動関連のリスクと機会の抽出、管理、対応策の協議決定、シナリオ分析などを実施している。 |
拡充・増販する商品群 | 安全・安心な水の確保に貢献する「水処理膜基材」や電力の有効利用に寄与する「バッテリーセパレータ」といった『安全かつ快適なサステナブル社会に貢献する機能商品事業製品』と『脱プラ・減プラに貢献する木材由来新製品』を拡充・増販することで、機会を捉え強固な経営基盤の確立を目指すとしている。 |
エコシステムアカデミー | 福島県の社有林を中心に体験学習や環境セミナー、森の調査・研究などを行い、同社の地球温暖化防止や生物多様性保全の姿勢を多くの方に知ってもらう取り組み。2010年の開設後、体験学習や植樹会、小学校への出前環境教育実施などを重ね、2020年には「福島県体験の機会の場」の認定を取得している。 |
同社は公式チャンネルを開設して動画配信を実施するなど、多くの方に同社のグリーン社会への貢献に向けた取り組みを理解して頂くための活動を続けています。
※上記は2024年6月25日時点で公表されている同社の「環境への取り組み」等を参考に華陽紙業にて抜粋・編集しており、その後新たに発表・実施された対策を含んでいない場合があります。
※文章中、敬称略