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【紙のソムリエ】番外編 シート先輩とコマキさんの紙に関する四方山話④紙とプラスチック②

「おはよう、コマキさん。今日はマスクしてないね。」
「おはようございます、シート先輩。マスクが手に入らなくて。幸い風邪は引いていないし、花粉症でもないのですが、人の多いところに出かけなくてはならないときは少し不安ですね。」
「ネットでは手に入る素材で代用品をつくる方法が紹介されているよね。どの程度効果があるのかは分からないけど・・・」
「マスクが普通に手に入るようになるのが一番ですが、しばらくは難しいかもしれないという話もありますし、代替策を考えておく必要はありそうですね。」
「代替、といえば、今問題になっている使い捨てプラスチック削減でも紙製品での代替に注目が集まってるよね。」
「・・・伏線にしてはお粗末なのでは・・・」
「何か言った?というわけで、本日は、使い捨てプラスチックの削減に関する各企業の取り組みや、代替に貢献するかもしれない紙製品などをご紹介致します。」

1.各企業の取り組み

「使い捨てプラスチック削減の象徴と言えば、プラスチック製ストローの提供中止や代替だね。」
「日本で問題が注目され始めた2018~2019年に、外食やホテルなどの業界でそのニュースが相次ぎましたよね。」

プラスチック製ストローの提供中止・他の素材への置き換えなどが報じられた企業(抜粋)

外食 ガスト、デニーズ、大戸屋、ケンタッキーフライドチキン、マクドナルド、モスバーガー等
ホテル ハイアットリージェンシー、米マリオット・インターナショナル、ANAクラウンプラザホテルグランコート名古屋、リゾートトラスト、ワシントンホテル等

「次に話題になったのがアパレルや小売り業界。袋を紙製にしたり、有料化するなどしてプラスチック使用量削減を打ち出した。」

H&M 2018年12月より、日本の店舗でも買い物袋を順次紙製に。有料化も実施。
良品計画 2019年4月、銀座の店舗でショッピングバッグの紙化を試行。他の店舗でも2020年3月より順次紙製への切り替えを実施、6月末までに全店舗で切り替えの計画。マイバッグの持参も呼びかけ。
ユニクロ 2019年9月よりショッピングバッグの紙製への切り替えを実施。2020年4月からは有料化の計画。(注:2020年3月、有料化の延期を発表)

「今年(2020年)の7月からは、小売り全店でプラスチック製レジ袋が有料化されます。それに伴って、スーパーやコンビニでもレジ袋の素材変更や有料化などの動きが出てきました。」

イオン 2007年よりレジ袋無料配布中止、マイバッグへの切り替え運動を開始。2019年2月時点で1,701店舗で実施。2020年4月には系列化のドラッグストア(ウエルシア)やコンビニ(ミニストップ)を含め、約8千店で有料化を実施する計画。
セブン&アイ 2012年から系列のスーパー(イトーヨーカドー)でレジ袋の有料化を開始。セブンイレブンでもレジ袋の紙化を試験導入し、2030年をめどにプラスチック製レジ袋の使用量ゼロを実現する計画。
ファミリーマート お弁当やサラダなどの容器にバイオマスプラスチックや再生PET配合など環境配慮型素材を活用。2020年7月より全レジ袋をバイオマス素材30%配合の素材に切り換え、有料化する。大手コンビニで有料化を明言したのは初。
2.紙製品のいろいろ

「これを機に紙の良さも見直してもらおうっていうことで、紙関連各社も使い捨てプラスチック削減に貢献できるかもしれない製品を開発しているんだ。」

日本製紙 「口当たりの良さ」「高い耐久性」「安全性」を追求した紙ストローを2019年4月に発売。6月より株式会社ゼットンが運営する飲食店4店舗で提供。
紙製の液体差し替え容器「SPOPS🄬」も、使い捨てプラスチック使用量の削減につながるものとして、2019年12月に製品化。
日本紙パルプ商事 環境貢献製品を扱うサイト「Paper&Green」を2019年9月開設。コンパクトに折り畳めるミウラ折りの紙袋や生分解性セルロースフィルムの袋、竹やバガスを原料とする生分解性の食器『WASARA』など、環境配慮型の製品を提案・販売。
竹尾 2019年10月、コーヒーイベントとのコラボで、同社の新素材『ファインフルート🄬』を用いたカップスリーブや紙製のフタなどを開発。ストローよりも環境負荷が大きい製品の紙化事例として提案。

「食品用包材でも、製紙各社が持っている塗工技術を活かしたバリア性を持つ新素材が次々に開発、採用され始めているところだね。」

日本製紙 紙にバリアコート層を塗布することで酸素や水蒸気を通さず、品質の劣化やにおい移りを防ぐ紙製包材『シールドプラス🄬』を開発。2019年3月に『もっとやさしい鵜飼せんべい』の包材として採用。より高い水蒸気バリア性を有する『シールドプラス🄬プレミア』も2019年4月よりサンプル提供開始。
王子HD 『SILBIO BARRIER(シルビオバリア)』を開発、2019年4月よりサンプル提供開始。酸素や水蒸気の透過を防ぎ、内容物の劣化を抑える機能を持つ。
三菱製紙 欧州子会社が生産する食品包装用コート紙『barricote(バリコート)』を2019年9月より日本で販売開始。ヒートシール適性を有しているグレードもある。
北越コーポ 2020年2月『パンセ』の開発を発表。ポリエチレンラミネート紙と同等のヒートシール特性を持つ紙製バリア素材として、紙コップやホットスナック包装、お菓子などの外袋としての用途を提案。
大王製紙 高密度厚紙『エリプラペーパー』の販売を2019年5月に開始。紙製ナイフやマドラーなどとして、プラスチック素材への代替を提案。

「紙素材だからリサイクルできたり生分解性だったりっていう環境に優しい特性も持っている。環境負荷低減とプラ系素材が有する機能を両立する製品として、注目を集めつつある素材たちだよ。」

「もちろん、『プラスチックか紙か』っていう問題じゃないと思う。お互いの長所でお互いの短所を補い合って、より環境に優しい社会をつくっていけたらいいね、っていうことだと思うんだけど。」
「『プラスチックも紙も』ですね。そう考えると、『電子か紙か』にも通じるところがありますね。」
「人材の多様性の尊重にも似てるよね。」
「私の不得意なことを先輩に補って頂いて、といったことですね。」
「そうだね。・・・え、そうかな?・・・補えてる?・・・補ってもらってばっか?・・・」
「え?先輩?どうされたんですか?どうしてどんどん暗くなっていかれるんですか??」