1. HOME
  2. KAYO NEWS
  3. 【紙のソムリエ】番外編 シート先輩とコマキさんの紙に関する四方山話⑥紙ではない紙

KAYO NEWS

華陽ニュース

【紙のソムリエ】番外編 シート先輩とコマキさんの紙に関する四方山話⑥紙ではない紙

『おはよう、コマキさん』
「おはようございます、シート先輩。在宅勤務はいかがですか?」
『環境は整えられたから仕事自体はあまり問題ないよ。ただ、オン/オフの切り替えが難しいね。』
「ああ、何となくわかります。」
『一応、始業時間とかお昼休みとかにアラーム鳴らして、それに合わせて切り替えるようにしてるけど、なかなかね。仕事であって仕事でない、仕事じゃないのに仕事、みたいな時間があって・・・って、この前話してたストーンペーパーに似てるね。』
「ストーンペーパーですか?」
『紙なんだけど紙じゃない紙、っていう感じがね。でも、そういう、紙に見えるし紙って呼んでる場合もあるけど原料が違う、製造方法が違う、紙じゃない紙、ってほかにもあるよね。』

「ぱっと思い浮かぶものというと、合成紙でしょうか。」
『今注目されている不織布とかね。』

合成紙 製品により違いがあるが、多くの場合の主原料は石油由来の樹脂。高い耐水性などから戸外で使う地図やポスター、投票用紙などに用いられている。古紙リサイクルに混ぜてはいけない『禁忌品』。
不織布 木材繊維と接着繊維を混ぜてシート化したもの、樹脂が主原料のものなど、見かけは『紙』だが、原料・製法が一般的な『紙』とは異なる。液体・気体のフィルターや油の吸着シートなど、用途が広がっている。
ストーンペーパー 主原料は石灰石と樹脂。紙のリサイクル用の機械に混入してしまうと機械の故障の原因になる恐れがあるため禁忌品指定されているが、見かけは紙であるため分別が徹底されない可能性が懸念されている。
ストーンペーパー独自のリサイクルシステムの構築が待たれる。

『有名とは言えないかもしれないけど、もっと違う繊維を使っている『紙』もあるよね。』

ガラスペーパー ガラス繊維を主原料とする紙。絶縁性、難燃性が高く、プリント基板やフィルター材、建材などに用いられる。
炭素繊維紙 炭素繊維を抄いて紙にしたもの。元になる原料の違いなどによって強度が高いもの、導電性が特徴のものなど様々で、性質に応じて筐体やフィルター材など様々な工業製品に用いられている。
金属繊維シート 巴川製紙所が開発したステンレス繊維シート、銅繊維シートはそれぞれステンレス、銅が原料となっている。それぞれに電磁波シールド、電子デバイスなどの用途が提案されている。

『逆に、使い方からして紙とは思えないけど紙、っていうのもあって、これも境界が溶けあってる感じが似てるかも。』

『まあ、切り替えができない以外にもいろいろ戸惑うよ、在宅勤務って。こうしてコマキさんと話ができるだけでも救われるっていうか。』
「チャットですけどね。」
『チャットでも!話したことに反応が返ってくるのが嬉しい。思わず独り言言ってて、何も返ってこなかった時の寂しさときたら・・・』
『でもシートくん、在宅じゃなくてもそうだよね?』
「え?割り込み?」
『・・・・・・』