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【紙のソムリエ】番外編 シート先輩とコマキさんの紙に関する四方山話⑯チラシの紙

「おはようございます、シート先輩。・・・何をそんなに熱心にご覧になっているのですか?」
「おはよう、コマキさん。洗濯機の調子が悪くて・・・会社の新聞のチラシにちょうど電気屋さんのがあったから、もらったんだよね。」
「チラシですか・・・そう言えば、日本製紙連合会さんが発表された、2020年の紙や板紙の内需実績はご覧になりましたか?」
「見たよ。1月20日に発表されたのだよね。2020年の実績見込みで、グラフィック用紙が前年比16%程度ダウンっていう・・・」
「なかでも塗工用紙の落ち込みが大きく、品種別では唯一、減少幅が20%を超えていました。塗工用紙と言えばチラシだな、と、それを読んだときに思ったのですが。」
「いや、その決め付けはちょっと乱暴すぎる。でも、チラシ用途が小さくないのも間違ってはいないけどね。」

「塗工用紙って言うけど、分類的には『微塗工印刷用紙』と『塗工印刷用紙』に分けられる。で、チラシに使われるのは『微塗工印刷用紙』の方が多い。あと、『塗工印刷用紙』のなかの『軽量コート紙』だね。

・塗工してあることで、印刷仕上がりがきれい
・薄くて軽いから、価格が安い
・薄くても裏抜けしにくい

っていうのが、選ばれる理由かな。」
「薄くて軽ければ、輸送コストも下げられそうですね。」
「どこからどこへの輸送か、によるけど、それもあるかな。で、その新聞チラシ、いわゆる折り込み広告だけど、2020年は大幅に減少した。」
「新型コロナウイルスの影響ですね。」
「そうだね。

・イベントの中止や旅行の自粛による公告の減少
・緊急事態宣言下で、小売店や量販店などが外出につながる広告を自粛
・宣言解除後も、人が集まることを回避するため、小売店などでチラシの回数減

といった要因から、特に去年の4~6月期は折り込み広告が大幅に減少して、それが用紙の需要にも直接影響したと分析されている。」

「もともと紙媒体の広告は年々減少傾向でしたよね。」
「デジタル化と人口減の影響だね。」

デジタル化 スマホなどデジタルデバイスの浸透により、デジタル化の流れは出版から広告へと拡大。
人口減 世帯数の減少で、折り込み部数も減少。

「昨年の減少が大幅だったから、今年は紙媒体の広告も前年比プラスになるだろうと予測されている。でも、減った分の回復には全然足りない。『ウィズコロナ』『アフターコロナ』の時代でも

・商品やサービスの提供の場面における、非接触化
・商談やコミュニケーションのリモート化

っていう傾向は続くんじゃないかとみる意見もあるし、紙媒体の広告の部数減、サイズ縮小の傾向は続くと分析されているよ。」

「今後決済のデジタル化がさらに進めば、クーポンの電子化も今より進むでしょうから、チラシのデジタル化も今以上のスピードで進むのかもしれませんね。」
「うん。ただ、一覧性とか比較という意味では、紙のチラシの方が上だと思うんだけどね。チラシアプリでも比較はできるけど、紙のチラシを見比べた方が、何が安いか瞬時に分かるし。」
「チラシアプリでも、他店の価格を表示してくれるものもありますよ。」
「自分で見つける、っていうのが大切なんだよ。そういう、買い物の楽しみみたいなものを消費者の方に訴えていければ、紙のチラシにもまだできることがあると思うんだけどな。」
「それは今後の課題ですね。・・・どの洗濯機にするか、決まりましたか?」
「・・・それは今後の課題ということで・・・」